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喀痰吸引等研修の受講費用は、研修の種類別また実地研修先の紹介の有無によって差があります。さらに、実務者研修や介護福祉士養成施設で基本研修にあたる医療ケアを既に修了している場合の実地研修のみの費用も、研修先の紹介の有無で変わります。受講先によっても差があり決して安くはありませんが、実地研修を自施設で行ったり、実務者研修を経て修了する方法など、選択肢によって費用を抑えることも可能です。

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喀痰吸引等研修の受講費用の目安

喀痰吸引等研修の受講費用は、必要最低限の医行為コースは3万円、幅広くマスターするには20万円程度が目安になります。

区分は第1号、第2号、第3号と3種類あり、誰がおこなうかではなく、誰におこなうか、によってコースが違います。

第1号研修、第2号研修

第1号、第2号でもカリキュラムが若干異なりますので、費用もそれぞれ異なります。

研修区分

実習手配あり

実習手配無し

第1号研修

(基本研修と実地研修)

17万6千円(税込)

13万2千円(税込)

第2号研修

(基本研修と実地研修)

16万5千円(税込)

12万1千円(税込)

(参照:日本キャリアパスアカデミー

実習の手配があるかどうかで、料金設定は2パターンに分かれます。

  • 第1号は不特定の人であらゆる疾患、障害の状態に合わせて特定行為を学ぶ研修
  • 第2号は不特定の人であらゆる疾患、障害の状態に合わせて喀痰吸引や経管栄養などの一部の特定行為を学ぶ研修

経管栄養というのは、飲み込む機能の低下した人に、鼻や口から胃の中にチューブを挿入して、直接食べ物を流し込み栄養を取る方法のことです。

本人の体調に合わせて栄養の量や注入する速さを見極める必要があり、この行為も研修を修了することで、ある一定の管理のもと介護福祉士などが行えるようになりました。

基本研修は第1号、第2号研修どちらも、演習や実地研修の前に、50時間の講義を受ける必要があります。これは、介護の現場経験があっても、専門知識を学んでいない人が、人間のからだや医療についての知識を最初に学び、徐々に高齢者や障害児・者の喀痰吸引などの概要を学ぶプログラムに設定してあるためです。

研修種類

対象者

研修内容

第1号研修不特定の人に<基本研修>

○講義50時間

○シミュレーター演習(①から⑤)

①口腔内の喀痰吸引

②鼻腔内の喀痰吸引

③気管カニューレ内部の喀痰吸引

④胃ろう又は腸ろうの経管栄養

⑤経鼻経管栄養

<実地研修>

○実技(①から⑤)

(但し、第2号研修者は③⑤除く)

第2号研修

研修は各都道府県の登録を受けた機関や事業所などが実施しています。

基本研修で50時間講義を受ける科目は下記の通りです。

<基本研修>講義科目

人間と社会保険

医療制度とチーム医療

安全な療養生活

清潔保持と感染予防

健康状態の把握

高齢者及び障害児・者の喀痰吸引概論

高齢者及び障害児・者の喀痰実施手順解説

高齢者及び障害児・者の経管栄養概論

高齢者及び障害児・者の経管栄養実施手順解説

筆記試験

知識を確認するための最終筆記試験が行われますが、出題内容や問題数は、実施機関により異なります。

第1号研修、第2号研修の実地研修のみ

3年以上の実務経験を経て実務者研修を修了した人や介護福祉士養成施設で基本研修にあたる医療ケアを既に修了している人は、基本研修が免除されます。

その場合、かかる費用も実地研修のみとなります。

研修区分

実習手配あり

実習手配無し

第1号研修

(実地研修のみ)

7万7千円(税込)

3万3千円(税込)

第2号研修

(実地研修のみ)

6万6千円(税込)

2万2千円(税込)

(参照:日本キャリアパスアカデミー

実習先として想定されているのは、特別養護老人ホームや介護老人保健施設等の介護施設です。しかし、実際の利用者に医療行為を実技するだけでなく、指導者の依頼や必要器具の手配など、実習先への協力依頼は必要になります。

そのため実地研修のみであっても、実習手配があるかどうかで費用は分かれています。

第3号研修

第3号研修は、家で暮らす特定の人に、特定の医療行為をおこなうために学ぶ研修です。

受講料もスクールによって異なりますし、実習の手配があるかどうかによっても差があります。

研修区分実習手配あり
第3号研修44,760円(税込)

(参照:株式会社やさしい手

研修種類対象者研修内容
第3号研修特定の人に

おこないます

<基本研修>

○基本講義8時間

○演習1時間

<実地研修>

○特定の者に対する行為のみ実地研修

対象者となる特定の人とは次のような疾患の利用者が想定されています。

  • 筋萎縮性側索硬化症(ALS)またはこれに類似する神経・筋疾患
  • 筋ジストロフィー
  • 高位頚髄損傷
  • 遷延性意識障害
  • 重症心身障害を患っている療養患者や障害者

家で生活をする上で、日常的に喀痰吸引等の必要性が高い疾患が挙げられています。

喀痰吸引等研修の受講先別でみる費用の違い

喀痰吸引等研修の受講対象者の範囲

喀痰吸引等研修の受講対象者の範囲

第29回以降の介護福祉士合格者と介護福祉士養成施設卒業者は、それぞれのカリキュラムで、医行為について研修しますので、喀痰吸引等研修を受講する必要はありません。

喀痰吸引等研修の目的は、29回以前に合格した介護福祉士や研修経験のない介護職員にも研修機会を確保して、特定医行為ができる人材を増やし、利用者の自宅生活を可能にすることです。

喀痰吸引等研修の受講対象となっているのは下記です。

  • ホームヘルパー、特別養護老人ホームなどの介護職員
  • 平成29年より前に合格した介護福祉士
  • 特別支援学校教員

働きながら研修の機会を確保するために、それぞれの都道府県で研修機関として登録を受けたスクールがあります。

登録研修機関になるためには次の要件を満たしていることが条件です。

  • たんの吸引等の実務に関する科目については、医師、看護師等が講師となること
  • 研修受講者に対し十分な数の講師を確保していること
  • 研修に必要な器具等を確保していること

「経験がない」「専門技術で不安がある」という人でも安心して学ぶことができます。

三幸福祉カレッジ

三幸福祉カレッジは、第1号、第2号、第3号が受講できます。

研修区分

受講料

(テキスト代込み)

第1号研修

236,500円(税込)

第2号研修

184,800円(税込)

第3号研修

65,226円(税込)

受講料は会場によって、変更される場合があります。また、実習手配ありでの料金となっていますので、ご自身で手配されると免除される場合があります。

未来ケアカレッジ

研修区分

会場

受講料

(テキスト代込み)

第1号研修

(基本研修と実地研修)

大阪市

186,450円(税込)

第1号研修 医療的ケア対象

(未来ケアカレッジ主催の実務者研修医療的ケア修了者)

神戸市

98,450円(税込)

第1号研修

(実務者研修修了者)

大阪市

97,900円(税込)

第2号研修

(基本研修と実地研修)

さいたま市

119,900円(税込)

第2号研修

(基本研修と実地研修)

千葉市

120,450円(税込)

第2号研修 医療的ケア対象

(未来ケアカレッジ主催の実務者研修医療的ケア修了者)

東京都

76,450円(税込)

第2号研修

(実務者研修修了者)

東京都新宿区

75,900円(税込)

実務者研修のみ

(無資格者)

京都市

131,450円(税込)

基本研修と実地研修をセットで受講するコース以外に、実務者研修修了者コースや、医療的ケア修了者向けコース、実務者研修コースなど科目のばら売りがされています。

福祉の教室ほっと倶楽部

研修区分

実習手配あり

(テキスト代込み)

実習手配なし

(テキスト代込み)

第1号研修

(基本研修と実地研修)

168,300円(税込)

142,450円(税込)

第1号研修

(実務者研修修了者)

118,800円(税込)

63,800円(税込)

第2号研修

(基本研修と実地研修)

168,300円(税込)

142,450円(税込)

第2号研修

(実務者研修修了者)

118,800円(税込)

63,800円(税込)

この金額以外に、早割りキャンペーンや独自の半固形栄養剤研修など、オリジナルプランも設定されています。

第2号研修の実地研修は、口腔内、鼻腔内喀痰吸引、胃ろうまたは腸ろうによる経管栄養と限定されているので、注意が必要です。

日本キャリアパスアカデミー

研修区分

実習手配あり

実習手配なし

第1号研修

(基本研修と実地研修)

17万6千円(税込)

13万2千円(税込)

第1号研修

(実務者研修修了者)

7万7千円(税込)

3万3千円(税込)

第2号研修

(基本研修と実地研修)

16万5千円(税込)

12万1千円(税込)

第2号研修

(実務者研修修了者)

6万6千円(税込)

2万2千円(税込)

日本キャリアパスアカデミーでは入学金6,600円(税込)、テキスト代2,200円(税込)が別途必要になります。

喀痰吸引等研修の費用を抑えるには

研修費用を抑えるには、スクールごとの特徴を比較することもポイントですが、ご自身の研修受講経験が要件に該当したり、安いコースを組み合わせたりして工夫する方法もあります。

1.実地研修を自施設で行う

費用を抑えたい場合は、自分の施設で実習をおこなうのも一つの方法です。

スクール内のコースによっても金額は異なりますが、その大きな違いは、実地研修をおこなう実習先の選定をスクールに任せるか、自分で探すのか、という点です。

スクールの平均でみると選定を任せた場合30,000円から40,000円高くなります。

ただし、希望する施設が実習施設になるかどうか、次の要件に該当する必要があります。

  • 事業所が登録喀痰吸引等事業者であること
  • 実地研修を指導できる講師(医師、保健師、看護師が指導者研修を受けていること)
  • 医師の指示書や本人、家族の同意書が整備されていること

せっかくの実習が無駄にならないように、確認してから決めましょう。

実地研修は基本研修を修了したのち、実際の利用者に直接実技をおこなう研修のことをいいます。

内容は指導講師による管理のもと、喀痰吸引等の特定医行為を実技し、その行為や準備、処置後の対応まで指導講師が「問題なし」と評価するまでおこなわれます。

カリキュラムは日数ではなく、回数がそれぞれに定められており、特定の医行為ごとに実技し、評価を受けます。

研修項目

研修実施回数

口腔内の喀痰吸引

10回以上

鼻腔内の喀痰吸引

20回以上

気管カニューレ内部の喀痰吸引

20回以上

胃ろう・腸ろうによる経管栄養

20回以上

経鼻経管栄養

20回以上

2.基本研修と実地研修を別のスクールで受講する

基本研修と実地研修のコースの組み合わせを検討する図

基本研修と実地研修のコースの組み合わせを検討する図

スクールによっては、実地を職場でおこなう人のために、基本研修のみ受講できるコース、実地研修だけ受講できるコースなど、ばら売りしているところがあります。

喀痰吸引等研修はそもそも基本研修と実地研修それぞれが修了していることが条件ですので、必ずしも同じスクールで受講する必要はありません。

すこし手間がかかりますが、基本研修、実地研修それぞれの受講料をスクールごとに比較しながら、最も安く受けられる組み合わせがないか、調べてみましょう。

3.実務者研修にて基本研修を修了する

3年以上の介護実務経験があれば、実務者研修コースを受講し、実地研修で喀痰吸引等医行為を修得することができます。ご自身のステップアップとして考えている場合は、喀痰吸引等研修だけでなく、実務者研修などのほかの研修とその特徴を見比べて、計画的に受講することも大切です。

第1号研修

(実習手配あり)

実務者研修コース

基本研修

176,000円(税込)

実地研修のみは

7,700円(税込)

118,800円(税込)

実地研修

77,000円(税込)

入学金

6,600円(税込)

6,600円(税込)

テキスト代

2,200円(税込)

14,080円(税込)

合計

184,800円(税込)

216,480円(税込)

特徴・実務経験必要なし・実務経験3年以上

・介護福祉士受験資格がとれる

喀痰吸引等研修と実務者研修を開催している日本キャリアパスアカデミーの比較表です。第1号研修で実習手配がある場合と実務者研修と実地研修を組み合わせた場合になります。

第1号研修は諸費用込みで184,800円(税込)です。実務者研修コースは実地研修と合わせて216,480円(税込)で実務者、喀痰吸引研修の両方を修了することができます。

第1号研修で喀痰吸引の修了資格のみを取るか、実務者研修コースで実務者研修の修了資格をとるか、それぞれ特徴があります。

(その他)

費用を抑えるために、助成金や教育訓練給付金などを活用することも一つの方法です。

最初はご自身で受講料などを払った後、そのうちのいくらかが戻ってくる制度などがあります。

該当するかどうかには要件がありますので、活用できるか調べてみましょう。

活用が可能な助成金や教育訓練給付金などの例

活用が可能な助成金や教育訓練給付金などの例

ほかにも実施機関による独自の割引を設定しているところもあります。

資格を取得する目的に合わせて比較検討することが大切

自分にあった取得方法を選ぶための基準は次の4つです。

  • 研修時間がどれだけ確保できるか
  • 研修費用がどれくらい負担できるか
  • 実務者として自分がどこで特定医行為を実施するか
  • 資格取得を目指してキャリアアップを考えているか

第1号、第2号研修は対象者が不特定なので、あらゆる疾患や障害を想定した知識、技術が必要になります。ですから講義は50時間となり、目安として10日ほど通う事になります。第3号研修は必要最低限の9時間の講義ですから、1,2日間で修了するところが多いので、研修時間にどの程度時間が確保できるかが選ぶ基準になります。

研修費用がどれくらい負担できるか、というのも選ぶ基準の一つです。第1号研修は、20万円近くかかりますが、第3号の研修は5万円前後となっています。国や自治体、事業所の補助が受けられるのか、ということもあわせて検討しながら、スクールごとに比較して選びましょう。

実務者として自分がどこで特定医行為を実施するか、というのも選ぶ基準となります。特別養護老人ホームといった不特定の対象者に柔軟に対応するため、第1号研修もしくは第2号研修が望ましいでしょう。第3号研修は自宅での高齢者や障害児など特定の対象者を短期間に対応するので、すぐ実務につく場合はこちらが適しています。

実務者研修や介護福祉士の取得を考えているか、ということも基準の一つです。自分が介護を仕事にしてキャリアアップしたいのであれば、喀痰吸引等研修だけに特定せず、ほかの研修とあわせて計画的に受講しましょう。

介護に関連する資格は喀痰吸引等研修以外にもたくさんあります。取得する方法もスクールに通う場合もありますが、最近はWEB環境があれば、eラーニングなど自宅で学習することができるようになりました。自分に合った学習スタイルをみつけて、スキルアップに役立ててください。

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