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老人ホームでは、時間ばかりに追われている生活スタイルになってしまいますよね。食事の時間や入浴介助など決め事が多くあり、なかなか利用者さんが自由に過ごせる時間がありません。

休日に家で過ごすにも、細かく時間が決まっていたら、息がつまりそうですよね。趣味に没頭して、食事の時間も忘れるということもできなくなるのです。今回は食事の時間厳守をなくし、趣味を中心に過ごせる介護の成功例をお伝えします。

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食事よりも趣味を優先したい利用者さん

車椅子で普段生活している男性利用者Aさんには、様々な趣味がありました。きりのいいところまでやってしまい、食事の時間に間に合わない日もあります。介護側からしたら、食事の提供時間は決まっており早めに食べてほしいのが本心でした。

家庭でも食事を作る人からしたら、食事を一番おいしい状態で食べてもらいたいですよね。さらには、早く食べてもらわないと片付けもできません。Aさんは食事より趣味の時間を大切にしたいので、食事時間なんておかまいなしです。

活動するには食事も大切

食事は、適切な栄養を確保するだけではなく、特に老人は口からの刺激がとっても大切です。

低栄養状態になると、筋肉や骨密度の低下、転倒や骨折、体力低下による疾病の悪化など
様々な悪影響があり、寝たきり状態に繋がってしまいます。
参考無理なく楽しく!高齢者が簡単に健康的な食事を摂る方法

ほとんどの人は、1日3度の食事が標準的な考えですよね。施設指導監査事項にも、家庭生活に近い時間になっているかと指摘があります。
参考:施設指導監査事項(老人福祉施設)

食事提供時間の自由化

食事の時間は、国の法律で定められていません。老人ホームによって、職員や食事準備の都合などで食事提供の時間は違います。いつでも食事を提供できる体制を整えるために、予備食の準備をして解決しました。

Aさんに食事の声掛けは必ず行うことを前提として、利用者さんと家族とも話し合いを行いました。その結果として、わがままを聞いてもらうのだから簡易の食事で構わないとなりました。
それによって、予備食の準備と話し合いによって、Aさんは趣味に没頭できるようになったのです。

介護者の固定概念を押し付けない

食事の提供時間に、老人ホームとしての制限はあります。しかし、老人ホームは利用者さんにとっては今は引っ越した家なのです。今までの大切にしていた習慣は、他人にとって許せないし理解できない場合もあるかもしれません。

しかし、今までの習慣をそのまま老人ホームに持ち込むことが安心して生活ができるのです。可能な場合や不可能な場合があるかもしれませんが、できる範囲で利用者さんによりそった介護が本来の介護ではないのです。寄り添った介護をするため可能な限り努力するのが、プロの介護の現場だと感じています。

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