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介護の夜勤がきついと感じる理由の中には、勤務時間が不規則で私生活に影響が出ることや、日勤時間帯と比較すると少人数で配置されて一人当たりの業務が過度になったり、急変が起きた場合の対処をしなければいけない人命救助の役割が必要とされることが挙げられます。しかし、きついと思われている夜勤勤務を続けるためには、不規則な私生活に工夫を凝らすことで、きついと感じる疲労の蓄積を改善することが可能となるのです。

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介護職員が感じる「夜勤がきつい」と感じる理由

介護職に携わっている人なら一度は考えたことのある夜勤勤務。夜勤には日勤にないメリットがたくさんあるとはいえ、きつい、大変というイメージがどうしても付きまといます。例えば、昼夜逆転の生活による体への負担が増えること、また常駐する職員の人数が少ないことなどが挙げられます。このような理由から、夜勤勤務を苦しく感じてしまう人がいるのも事実です。

しかし、どんな仕事にもデメリットは付きもの。マイナス面を知っておけば、対処方法も見えてくるはずです。介護の夜勤がきついと感じる理由を、まずは把握しておきましょう。

不規則な生活を強いられる

夜勤者の生活リズムは昼夜逆転です。本来寝ていなくてはならない時間帯に起きて仕事をすることは、疲労を蓄積させるきっかけになります。このような不規則な生活から、夜勤勤務は過酷だと印象付けられます。

二交代制と三交代制の説明図

二交代制と三交代制の説明図

また、夜勤には施設により「2交代制」と「3交代制」の働き方があります。「2交代制」は日勤帯8時間、夜勤帯16時間といったように、24時間を2つの時間帯に分けます。一例として朝9時から午後6時までが日勤帯、午後4時から翌朝10時までが夜勤帯といったシフトがあります。

「3交代制」は24時間を3つの時間帯に分けます。そのため夜勤と言っても8時間勤務になります。「午前7時から午後4時」「午後1時から午後10時」「午後10時から翌朝午前7時」といったように8時間ごとに区切られたシフトになります。自分の体調、ライフスタイルを考えて、どちらの働き方がよいか考えることができるでしょう。

少人数で夜間対応をしなければならない

夜勤勤務は日勤帯とは異なり、少人数での勤務になります。厚生労働省により、施設によって配置すべき人員数は異なりますが、日勤帯より少なくなるのは間違いありません。多くの施設では、ワンオペつまり一人で夜勤勤務をしなくてはならない現状も見られます。夜勤帯ではほとんどの入居者が就寝しており、食事、入浴といった介助の必要がないため、こうした人員体制になっています。

しかし、トイレ介助やおむつ交換、急な体調不良やナースコールなどの呼び出しにも応じる必要があるため、夜勤帯の業務は多岐にわたります。そのため、すべての業務を一人、もしくは少人数で対応できるか不安に感じる人も多いでしょう。

救急対応をする必要がある

夜間に入居者の急変が起こる可能性もあり、当然予想しなくてはなりません。その際には夜勤者が緊急対応する必要があります。緊急対応の場合は、各施設のマニュアルに沿った対応をしなければならず、精神的にも身体的にも過度な業務が強いられます。

また医療機関とは異なり、介護施設では夜間の医療的緊急処置を行うことができないので、病院に搬送する必要が生じます。その場合、介護職員が救急車に同乗することも多く、残った職員が他の業務をカバーすることになり、各自にかかる業務負担が大きくなるかもしれません。こうした理由で、夜勤勤務に不安を感じる人も多いでしょう。

夜勤勤務のメリット

夜勤と聞くと「大変」「つらそう」といったマイナスイメージを持つ人が多くいます。しかし、夜勤勤務には日勤にはないメリットがたくさんあります。例えば、給与が高くなること、休日が長く感じることなどが挙げられます。こうしたメリットを活用するなら、介護の仕事を楽しく続けながら、プライベートも充実させることができ、理想のライフスタイルに近づくことができるかもしれません。

夜勤手当が支給される

夜勤のメリットとしては、まず夜勤手当の支給が挙げられます。施設や保有資格によって異なりますが、通常は1回の夜勤勤務につき3,000円から8,000円程度の手当が支給されます。夜勤勤務者の確保はどこの施設でも問題になっているため、中には5,000円から10,000円という高額な夜勤手当を提示する施設も見られるようになりました。基本給に加算されるこの夜勤手当で、大幅な給与アップを目指している職員も珍しくありません。

夜勤勤務者の給与モデル
基本給181,220円(平成30年介護職員平均基本給額)
夜勤手当5,000円×4回=20,000円
合計201,220円+各種手当
年間の夜勤手当合計20,000円×12か月=年間で240,000円給与アップ
参考厚生労働省 平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要

派遣社員の日給モデル(2交代制、16時間勤務、時給1000円の場合)
日勤の場合1,000円×16時間(8時間×2日間)=16,000円
夜勤の場合

(22~翌5時まで時給25%増しで計算)

1,000円×10時間=10,000円

1,250×6時間(1時間休憩)=7,500円

合計:17,500円(16時間)

差額日勤に比べ、同じ時間数勤務でプラス1,500円
月間の差額合計1,500円×4回=月間6,000円給与アップ

夜勤明けの休日が長く感じる

多くの場合、引継ぎを終えた後、夜勤者は午前9時に退勤となります。午前9時と言えば、一日はまだ始まったばかり。夜勤明けは休日気分を味わうことができます。もし夜勤明けの次の日が休日なら、明けた朝から翌日の夜まで休日を満喫できるので、ぜいたくなお休み気分を長く楽しむことができます。

人員の関係で、連休は取りたくてもなかなか取れないのが現状。夜勤勤務であれば、気分がとがめることなく大手をふって休日、また連休気分さえも楽しめるので、考え方によってはお得な勤務体制と言えます。

夜勤対応可能の意向だけで選択できる求人が多い

夜勤対応可能という意向を示すだけで、求人の選択肢がぐっと多くなります。介護業界は人出不足が大きな問題となっていますが、その中で夜勤対応ができる職員は貴重な存在といえます。そのため、夜勤勤務も対応できる人員確保のために、好条件を提示するなど施設側はあの手この手を尽くしています。

就職、転職活動の際に自己PRのひとつとして夜勤対応可能という項目を入れておくなら、求人を選ぶ幅が大きくなり、より良い勤務先に出会う確率が高くなります。

夜勤勤務のデメリット

メリットがたくさんある夜勤勤務ですが、デメリットもあります。日勤帯と比べ不規則な生活になるため、体調不良を起こしやすくなります。また、夜中の急変による救急搬送の対応には緊張が伴います。

少人数、時には一人で、夜間における入居者の安全、生活を守ることには大きな責任感を感じるでしょう。こうしたデメリットも頭に入れたうえで、自分のライフスタイル、働き方にどんな勤務体制が合っているか考えることは大切です。

体調不良になる可能性が高い

デメリットのひとつとして、体調不良を起こしやすくなるという点を挙げる人は多くいます。本来眠るべき時間に起きているので、生活リズムがどうしても崩れやすくなるかもしれません。夜勤明けは体がだるくなる、たまった疲れがなかなか抜けないといった悩みを抱える人もいるでしょう。疲れがたまると、風邪をひきやすくなるといった体調トラブルを引き起こす確率も高くなります。

介護職は体が資本。体調を崩してしまえば、元も子もありません。体調不良を引き起こさない工夫が夜勤勤務者には求められます。

急変対応など責任が付きまとう業務

夜間の緊急対応をした施設の割合

夜間の緊急対応をした施設の割合

急変が起きた場合、夜勤帯は人員数が少ないため一人一人にかかる責任、負担が重くなります。2019年に実施された介護施設夜勤実態調査結果によると、調査対象の施設のうち、約3割が夜間帯の救急対応(救急車の要請、施設外への受診を要するケース)があったと回答しています。業態別では、平均要介護度の高い特養や、病院と在宅の中間施設にあたる老健で4~5割が対応の経験ありと回答しており、やや割合が高いようです。

救急対応は頻繁に起こるケースとは言えませんが、いつ起きてもいいように準備を整えておく必要があります。各施設のマニュアルをしっかり把握し、実際に急変が生じたときには、落ち着いて迅速に行動できるようにしましょう。

参考医療労働 No.631 介護施設夜勤実態調査結果

夜勤勤務をするために気を付けるポイント

夜勤勤務をするうえで気をつけなければならないのは、体調面や夜勤勤務後の過ごし方を考慮することです。いくつかのポイントを押さえておけば、夜勤に伴うトラブルを避ける、もしくは最小限にとどめることができます。

生活環境を改善したり工夫をすることで、疲労蓄積を軽減することもできます。誰でも実施できる事柄なので、ぜひ頭に入れて夜勤勤務を乗り切りましょう。

生活習慣を見直す

生活習慣を見直すことは、健康な状態で夜勤勤務を行う上で欠かせません。夜勤勤務時では、寝る時間や仮眠をとる時間をしっかり作るよう心がけましょう。寝だめをするより夜勤勤務中の仮眠が効果的とも言われています。交代で休憩が取れる場合は、休憩時間を利用して仮眠をとることは大切です。仮眠の時間が十分確保できないとしても、座りながら10分間うとうとするだけでもよいでしょう。疲れのたまり具合に差が出てきます。

一人夜勤の場合はまとまった休憩を取ることすら難しいかもしれません。しかし体を休める時間を可能な限り取り分けるために、工夫して段取り良く業務を行いましょう。

夜勤後は、お休み気分を満喫しつつも、少なくとも夜には睡眠時間を確保して疲れた体を休めてあげましょう。

食事を摂るタイミングを気を付ける

夜勤勤務をすると食事をとる時間が不規則になりがちです。一日三食の基本を守ることも難しくなるかもしれません。しかし体のためにも健康的な食生活を心がけましょう。以下の点を心がけるなら、健康的な食生活に役立ちます。

  • 夜勤前は朝食をイメージして、特にエネルギー源となる炭水化物、またタンパク質や野菜をバランスよく取り入れる
  • 勤務中(深夜)は、タンパク質や野菜を中心に、消化の良いもの、温かいものを食べる
  • 糖分を取りすぎると疲労感、眠気が増大するので、深夜の菓子パンやスナック菓子は避ける
  • 夜勤明けにすぐ眠る場合は脂っこいものは避け、消化の良いものを食べる

夜勤勤務後の過ごし方を考える

夜勤明けはお休み気分になり、どこか遊びに行きたくなってしまう人も多いかもしれません。しかし、夜勤明けにどのような生活を送っているか時々見直す必要があります。睡眠を全くとらずに過ごしていると、体が睡眠不足になってしまい疲労が蓄積されます。蓄積された疲労は、あとでどのような形になって自分に返ってくるか分かりません。体調不良や事故、大きな病気などのリスクも高まります。

夜勤明けは早めに帰ってまずは睡眠を軽くとり、リフレッシュしたあとに残りの時間をプライベートとして楽しむといった工夫が必要かもしれません。

介護の夜勤勤務は工夫をすることで長く働ける

夜勤はきついというイメージがあっても、実際に夜勤勤務を長く続けている人が世の中にはたくさんいます。そうした人々は、夜勤勤務を健康的に続けていくための工夫をし、生活をしっかりセルフコントロールしています。そうした努力や工夫の積み重ねにより、介護の夜勤勤務も長く続けることができます。自身の体質やスケジュールに合う場合、夜勤専従といった働き方をあえて選ぶ人もいます。

デメリットがあるとはいえ、魅力的なメリットも多い夜勤勤務。介護職のスキルアップにもつながります。夜勤勤務を行う際には、体調管理をくれぐれも心がけつつ責任をもって業務を行っていきましょう。

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