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介護の仕事は経験によって身につくものが数多くありますよね。その一つがベッドの上での「オムツ交換」です。ベテラン介護士が行っているのを見てるとパパッと素早く簡単そうですが、実際にしてみると思うようにいきません。

コツを覚えるまでは、何度も失敗し服を汚しながら繰り返して覚えていくものです。実践する回数を重ねるのが上達への道ですが、ポイントを頭の隅に入れて行うだけでもオムツ交換がスムーズにいくこともあります。そこで、今回は私が6年間で学んだオムツ交換のコツをや重要性などをお伝えします!

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考えられた構造!オムツの基本的なパーツの役割

紙オムツは尿や便が漏れないようにするだけでなく、動きやすさや扱う側のつけやすさも考えられた構造になっています。
オムツの構造
参照:紙おむつの構造|日本衛生材料工業連合会

1.表面の素材は使用者の不快感を取り除く

表面材は直接肌に接するので、紙オムツをつけている時の不快感をなくす役割があります。ポリエステルなどの不織布が使われており、肌をサラッと快適な状態で保てるようになっています。

吸水性が抜群であっても、使用者の不快感が残ってしまうと、すぐに取り替えないといけなくなってしまいます。なるべく快適な状態で過ごしてもらうためにも、表面の素材は肌に負担が少ないものがいいでしょう。

2.立体的なギャザーが漏れ防止に役立つ

不織布と伸縮性がある素材で、立体的に広がることで横漏れ防止の目的があります。適した位置で機能するように、内側に折りたたんであるギャザーをあらかじめ立てておき、外側に折れないように注意してつけましょう。紙オムツをつけた後も、ギャザーが立っているか確認するといいでしょう。

3.吸水材は3つの素材からできている

紙オムツの吸収材は「吸収紙」「綿状パルプ」「高分子吸水材」の3つで構成されており、排尿や排便を外漏れしないように組み合わされています。

尿などの水分を多く吸収し、体重で押されても尿が染み出さない工夫がされています。表面材だけでなく、吸水材からも使用者が快適に過ごせる構造になっています。

4.尿漏れ防止の防水材

紙オムツの外側を覆う防水シートで、尿漏れを防いでいます。また、水分は通さずに空気は通す材質によって、通気性がよくなり蒸れにくい紙オムツもあります。

5.その他メーカーによって変わる

オムツやテープ止めの形は、メーカーそれぞれで工夫されています。用途や型の違いから、使用者が快適に過ごせる紙オムツを選択できるようになっています。

オムツ交換の3つの重要性を忘れないで

年齢を重ねても「排泄だけは自分でしたい」という羞恥心からくる気持ちは失われないものです。そこで、オムツを使うことで、トイレへ行けなくても寝たままで一人で排泄行為ができます。オムツ交換には、3つの重要性があります。

1.寝たきりになってしまった人の排泄方法

元気であれば自分でパンツを履いて、トイレへ行けます。

しかし、

  • 寝たきりで足の力が弱くなって立てない
  • 腹圧が弱くなった
  • 認知症など記憶障害で自分で排尿できない

などの状態が見られると、排泄の失敗が目立ってきます。そうした場合に、オムツは欠かせないものになります。

2.自力で排尿できない人の自尊心を傷つけない方法

認知症の記憶障害や寝たきりになっても、精神面までは完全に崩壊しません。すると、「自分のことは自力で行いたい」という自尊心があり、他人にしてもらうことに抵抗があります。

自尊心を傷つけずに、自力で行っていると意識してもらうためにもオムツが重要な役割を果たします。

3.排泄物を確認して体調管理や早期発見へ

排泄物を観察することで体調管理や早期発見になります。オムツは化学繊維を集めたものなので、直接的に繊細な肌に当たることで過敏になることがあります。

また、排泄物は口から下までをずっと体を通ってきた物なので、出血や未消化の有無、排便の回数の増減など観察を重ね、体の隠れた不調を早く発見できます。

オムツ交換の順序とスムーズに行うコツ

1.準備とスペースの確保

オムツ交換に必要な道具を、足元など手元近くに必ず全て置いてスムーズに行えるようにしましょう。ベッド上にクッションなどあれば全て片付け、十分に交換する人の体を動かすことができるスペースを確保します。

2.オムツ交換しやすい体制を整える

電動ベッド使用であれば、腰痛予防のため足の付け根の少し上くらいまで、ベッドの高さを上げておくといいでしょう。

もしくは、オムツ交換する人がベッド上に片足の膝を置いても良いと許可が出るのであれば、足の付け根より下
に高さを低めに設定します。そうすることで、足元に置いてあるものにすぐに手が届き、動く範囲を狭められます。

3.オムツを折って準備しておく

オムツやパッド類を全てポリエステルなど吸収材を表に二つ折りしてギャザーの中に綺麗にセットします。そうすることで、半分に折りできた山部分をお尻の割れ目に当てる目印になり、横漏れ防止でオムツをできるだ
け的確に中心に当てられます。

4.パッド部分の当て方をきちんと確認

パッドには両端がS字になっており、面が広い部分と狭い部分があります。外側の形で凹んでいる部分があるので、当て方を間違えないようにしましょう。

女性の場合は広い面が後ろで、狭い部分が前になるようにしてください。凹んでいる部分は、股関節のVラインに上手に当てることがポイントです。男性の場合は、前後逆でつけていきましょう。

5.陰部洗浄は先に拭き取れる汚れをとっておく

パッドをつける前に陰部洗浄を行います。
汚れが酷い場合は、衛生的にも周囲が汚れてしまわないように注意しましょう。パッドが相手のベッド柵などに当たらないような角度まで横に向いてもらい、先に外しましょう。

その時、汚れたお尻を拭くと同時に手元にオムツを包む新聞を置いておくと、ベッドを汚さなくてすみます。オムツを外してパッドが出てきたら、拭きとれる汚れは先に拭きとっておきます。

股関節に拘縮がある人は汚れが溜まりやすいので注意して洗浄するようにしましょう。石鹸をごく少量をつけて手でこすります。ここで、ペッドボトルの蓋に5つくらい小さな穴を開けた自作のじょうろが役立っています。お尻も同様に左右に向いてもらい、洗浄していく流れです。

6.オムツの装着は隙間なく、きつすぎずに

前もってオムツを山折りにしていたものを、向いている方向側の横止めテープがある部分を3回ほど内側に巻きます。その状態で、汚れたオムツも向いている側の反対側を綺麗な部分まで巻いて、きれいに巻いてセットしたオムツを差し込みます。

また、反対側を向いてもらい、汚れたオムツはすべて外して、綺麗に巻いてセットした部分の巻きを解いて、整えます。後部が整ったらオムツを閉じます。綴じる前にきちんと股関節のVラインの隙間がないかなどを確認しながら、きつくないようにテープ止めをして完了です。

繰り返し行い、相手の気持ちになって

オムツ交換は何度も自分のやりやすい方法を探していくのが上達への近道になります。しかし、最初は何をどうやったらスムーズにできるのか、見て覚えるのが精一杯で手探りの状態が続くこともあります。

羞恥心もあって、オムツ交換に協力的な利用者ばかりではありません。限られた時間内で満足してもらう技術を身につけるための参考にしてみてくださいね。

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