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未経験から始められる介護の仕事ですが、キャリアアップを目指すなら資格が必要です。介護の資格は養成講座を修了するものから国家資格まで幅広くあります。また資格によっては介護現場の実務経験が必要になるため、計画的にすすめていきましょう。

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取得しておきたい介護系の資格

介護系の資格

介護職員初任者研修

介護の仕事を始めるならまず取得しておきたいのが「介護職員初任者研修」です。介護職員として基本的な知識と技術を学ぶことができます。資格取得は、1か月から6か月程度の受講で可能です。以前は、ホームヘルパー2級と言われていました。2013年4月の介護保険法改正によって介護キャリアパス制度が導入され、「ホームヘルパー2級」から「介護職員初任者研修」へ名称が変更されました。加えて、講義内容や時間数も増えました。

学習内容

学習する項目は厚生労働省の「介護員養成研修の取扱細則について」に基づいて行われています。ヘルパー2級と異なる点は、認知症高齢者の増加に伴い、より理解を深めて介護に活かすために「認知症の理解」の科目が追加された点です。

その他、130時間の受講時間は同じですが、ヘルパー2級のときに行われていた介護実習30時間と講義時間が18時間減少しました。一方で介護職員初任者研修では、介護実習がなくなった分、90時間が実技演習となり、技術の習得に力を入れています。

修了試験の実施

ヘルパー2級は養成講座を修了すると資格取得ができましたが、介護職員初任者研修の資格を取得する際に修了試験があります。約1時間の筆記試験を受けて合格することによって資格取得が可能です。筆記試験は授業を理解していることの確認であり、不合格の場合、補習授業や試験が行われるため、必ず合格ができます。

介護福祉士実務者研修

介護職員初任者研修のさらなるステップアップの資格として「介護福祉士実務者研修」があげられます。訪問介護では、サービス提供責任者になることも可能です。

学習内容

介護職員初任者研修は、9科目130時間の内容と講習時間です。一方で介護福祉士実務者研修は、20科目450時間となっており、より詳しい介護知識や技術の習得ができる資格となっています。また介護福祉士実務者研修では、医療的なケアの学習が50時間あります。医療的ケアのしくみ、喀痰吸引、経管栄養、感染予防などの知識を学びます。加えて、医療的ケアの演習時間が設けられており、喀痰吸引や経管栄養、救急蘇生の演習などが行われます。喀痰吸引研修は第1号、第2号、第3号とわかれており、第一号と第2号の研修修了となり、介護施設などにおいて医師や看護師の指示や指導のもと、一部吸引などの行為を行うことが可能です。

修了試験の実施

介護福祉士実務者研修は全体を通じて修了試験が必ず行われるわけではありませんが、学習科目によって終了時に筆記・実技試験が実施されているようです。介護職員初任者研修同様に理解ができているか否かの確認のための実施になります。

国家試験を受けるために必要な研修

介護福祉士養成校以外での国家試験受験のためには、2017年より介護現場での3年以上の実務経験と介護福祉士実務者研修を修了が義務つけられています。介護福祉士を受験するためには必要な資格になります。

介護福祉士

介護福祉士は介護職として唯一の国家資格であり、1982年「社会福祉士及び介護福祉士法」によって定められた資格です。

介護福祉士は、介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うことを業とする

引用:社会福祉士及び介護福祉士法

と定義されています。

年1回国家試験が行われ、介護福祉士として登録されている人数は、厚生労働省「介護福祉士の登録者数の推移」によると、1,623,451人(2018年現在)と発表されています。介護の仕事を続けていくのであれば、必ず目指してほしい資格と言えます。

以前までは2年以上の介護福祉士養成校を卒業すると介護福祉士の資格を取得することができましたが、2016年4月以降は養成校卒業者も同様に、国家試験受験が義務つけられました。

時間や余裕があるときにおすすめの資格

比較的簡単で受講日数が多くない資格として以下のものがあげられます。

1.ガイドヘルパー(移動介護従事者)養成講座

視覚障害、全身性障害、知的障害のある方の外出の際、移動介護を行うために必要な知識や技術を身につける講座です。介護の資格を所持している人は、資格の種類によって最短2日間の受講で資格取得が可能です。

2.福祉用具専門相談員

2015年4月より介護保険が改正され、ホームヘルパー1級・2級、介護職員基礎研修、初任者研修の修了では福祉用具を取り扱うことが困難になったため、福祉用具を扱う仕事につきたい人にとっては必要な資格になりました。7~8日間の通学で資格取得が可能です。

福祉用具販売の求人数は多いとは言えません。しかし直接福祉用具の仕事をしなくても普段の仕事の中で、介護施設や訪問介護などで働いていても正しく福祉用具を使うことができているか悩む場面が多々あります。その点、福祉用具に関しての知識や技術の取得が可能になり、仕事の幅が広がると言えるでしょう。

ステップアップに適している資格や職種

介護事業所ではキャリアパスが導入され、資格が重視されるようになりました。ステップアップとしては以下の資格があげられます。

1.介護支援専門員

介護支援専門員はケアマネジャーとも言われており、介護職員にとってステップアップのための上級資格と位置づけられています。介護支援専門員は国家資格ではありませんが、介護施設では必ず1人以上の配置が義務つけられるなど、介護保険で必要とされる資格になります。

受験資格と合格率

介護支援専門員は指定された国家資格を取得後、介護現場で5年以上の実務経験が必要になります。国家資格取得前の実務経験はカウントされないため、注意しましょう。

受験資格と合格率

例えば、介護福祉士実務者研修を修了し、実務経験3年以上によって介護福祉士の資格を取得した場合、介護福祉士を受験する前の3年間は実務経験にはカウントされません。以上の場合、介護福祉士を取得して5年以上の実務経験を経て、介護支援専門員の試験を受けることができる計算になります。

介護支援専門員の試験は年々難しくなっています。平成30年介護支援専門員の合格率は、「第21回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」によると、10.1と発表されています。介護支援専門員は試験に合格したからすぐに介護支援専門員として働けるわけではありません。試験に合格後、所定の研修を修了することによって介護支援専門員になることができます。また5年ごとに資格更新のための研修があります。更新をしておかないと、介護支援専門員の資格はあるが業務につくことができない事態に陥ります。5年ごとに更新研修を受けることでより最新の知識の習得を目指しています。

介護支援専門員の仕事

介護現場で直接介護の仕事を行うのではなく、利用者の身体的・精神的状況のアセスメントを行い、介護計画を立て、現場で実施できるように介護職員へ指導などを行い、介護計画に問題がなかったか評価するのが介護支援専門員の仕事です。一方で特に女性の場合、夜勤などの変則勤務もなく、結婚や出産、育児と両立しながら働き続けている人が多いのも特徴と言えるでしょう。

介護支援専門員の平均給与

厚生労働省が発表した「平成30年度介護従事者処遇状況等調査」によると、平均月給は常勤で350,320円となっています。同じ調査で介護職員は、300,970円のため、多くの施設では介護支援専門員のほうが給与がよいとされており、収入増が見込めます。

2.生活相談員(支援相談員)

生活相談員(支援相談員)という資格はなく、介護施設などで入所などの最初の窓口になる業務を担当している職種を生活相談員(支援相談員)と言います。資格に関しては、社会福祉士、精神保健福祉士、社会福祉主事を持っていることが基本です。加えて都道府県などの通達によって、介護支援専門員、介護福祉士、施設長を経験した人など独自のルールがあり、窓口業務を行っています。

介護支援専門員の時と同様に、生活相談員の平均給与は、321,080円となっており、介護支援専門員よりは若干低いが介護職員よりは平均給与は高い水準となっています。

資格を取得してステップアップするための5か条

介護の資格は養成講座を修了することで比較的簡単に取得できるものから国家資格までさまざまなものがあります。以下の点に注意して介護の仕事に携わりながらステップアップしていきましょう。

  • 介護の仕事を始めるなら介護職員初任者研修を受講
  • 国家資格である介護福祉士を受験するには護福祉士実務者研修を修了することが必須
  • 実務経験を積みながら確実に資格取得を目指す
  • 介護支援専門員は介護の上級資格に位置づけられている
  • キャリアパス制度が導入され、資格取得することで給与アップが望める

資格は自分の財産です。資格を取得することで転職の幅も広がります。仕事や家庭と両立しながら資格取得は大変なことも多いですが、より専門的な知識や技術が身につきます。自分なりに目標を立て、それに向かって頑張りましょう。

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あなたはなぜ介護の仕事を続けているのでしょうか?

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現在、あなたが介護の仕事を行っているのは、「人の力になりたい!」と強く思ったからではないのでしょうか?

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まずはあなた自身が輝ける場所に行きましょう。

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