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長い時間寝ている人や座っている人が施設にはたくさんいます。体が動かせず寝たきりの人や自分で車椅子を動かせない人に必要なケアの1つに「ポジショニング・シーティング」があります。

  • ポジショニング、シーティングって?
  • それってどんな効果があるの?
  • どうやってやったら良いの?

聞いたことはあるけどよく分からないという人でも明日から使える方法をお伝えします。

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寝るときの姿勢を作る!ポジショニングでリラックスする!

ポジショニングとは、寝る姿勢を作ることを言います。病院や介護施設でよく使われる言葉ですが、特別なことではありません。寝ているとき、側臥位・仰臥位・背臥位・膝を立てる・腕をまくらにするなど、それぞれ自分にあった楽な姿勢をとっています。

しかし、麻痺や拘縮などで自由に動けずそれが出来ないひとがいます。そうしたひとに、枕やクッションなどで目的にあった姿勢を作ることをポジショニングといい、高齢者や身体障害者の介助では重要なことです。

ポジショニングの効果

ポジショニングはベッドに寝るときに行います。寝ている時間が多い人は褥瘡や拘縮の悪化のリスクがあります。骨が突出している部分に強い圧力・摩擦・ズレが生じ、それが長時間続くと褥瘡になります。これらを解消するのが体位変換とポジショニングです。

また、ポジショニングは拘縮の予防と悪化防止にもなります。一人ひとりにあったポジショニングを行うことで、拘縮の原因である筋肉の緊張を減らすことができます。

ポジショニングが不十分だと…

ポジショニングを適当にしてしまうと、褥瘡や拘縮の原因になります。予防や改善は時間がかかりますが、悪化するのはとても早いです。例えば、一晩体位変換やポジショニングをやらなかっただけで褥瘡が出来はじめ拘縮の兆候や悪化が見られるようになるほどです。

ポジショニングの方法

基本的に、ポジショニングは利用者一人ひとりの体の状態にあわせて行います。リハビリ職員がいる場合は相談をしてください。

1、右・左・上と寝る姿勢一つ一つにポジショニングを作る

人の体は必ず左右対称ではありません。個々の体に合わせて左右・仰臥位のポジショニングを別々に設定しましょう。また、写真やイラストで部屋に提示して誰でも迷わずできるように工夫しましょう。

2、体とベッドの隙間を無くす

頭から足先まで体は真っ直ぐではなく歪みがあります。そのため、どんな人でもベッドと体の間には隙間ができます。この隙間を無くすために、低反発マット・エアマット、ナーセントパット・ピーチなどの物品や、バスタオル・まくらなどのどこにでも有るようなものでも良いので体とベッドの隙間を埋めてください。

3、物は置くだけ、入れ込まない

隙間を埋めるための物品は、横を向いて体をその上に乗せる、足をあげてその下にクッションを置く、頭を上げてその下にバスタオルを置くなど、物をおいてその上に体がのるという意識を持ちましょう。絶対に無理やり入れ込んではいけません

長く座っているからこそ必要!シーティングで楽な姿勢を作る!

座る男性

シーティングは座っているときの姿勢のことです。寝ている時間同様座っている時間も長いです。特に車椅子の人はこのシーティングが重要で、間違った座り方をしていると褥瘡や拘縮の悪化に加えて、ADLの低下にもつながってしまいます。

シーティングの効果

一般的に言われる良い姿勢は体を緊張させて作る姿勢のため、長い時間とることは難しいです。「リラックスできる・体の形にあっている・圧力が集中しない」これらを意識してシーティングすることで褥瘡予防・拘縮予防(悪化防止)に繋がります。

また、食事をする時や手作業をする時ようのシーティングも設定することで、残存機能が最大限使えるようにもなります。

シーティングが不十分だと…

あなたは、おしりが痛い・腰が痛いなどの時、座り直しや体を伸ばしたりと体制をなおすでしょうが、動けない人・言葉が発せない人は「痛い・辛い・暑い」など訴えや行動することが出来ません。

そのままの状態でいると、褥瘡ができる・拘縮になる(悪化する)・汗をかく・体のいたる部分に痛みが出る・気持ちが落ち込んだりイライラするなど、様々な弊害が出てしまいます。

シーティングの方法

シーティングは体の状態に合わせて行うことが必要で安易に設定してはいけません。必ずリハビリや看護と相談しながら設定しましょう。とはいえ現場で気をつけられることもあります。

1、座り直し

ベッドから起きてきた時やトイレに行ったあとなど、車椅子に乗り移った時は一度「座り直し」をします。シーティングの基本はおしりが椅子の奥まで入っていること。介助をするたびにちゃんと奥まで座っているか確認して座り直すことをしてください。

2、足の裏がちゃんと床(フットサポート)につける

座位は足がしっかりついていないとリラックス出来ません。床やフットサポートに足がついているか確認をし、高すぎて足が届かない時は足台を使う、低すぎて膝が持ち上がる時はクッションなどで座面を高くするなどしてください。

3、洋服のしわをとる

長い時間座っているとお尻がズッたり座り直しをしたりと洋服にシワができてしまいます。背中やズボンなどシワを伸ばして不快にならないようにしましょう。

寝るときも座るときも「リラックス」できることが何よりも大事

ポジショニングは「寝る姿勢」シーティングは「座る姿勢」どちらも一人ひとりに合わせた楽な姿勢を作ることが目的です。これらをしないことで褥瘡や拘縮の発生・悪化につながるため、専門知識がなくても見るべきポイントをしっかり把握しておきましょう

ポジショニング

  • 左右、仰臥位それぞれに合わせて
  • ベッドと体の隙間をなくして
  • 物を入れ込まず体がそっと上になるように

シーティング

  • 座り直しで奥まで座り
  • 足の裏が地についているように
  • 洋服のシワを伸ばす

介護の基本である安楽な姿勢がどんな場面でどうやって必要になるのか、常に頭の片隅で考えながら介助をしてみてください。

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