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バイタルチェックは介護の現場では必ず行われるものですね。毎回測るものなので、当たり前のようになってしまい、その重要性をつい忘れてしまいがちです。

バイタルは、生命に関わる基本的な情報です。その情報をきちんと集めることで、体に起こっている異常を早期に発見することができます。早期に異常に気付くことができれば、すぐに医療職へ繋げて対応することができます。

いつもと何となく違う、という気付きを持てるのは、一番近くにいる介護士だからこそです。そこにバイタルサインという根拠を添えることで、高齢者の体の中から発するSOSを早期にキャッチすることができます。

バイタルサインの種類と、その数値の持つ意味を押さえることが、高齢者の健康を維持するひとつの重要なカギとなるのです。

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バイタルサインと正常値

基本的なバイタルサインは4つ

  1. 体温
  2. 血圧
  3. 脈拍
  4. 呼吸

バイタルサインは生命兆候を数値化したもので、動物が生きていくうえで一番基本的で重要な情報です。自覚症状がなくても客観的に体の状態を知ることのできる情報です。

高齢者の体温異常とは

健康な人の体温は一般的には36℃前後ですが、高齢者の体温はそれよりも1℃近く低いと言われています。個人差や日内変動もあるため、できるだけ同じ時間に計測して普段の平均体温を把握しておく必要があります。また感覚の低下により暑さや寒さが感じにくく、体温調整がうまくできなくなることも高齢者の特徴です。

正常値:36~37℃前後

異常値:低体温35℃以下、高熱38℃以上

体温異常で疑われるのは?

1.熱中症

体外にうまく熱を逃がすことができないため、体に熱が溜まってしまいます。こまめに水分を摂りエアコンなどで室温を調整しましょう。

2.老人性低体温症

寒い時は体の表面や手足の血管を収縮させて熱が体外に逃げないようにする機能がありますが、高齢者はこの機能が弱く血管から熱がどんどん逃げてしまいます。深部体温が35℃以下になると激しい震えや意識障害が起こり、最終的には死に至ります。

3.病気にかかっても熱が上がりにくい

風邪やインフルエンザ・肺炎などに感染していても高熱にならないことがあり、発見が遅れてしまいます。

年齢とともに血圧は高くなる

高齢になると血管の弾力が無くなるため、血管にかかる圧力をうまく逃がすことができずに血圧が高くなります。高血圧はサイレントキラーとも呼ばれ、自覚症状がないのが特徴です。高血圧が続くと心筋梗塞、脳卒中などの発生の原因となるため注意が必要です。

正常値:140/90mmHg未満

異常値:140/90mmHg以上

※70代の最高血圧の目標値は150mmHg以下、80代では160mmHg以下。

高血圧

高血圧になると常に血管に負担がかかり、動脈硬化を起こしやすくなります。進行すると脳卒中や心疾患、慢性腎臓病のリスクが高くなります。

高血圧症には、原因不明の本態性高血圧症と原因が明らかな二次性高血圧症(内分泌器官や腎臓の病気などによって起きる高血圧症)があります

低血圧

WHOの基準では、100/60mmHg以下を低血圧としています。

1.本能性低血圧

低血圧症の約9割を占め、 特別な原因疾患を伴わずに血圧が慢性的に低い状態。

2.症候性低血圧

ケガによる大出血や心臓病、がんの末期などで起こることがあります。

3.起立性低血圧

急に立ち上がったり体を動かしたときに立ちくらみを起こすなど、急激に血圧が下がった状態。

4.食後低血圧

食後に限って血圧が過度に低下する状態。消化のために胃に血液がたまり、心臓に戻りにくくなるために起こる低血圧で、特に寝たきりのお年寄りなどが、食事の時に誤嚥を避けるために体を起こして食事をする場合にみられます。

年齢とともに脈拍は減ってくる

一般に安静時の1分間の脈が100回以上を頻脈、60回未満を徐脈と言います。高齢になるほど脈拍数は減ってくる傾向にあり、男性よりも女性の方が多いです。

脈拍は心臓の動きに左右されるため、異常があるときは心筋梗塞、狭心症、心房細動などが疑われます。

呼吸は回数とリズムを見る

正常値:12~28回 ※65歳以上の高齢者

成人の安静時の呼吸数は1分間で15~20回ですが、精神状態や体位によっても変わります。

血圧、脈拍、体温は加齢や内服薬の影響を受けやすいのですが、呼吸数はこれらの影響を受けにくく、体に重大な異変が発生すると早期から異常をきたします。

この他にも意識状態や血中酸素濃度(spo2)などもバイタルサインとして扱われることもあります。ひとつひとつのバイタルサインを個別に見るのではなく、いくつかのサインを合わせて総合的に判断することが異常の早期発見につながります。

高齢者特有のバイタルサインを見逃さないために

大切なのは毎日継続して計測しデータを集めることです。数値化することで病気の前兆に気付く可能性が上がります。早期に病気の前兆がわかることで、食事や運動の改善、医療職への相談など素早い対応が可能になります。

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