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共生型サービスは基本的に介護と障害、両方の基準を満たす必要があります。障害福祉サービス等では設備基準に一人当たりの必要面積が定められていませんが、介護保険サービスでは定められているため、それに則ることとなります。共生型サービスの指定は各市町村長が行なう為、まずは市町村の定める指定基準を確認します。

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共生型サービスの基準一覧

 共生型サービスを開始するには、人員・設備・運営の3つの基準を満たす必要があります。 既に介護保険サービスの指定をうけて事業をおこなっているデイサービスの事業所が、新たに共生型サービスをはじめる際の基準や内容を例に説明します。

▲共生型サービス

▲共生型サービス

高齢者を対象としたデイサービスを運営する介護保険事業所は、介護保険法上の指定を受けて事業をおこなっています。つまり、指定という客観的事実が事業所にあれば、必要な人材や設備を配置しているとみなされ、共生型サービスの指定を受けやすい特例が設けられています。
なお、この共生型サービスは、デイサービス、ホームヘルプサービス、ショートステイが対象となっています。

1.人員基準

障害福祉サービス事業所介護保険サービス事業所
居宅介護および重度訪問介護訪問介護
  • 常勤の管理者 1人
  • 常勤のサービス提供責任者 1 人以上
  • 従業者(ヘルパー)を常勤換算で2.5 人以上
  • 常勤の管理者1人
  • 常勤のサービス提供責任者1人以上
  • 訪問介護員を常勤換算で2.5 人以上
生活介護通所介護
看護職員、理学療法士又は作業療法士及び生活支援員の総数が、

  • 平均障害支援区分4未満で6人に対し1人
  • 平均障害支援区分4以上5未満で5人に対し1人
  • 平均障害支援区分5以上で3人に対し1人
・利用者5人に対し介護職員1人
短期入所(単独型)短期入所生活介護
  • 利用者6人に対して生活支援員1人配置
・常勤の管理者
・医師:1人
・生活相談員:利用者100人に対し1人
・介護及び看護職員:利用者3人に対し1人
・機能訓練指導員:1人
・栄養士:1人
・夜勤職員:利用者25人まで職員1人
26〜60人まで職員2人
61〜80人まで職員3人
81〜100人まで職員4人

上記は、障害福祉、介護保険の制度で定められた事業ごとの人員基準です。
 共生型サービスをおこなう場合は、通常の利用定員数に共生型サービスの利用者数を加えた総数で、人員基準を満たす必要があります。 

2.設備基準

障害福祉サービス事業所介護保険サービス事業所
生活介護通所介護
「訓練・作業室」
支障がない広さ
「食堂及び 機能訓練室」
3㎡に利用定員を乗じて得た面積
短期入所(単独型)短期入所生活介護
「居室面積」
利用者1人当たり収納設備等を除き8㎡以上
「必要な設備」
食堂、浴室、洗面所、便所
「居室面積」
利用者1人当たり10.65㎡以上
「必要な設備」
食堂、浴室、洗面設備、便所、機能訓練室、医務室、静養室、面談室、介護職員室、看護職員室、調理室、洗濯室又は洗濯場、汚物処理室、介護材料室

障害福祉、介護保険制度で定められた設備基準の表です。
共生型サービスをおこなう場合は、通常の利用定員に共生型サービスの利用者数を加えた数で、設備基準を見直す必要があります。

3.運営基準

 共生型サービスをおこなう上で、運営上定められた基準は、次の2つです。 
  1. 共生型サービスで提供するサービスの運営基準を準用すること
  2. 共生型サービスで提供するサービスの指定事業所からの技術的支援を受けていること

共生型サービスを障害福祉の通所介護事業所でおこなう場合、次の項目は従うべき基準として準用されます。

  • 説明・同意
  • 提供拒否の禁止
  • サービス提供の記録
  • 緊急時対応
  • 秘密保持等
  • 事故発生時の対応

なお、上記以外の項目については、参酌すべき規定として各都道府県および市町村により異なる場合があります。

共生型サービスが目指す先は地域で支え合う社会の実現

 共生型サービスがめざすのは、制度の垣根を超え、年齢やサービス内容に縛られることなく、なじみのサービスを受けられる地域社会の実現です。 また、共生型サービスの対象者層を拡大し、一つの事業所で障害や介護サービスを提供できるようにすることで、担い手となる人材不足を解消しようとする狙いがあります。

地域社会で障害者・介護者を支える社会づくりに必要なもの

地域住民自らが主体となって、地域共生社会の創設・実現に参画することが、障害者・介護者を支える社会づくりに必要です。
そもそも共生型サービスは国が目指す「地域共生社会」の実現に向けて創設されました。
そのため対象者・機能ごとに整備されてきた公的支援の見直しや、複合的な課題を抱える人に包括的な支援をおこなえるよう制度設計が進んでいます。

タテワリでなく丸ごとのサービス提供

共生型サービスはタテワリ構造ではなく、制度を越えた地域丸ごとサービスの提供を目指しています。例えば、介護保険サービスと障害福祉サービスを同じ事業所で提供することが可能になれば、障害福祉サービスを利用していた障害者は、高齢になっても同じ事業所を変わらず利用し続けることができます。
つまり、 年齢を理由にして、今までの人間関係や馴染みの場が断たれることなく、自宅で生活を続けることができるのです。 

地域でのサービスの提供に当たる人材の確保

人口減少による労働者の不足により、介護サービスを提供する人材の確保は困難になっています。そこで、地域共生社会はビジョンのひとつとして、住民相互が助け合う意識をもち、公助・互助・自助のあり方を示しました。
つまり、地域住民を支えるためには、公的サービスだけではなく、住民同士、社会資源それぞれが役割を持ち、限られた人材を効果的に確保する事を重要視しています。

共生型サービスの基準を把握して事業所のサービスを検討する

事業所にとって、共生型サービスをおこなうメリットは、限られた職員数であっても密な連携をおこなうことで、業務の効率化が図れることです。また運営面においても報酬体系が定められていますので、サービスに対する報酬は保障されています。
利用者の視点でみれば、1人の利用者に対して、1つの事業所が柔軟に関わるので、年齢やサービスによる事業所の変更がなく、自宅での生活を、同じ事業所で支えつづけることができます。
指定事業所が共生型サービスへ拡大することは、地域が共生型社会に発展していくことにつながっています。これからの住民同士で丸ごと支え合う時代において、共生型サービスは欠かせません。
 もし指定事業所で共生型サービスを考えている場合、どのような基準を満たす必要があるのか確認し、地域共生社会の実現に向けたサービス実施を検討してみてはいかがでしょうか。 

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