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介護が必要になる人が年々増加しているため、セクハラ問題も深刻になっています。利用者の中には堂々と抱きついてきたり、胸やお尻を触ってくる人もいます。利用者はお客様でもあるため、セクハラを受けてもお客様を非難することになり、言えずに終わってしまう現状もあります。

また認知症のため、判断能力がないといわれると社会的な制裁も受けることもありません。逆にセクハラを受けた私たちの方が認知症の人まで訴えるのかという目で見られ、セクハラ行為に声をあげられず、仕方がないと割り切ってしまうことが多いです。セクハラをやっている人のほうが弱者として守られ、介護をしている私たちがセクハラを受けても何もいえないのが現実です。

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介護現場でのセクハラ被害の現状

福祉の現場は男女平等といってもやはり女性職員が圧倒的な数を占めています。特に施設介護と在宅介護を比較すると、女性の比率が高い傾向があります。

直接介護を行う場合、当然利用者との距離も近くなります。女性職員が多いため、セクハラ問題は常にあがっています。ある新聞社の調査によるとホームヘルパーの4割がセクハラ被害にあったことがあるといわれています。実際、福祉系大学が行った調査でもセクハラの被害はさまざまな報告がされており、深刻な社会問題となっています。

実際にあったセクハラ行為

私が勤めている法人内の高齢者専用住宅で勤務する職員が受けたセクハラ行為を例にあげます。若くてかわいい介護職員Aを自分の女と言い、身体を触ることは日常茶飯事。高齢者専用住宅には30人入居しているため、セクハラ行為のある男性以外にも介護が必要な人がいます。

介護職員を独り占めしようとする利用者

介護職員Aが他の利用者の介助を行ったときは「Aちゃんはオレ専属だからものを頼むな」と他の利用者を威嚇します。入浴の日も「Aちゃんがいないなら入らない」と入浴拒否。居室の掃除も他の職員が入ったらその職員を泥棒扱い。自分の対応は介護職員Aでないと介護を受けたくないと言う徹底ぶり。

管理者からの注意も聞く耳持たず

介護職員Aにもその場で辞めてほしいことはハッキリ言うように上司から助言しています。ただ仕返しをされるのが怖いといって黙ってしまいます。管理者は50代女性ですが、部下を大事にしてくれ、男性利用者にも指導してくれます。

男性利用者に対して介護職員Aへの行為は異常であること、セクハラ行為になるため、行動を改めてほしいと注意します。しかし男性利用者も開き直って「証拠はあるのか」「現場を見たのか」「入居者を怒るのが仕事か!」「お前はやきもちを焼いているのか、触ってほしいのか」と言われる始末で自分のやっていることが悪いとも考えず手を焼いていました。

セクハラ行為を続けた結末

男性利用者に対してセクハラ行為を受ける介護職員Aも指導の結果、辞めてほしい旨は何度も言いますが全く辞める気配はなく、介護職員Aが「恥ずかしがっている」と勘違いする男性利用者。介護職員Aは自分の介護方法が良くないのか、誤解を招くようなことをしてしまっているのかと悩んでしまいました。

男性利用者は退去へ。女性職員は異動への対処

管理者はこれ以上このような状態を続けていたら男性利用者からのセクハラ行為はエスカレートするだろうし、介護職員Aは心の病気になってしまう恐れがあると判断し、男性利用者へは介護提供困難として退去の説明、介護職員Aは法人内の別の事業所への異動となりました。

男性利用者に関しては事前に包括支援センターへ連絡を取り、協力して別の施設を紹介してもらい、同じようなセクハラ行為を行った場合は居場所がない旨をしっかり説明し、納得してもらいました。

介護職員Aは気持ちの切り替えて元気に働いてほしいとの思いからデイサービスへの異動となりました。デイサービスは1人で介護を行う場面は少なく、複数態勢で介護を行っているため、万が一の場合に備えての異動であることも伝え、介護職員Aも理解してくれました。

泣き寝入りしない、職員もセクハラに合わない工夫を!

セクハラ行為を行う利用者がどの程度、やってはいけないことと認識しているのか微妙な人もいます。セクハラ行為を行っても認知症があるから仕方がないで終わってしまうことも多いです。

会社として利用してくれる人がいなければ成り立ちませんが、仕事をする職員がいなければ仕事を請け負うことができません。利用者重視の風潮が強いところではありますが、セクハラ行為に関しては職員を守ってほしい気持ちもあります。

新人教育で自分の身を守るよう指導。セクハラ行為を防ぐ

私たちの法人では介護職員Aの教訓をもとに介護職員自身も身を守る介護について新人教育の中で取り入れています。例えば制服の着方ひとつでも言えます。手を入れる利用者がいるという前に手が入るほど胸が開いている服を着ているのも介護をする上でふさわしい服装なのか疑問です。ポロシャツのボタンをきちんと止めていれば何の問題もないということだってあります。かがんで介護をする場面がある中でボタンが全開だったり、首周りが大きく開いた服を着ていたら手を入れてくださいと自分からいっているようなものです。そういう意識を持つことを具体的な例を交えて教えています。

男はいくつになってもスケベというのは当たっているかもしれません。認知症になっても男性であることは変わりありません。しかしセクハラ行為は認知症があるないにかかわらず犯罪です。職員側も上手にかわす、話術や技術を身に着けることも大切です。

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