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社会福祉士と介護福祉士。雰囲気は同じようであってもどちらが良いか考えると悩む気持ちはよくわかります。福祉分野の資格という意味で分類は同じでも方向性が異なるのが2つの資格です。

社会福祉士と介護福祉士の仕事内容の違い

「社会福祉士及び介護福祉士法」によりどちらも定義されている国家資格です。社会福祉士は相談援助の専門職、介護福祉士は直接介護の専門職と位置付けられています。しかし、社会福祉士と介護福祉士は、医師や看護師の資格のように、その資格がないと業務ができないという独占資格ではなく、名称独占に過ぎません。

もし自分の親が介護を受けるようになった場合、誰に相談したいですか?

介護を手伝ってもらうなら誰に手伝ってもらいたいですか?

誰しも自分の悩みを聞いて解決してほしい、正しい介護を受けたいと思うところでしょう。

社会福祉士は共感して相談を聞く

悩みを聞いて解決するためには、医療や介護の専門知識がないと、どのような制度が困っている状況と結びつくかわかりませんよね。病気や介護によって経済的な負担が発生する場合もあります。今、困っていることだけでなく、今後の生活についての相談にも応じ、制度との調整も役割の一つです。また相談援助は、ただ話を聞くだけでは相談者も満足できません。

共感して悩みを受容します。相談者によっては自分自身、何に困っているのかわからないときもあります。そのような場合は、話を聞きながら困っていることを整理してあげる役割も援助者は持っています。

社会福祉士の仕事をひと言でいうと、『コーディネーター』といえるでしょう。

介護福祉士は相手を思いやるプロ

介護は知識もないまま力任せに行うと、介護を受ける側、介護をする側の両方に負担がかかります。介護を受ける側の負担は、いきなり介護をされれば驚いたり、恥ずかしかったりと精神的な苦痛を伴います。

また力任せに介護されると、身体的な負担も考えられます。介護をする側の負担は、介護技術のないまま行うと、大きな事故につながったり、自分の身体を痛めてしまう恐れもあります。

介護福祉士の仕事をひと言でいうと、『介護のスペシャリスト』といえるでしょう。

それぞれの資格を取得するには

どちらの資格も年1回の国家試験に合格する必要があります。

社会福祉士の資格取得方法

多くの場合、福祉系4年制大学で指定の科目を履修し、受験資格を取得する人が多いです。その他、受験資格を得るために、養成施設で勉強するなど、以下の方法があります。

社会福祉士試験

引用:社会福祉士試験|公益財団法人 社会福祉振興・試験センター

介護福祉士の資格取得方法

介護福祉士は、介護福祉士養成施設で所定年数の勉強をすると受験資格を得ることができます。また以前は3年以上の実務経験にて受験資格を得ることができました。しかし現在は、実務経験のみで受験資格を得ることができなくなりました。3年以上の実務経験に加えて介護福祉士実務者研修を修了が義務付けられました。その他は、以下の方法があります。

介護福祉士試験

引用:介護福祉士試験|公益財団法人 社会福祉振興・試験センター

社会福祉士と介護福祉士の合格率

どちらの資格も厚生労働省により合格率が発表されています。

社会福祉士の合格率は30%以下と低い

第28回
(平成27年度)
第29回
(平成28年度)
第30回
(平成29年度)
受験者数44,764人45,849人43,937人
合格者数11,735人11,828人13,288人
合格率26.2%25.8%30.2%

約3年分の合格率ですが、過去をみても25~30%で推移しています。

引用:第30回社会福祉士国家試験合格発表|厚生労働省

介護福祉士の合格率は高め

第28回
(平成27年度)
第29回
(平成28年度)
第30回
(平成29年度)
受験者数152,573人76,323人92,654人
合格者数76,323人55,031人65,574人
合格率57.9%72.1%70.8%

引用:第30回介護福祉士国家試験合格発表|厚生労働省

第28回と第29回以降で受験者数が激減しているのは、第29回以降、3年以上の実務経験のみで受験ができなくなったためです。介護福祉士実務者研修は、所持している資格によって履修の免除がありますが、講習を受けるにあたって10万円前後の費用がかかります。自分のための資格ではありますが、経済的負担が大きく、受験者が減ったのは事実です。

社会福祉士を取得した理由

私は、短期大学での海外研修で訪れたカナダの福祉に憧れたからです。ホストマザーはたまたま老人施設のソーシャルワーカーでした。約1ヵ月のホームスティ中に職場にも連れて行ってもらいました。ホストマザーから「かわいそうだから利用者に何かしてあげるのではない。困っていることがあればできる人が助けるだけ。困っていなければ待つことも大切」と教えられました。そのときの私は車イスの人が5分経っても数mしか動いていないのに何で助けないのだろうと疑問だけが残りました。

理由を探すために短期大学卒業後、そのまま福祉大学へ編入。社会福祉士を目指しました。相談援助などを勉強していく中で、社会福祉の深さも知り、ホストマザーが教えてくれた「待つことの意味」も理解ができ、社会福祉士としての今があります。

専門職として大切にしていること

社会福祉士になって18年。現場で大切にしていることは、援助の先にどのような豊かな生活があるのかです。目の前の困りごとも大切ですが、生活は一生続きます。例えば、転倒してケガをすれば治療は必要です。ただその場の治療だけではまた転倒するでしょう。ケガの治療と併せて、この先に大きな事故が起きないような援助があれば、やりたいことをしながらその人らしい生活ができますよね。

介護福祉士は、自己流の介護では限界があり、技術や知識も不十分だと感じ、介護を極めたいとの考えから資格取得に至りました。麻痺側への対応、ボディメカニクスなど何となく行っていることの意味を勉強することができます。

どちらの専門職にも良いところがあります。活躍分野も多岐にわたります。私個人は、現在の生活のその先を考えたいとの想いが強いため、社会福祉士的な考えを持っています。しかし安全や安楽な介護を考えていくことも利用者の生活にとって欠かせません。専門知識と技術を持って利用者の暮らしを支えていきたいですね。

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