あなたは「身長が縮んだかも」と思うことはありませんか?
それって実は、認知症や寝たきりになるリスクも高まる恐れがある危険信号かもしれません。
思い当たる原因としては、
- 歳をとって老化だから仕方ない
- 昔に比べると姿勢が悪くなったかもしれない
と考えるのではないでしょうか。
そこで今回は「まだ50代なのに身長が縮んでしまった」という悩みを、介護福祉士として認知症や寝たきりの利用者さんに接する機会が多い私が、原因と対処法を詳しくお伝えします。
この記事では、
- なぜ身長が縮んでしまうのか4つの原因
- 普段の生活に取り入れられる対処法
- 認知症や寝たきりにつながる理由
をポイントをしぼってわかりやすく解説します。
50代からならまだ間に合うので、身長が縮まない対策をしていきましょう。
目次
身長が縮む4つの原因
なぜ年齢とともに身長が縮むのでしょうか?
原因はさまざまな条件が重なって引き起こされるものですが、主に原因とされている4つをみていきましょう。
1.体の水分が減少しているから
年齢とともに体内の水分は減少しています。肌を比べると赤ちゃんの肌のほうがみずみずしいですよね。水分が減少するのは、外見だけでなく体の中でも変化があります。背中の骨と骨の間である椎間板の水分さえも減少してしまうのです。
椎間板の水分が減ることで骨同士が接する間隔が近くなります。それが重力によってさらに負荷が加わり背が縮みます。
2.猫背やO脚も影響、姿勢が崩れている
椎間板の水分が減ると、骨同士が近くなってバランスが保てず姿勢が崩れてきます。また、もともと姿勢がよくない人も注意が必要です。
左右どちらかに重心が傾いていませんか?筋肉を使わずに、楽な体制に慣れてしまっている人も多いですよね。猫背だったり、背骨を曲げたままであったり、O脚やX脚も姿勢が歪んでいる状態といえます。そのような姿勢の崩れが身長を縮めているのです。
3.筋力の低下で腰が曲がる
筋力が低下しているため、姿勢が悪くなることもあります。例えば、背筋の筋肉が衰えていると前かがみな姿勢も引き上げられなくなり、そのまま腰が曲がってしまいます。
きれいな姿勢を保つのは大変ですが、若いうちから正しい姿勢を身につけて筋力を保つ必要があります。とはいっても、筋力の低下を感じるなら少しずつ意識して各筋肉を使っていきましょう。
4.骨粗鬆症(こつそしょうしょう)で骨折や変形
骨粗鬆症とは、骨の中がスカスカになってもろくなる状態です。骨がスカスカになるということは、骨折しやすくなったり、背骨が変形したりと危険な状態です。
症状としては身長の減少や背中や腰の痛み、さらに猫背になってしまいます。こんな症状がでている人は、圧迫骨折(骨が耐えられなくなって自分で骨折すること)を起こしている可能性があります。
特に女性は50歳くらいには、閉経に伴うホルモン分泌の低下がおこり、閉経後10年の間に著しく骨の密度が減少します。さらに、腸内でカルシウムの吸収を助けるビタミンDをつくる働きが衰えてしまいます。
だから、50代で身長が縮んでしまった状態を老化のせいにして放っておくのは危ないのです。実際に身長が縮んでしまっても、今からできる対処法があるので諦めないでください。
身長が縮む危険から回避する対処法
骨がスカスカを予防する栄養素「ビタミンD」
骨の主成分となるカルシウムを吸収するためには「ビタミンD」が必要です。
外部からビタミンDのを効率よくとるには、魚類に多く含まれているので積極的に食べることです。厚生労働省によると、1日推奨量が5.5μgとされています。
ビタミンDは外部からとらないといけない栄養素ではありません。紫外線を浴びることで体内つくられます。日差しが暑くなると、日光を避けてしまいがちですが、1日15分程度は日光に当たるようにしましょう。
とっても簡単!家の中でもできる軽い運動
軽い運動で筋肉の減少を抑えられます。いきなり負担がある筋トレをしなくても、家事の間や仕事の途中でも気軽にできる運動でも構いません。継続することが大事なのです。
例えば、下記の図のように、信号の待ち時間や休憩中に軽くできる運動を行ってみるのもいいでしょう。家の中でも夕食の煮込み料理の待ち時間などで気軽に行えますよ。
引用:NIKKEI STYLE|床ドンで強くなる 骨を鍛える3つの運動
身長が縮んで、認知症や寝たきりの要介護の恐れ
引用:要介護状態になりやすい病気や症状|ベネッセスタイルケア
原因が骨粗鬆症であれば骨がスカスカの状態なので、転倒してしまうと骨折しやすくなります。立つ・歩くの動作を維持する脊椎が圧迫骨折してしまうと、背中に激しい痛みを伴います。
骨折によって入院をすると、筋肉が落ちていきます。さらには骨折によって車椅子などの生活が余儀なくされると、寝たきりや家に閉じこもった生活になりがちです。
脳への刺激等が減り、認知症のリスクも高まります。実際女性の認知症認定の第5位が骨折や転倒によるものとなっています。どんどん悪循環な状況に陥ってしましまうので、早い時期から少しずつ予防しましょう。
できることから始めて、身長が縮むのをストップ!
身長が縮み始めたら、体の内側の変化をあなたに知らせる危険なサインです。
「老化だから仕方ない」と何も対処しなければ悪化してしまいます。どこか痛みを感じたら早めに病院受診してください。
外見ばかりでなく、しっかり中身を気にすることも大切です。元気なうちから軽めの運動をすると身長が縮む予防だけでなく、健康な体つくりや気持ちもリフレッシュできます。
軽い運動と合わせて、水分不足にならないように補給しましょう。年齢とともに体内の水分は減少していくので、暑くなると特に意識的にとっていきましょう。
中には「参考水不足が招く症状一覧。死に直結する病気たち」もあるので、高齢者だけでなく今からでも、水分を多くとるように習慣づけましょう。
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