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介護職を長く続けるコツは、目標を持ちながら働くことや不満に思う職場環境を積極的に改善したり、良い人間関係を構築したりすることです。体が資本の介護職では、多忙な業務に見合わない給与体系が問題となっており、長く働ける職種ではないというイメージが強いのです。しかし、介護職のデメリットを改善することによって、働きやすく長く勤めやすい仕事になり、工夫を凝らしていくことでよりよい職場環境に改善します。

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介護職を長く続けるためのコツ

長く働き続けるコツは、介護職としての働き方を工夫とポジティブな考え方を持つことです。コツを意識して介護職を務めていくことで、自然と長く働き続けたいという意欲が向上します。

目標を持ち向上心を持って働く

常に向上心を持ち、目標を立てることで、業務が充実したものとなります。何となく仕事をしているだけでは業務にマンネリが生じてしまい、何のために仕事をしているのかが見い出すことができません。沈んだ気持ちは行動にも現れます。前向きな気持ちで明るく仕事に取り組みましょう。

職場環境を改善する方法を講じる

職場の待遇や福利厚生、給与面に対して不満や疑念が生じる場合、ただ我慢をするだけではなく、改善する手立てを講じる方法を積極的に行うことが望ましいでしょう。

人手不足に対して不満を募らせる、自分1人で不満を言っているだけでは解決につながりません。いつ、どの時間帯に人手が足りないのか、業務改善が必要なのかを職場で話し合い、声をあげていく必要があります。

悩みや疑問を相談するコミュニティを形成する

悩みや疑問を抱え込むだけではなく、人に相談できるコミュニティがあれば、孤独感を感じることなく、人と協力して仕事に取り組むことができます。相談相手は誰でも構いません。すぐに解決ができない場合であっても、同級生、職場の同僚、先輩、上司など信頼がおける人に話すことで解決の糸口が見つかる可能性があります。

プライベートに仕事を持ち込まない

感情に左右されるような仕事のやり方はよいとは言えず、仕事にプライベートを持ち込まないことが基本です。仕事にプライベートを持ち込んでしまうと、気持ちの切り替えが上手に行えない人がいます。またストレスを過度に抱える可能性が考えられます。仕事と割り切り、工夫を凝らすことは大切です。

体を癒やす工夫をする

体を壊す前に健康診断を受ける、休息を取るなど定期的なメンテナンスを行いましょう。介護職は体が資本です。一方で、人相手の仕事のため、突然のケガや慢性的な疾患に悩まされる人が多い現状があります。

QCで改善策を提案し運営側に給与改善の提案をする

QC手法を使って困っていることは何か、どのような業務改善ができるのかを導き出し、上司や法人へ提案しましょう。QC手法を取り入れることで目先のことだけでなく、将来的な予測を立てて業務改善が可能になります。

「入浴業務の負担が大きい」と言われても具体的な内容までは見えてきません。

負担が大きい理由
・時間的な制約がある

・人員が少ない

・1日に決めている入浴利用者の数が多い

答えは1つではありません。QC手法を使って「なぜ入浴業務の負担が大きいのか?」の理由を突き詰めていくと、改善策が見えてきます。

具体的な改善策
・業務開始時間を早める

・曜日の回数を増やして1日の入浴者数を減らす

・職員の配置を見直す

事業所によって異なりますが、考えた改善策を実際に試すことでよりよい職場環境を作ることが可能になります。

給与に関しても不満に思っているだけでは何も変わりません。職員間で署名を募る、労働環境を議題として取り上げて運営側に提案していくことで改善される可能性があります。

人間関係のトラブルは悩みの種から解決していく

悩みの種を見つけて、具体的な解決方法を講じましょう。人との距離の保ち方や周囲への気配りができるかによっても異なります。

人間関係のトラブルの原因
・相手との距離が近すぎる

・相手の勝手な思い違いや思い込み

・お互いに自分のことしか考えていない

・周りの状況の確認不足、知識不足

人間関係に悩みを持ち込みたくない人は、人とは一定の距離を保ち、コミュニティを作ることをおすすめします。

結婚・出産で退職又は在籍どちらのメリットが大きいか比較検討する

結婚や出産の場合、退職するのか在籍するのかのどちらがメリットがあるかは検討する必要があります。不規則な勤務形態のため継続が難しい、残業と育児との両立が困難等の場合、すぐに退職を選ぶのではなく、まずは直属の上司に相談しましょう。

法人の規模が大きいと日勤勤務の部署への異動が可能になります。その他、法人独自の子育て支援として未就学児童がいる場合は夜勤を免除する、育児時短勤務の選択など配慮している事業所も多いです。

すぐに退職を選ぶより子育て支援が充実している事業所の場合は、制度を利用して働き続けた方がメリットが大きいことがあります。結婚や出産によって自分1人で働いていたときに比べて、時間的な制約が生じることが多いです。家族や上司など相談して自分に合った方法を選びましょう。

職種転換・資格取得した後のメリットを就業規則で確認する

資格取得や経験を積むことで職種転換が可能か否かを事前に就業規則で確認しましょう。事業所によっては働き続けても職種転換ができないところや待遇や福利厚生に不満があり退職してしまうというケースがあります。

特に女性は、結婚・出産によって日勤帯だけの勤務であれば、子育て中であっても働き続けることが可能な人がいます。特養の介護職からデイサービスの介護職へ配置転換や資格を取得してケアマネに職種転換が認められていると、部署が変わっても同じ法人で長く働き続けることができます。

長く仕事を続けられる工夫をする
長く仕事を続けられる工夫をする

介護職の平均勤続年数は5年

介護事業所全体の平均勤続年数は5.7年と言われています。具体的な介護職の平均勤続年数は、訪問介護員が6年、介護職員が5.4年です。一般労働者の平均勤続年数が12.4年に対して約半分程度の勤続年数が介護現場の状況となります。

参考公益財団法人介護労働安定センター「事業所における介護労働実態調査

参考厚生労働省「平成31年賃金構造基本統計調査

介護職を長く続けられない理由

介護職を続けたいと思っても、退職する人が多い現状があります。なぜ退職する人が多いのかは、介護職の退職理由から見えてくる福祉業界のデメリットによって理解ができます。

人間関係のトラブル

介護の仕事は職員同士が共同作業や協力して行うため、意見の相違や介助の行い方によって人間関係のトラブルが生じることがあります。同じ介助であっても性格的に急いで行う人からゆっくり行う人などさまざまです。思ったことをすぐに言う自己主張の強い人もいれば、人の意見に流されやすい人もいます。本当は苦手であっても苦手と言えない人もいるでしょう。複数人で働けば働くほど、人間関係のトラブルが原因で退職してしまう人も多いです。

結婚・出産に伴う退職

結婚・出産を機に退職する人は多いです。結婚の場合、居住を構える場所によって通いたいが遠くて通えないという物理的に困難な事態に陥ることがあります。出産後は産前産後の休暇、育児休暇を取得しても、不規則な勤務体系や残業の有無によっても異なります。子育てと両立が難しいと考える人も多く、退職を選ぶ人が後を絶ちません。

多忙な業務で低賃金な職業

介護職は要介護者の生活を支える仕事であり、多忙な業務の中、高額な給与が見込めないことで長く続かないというデメリットがあります。国税庁による「平成30年度民間給与実態調査」によると、全職種の平均年収が約440万円に対して、医療・福祉分野は、約397万円になっています。介護のキャリア制度が導入され、処遇改善に取り組んでいますが、全職種の平均年収から考えると若干低いのが現状です。

将来的に見込めないと感じてしまう

就業している事業所の理念や業務内容に違和感を抱き、将来性が感じられず退職に至るケースがあります。職種転換の希望や今後のキャリアで悩んでいたりする人に多く見られます。多くの事業所で介護のキャリアアップ制度が導入され、資格取得の補助や合格お祝い金など法人独自で取り組まれています。入職前にキャリアアップについて法人としての取り組みを確認するとよいでしょう。

3年未満の勤続者の離職率は50%を超える

勤務年数別の離職者の割合
勤務年数別の離職者の割合

離職者の勤続年数は「1年未満」が38%、「1年以上3年未満」が26.2%となっており、「3年未満」の勤続者の離職率は、64.2%と高い現状があります。よって長期に継続して勤務する人は全体の半数以上にも満たないことがわかります。

30歳から49歳までが主に活躍している現場

介護職はやる気があれば年齢に関係なく始めることができるため、30歳から49歳の人も十分活躍できます。その年代からスタートしても5年以上の勤務は可能です。一方で、3年未満の離職者が半数以上を占めている状態のため、長く続けることが難しいと離職を選択する人が多い現状があります。

介護職を続けるコツは常に比較して検討すること

介護職を長く続けるコツは、メリットばかりに目を向けるのではなく、デメリットからわかる介護職の現状を把握することです。働き続けている中で疑問が生じたらまずは疑問を解明して改善する方法を考えましょう。疑問や違和感をそのままにせず、解決していくことで長く働き続けることが可能になります。

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