どこにでも口を出すうるさい人っていますよね。まさに私の職場にいる職員Aはうるさい人の典型です。
デイサービスが市場のように騒がしく、認知症の利用者も落ち着かない。職員Aと一緒の勤務日はうんざり。ギスギスした毎日の中でウザい職員から求められる人材になった出来事です。
うるさい!デイサービスが市場のようで落ち着かない

私はデイサービスの相談員として働いています。介護職員のAはうるさい職員の典型です。
自分は何でもできると思って、いろいろなことに口を出します。他の介護職員からは不満の嵐です。「Aさんが来ると利用者が落ち着かなくて困ります…」なんて声も聞かれます。
私より年上の職員Aではありますが、相談員として声のトーンを下げて欲しい旨を毎回伝えます。その場は良い返事をしますが、5分と経たないうちに大きな声で自分の話を武勇伝のように話し始めます。
あなたに聞いていない!主役が誰かわからない

レクリエーションの時間にしりとりやカラオケをしても同じです。
利用者が考えている最中に大きな声で答えを言ってしまいます。利用者が答えを導けるようにほぼ答えに近いヒントを出して盛り上がっている中で答えてしまうため、雰囲気が険悪なものに変わってしまいます。
司会をしている職員も苦笑い。聞こえなかったふりをして利用者に声をかけても追い打ちをかけるように答えを言うため、しりとりが続けられません。カラオケでも知っているからと言ってマイクを持っている利用者の声より大きい声で歌ってしまいます。
レクリエーションの主役は利用者です。私や管理者からレクリエーションは利用者が楽しめる企画になるように指導していますが、職員Aは返事ばかりで行動が伴いません。職員Aがいるときは認知症の利用者は落ち着かず、他の職員からの不満も爆発する寸前でした。
人事異動で短所が長所に変わる

同じ事業所内の配食サービス部門で退職者が出ることになりました。すぐに次の人が見つかるわけでもなく、部署として大きいデイサービスから次の人が見つかるまで職員1人が応援に行くことが決まりました。
仕事内容は一人暮らしのお年寄りや障害者の家を訪問して弁当を届けることです。私たちは思い切って職員Aを派遣しました。
話すことが大好きな職員A。聞いてもいないことをペラペラ話します。デイサービスでは自分の話を聞いてほしい人ばかりなので自分の話を聞いてもらえないと利用者が怒ってしまいます。
配食サービスでは1日誰とも話すことがない利用者が多く、言葉もなく弁当だけ置いていかれるより、いろいろな話を聞かせてくれてうれしいという言葉。
職員Aはうるさい職員ですが利用者を選ぶことはしないので誰に対しても同じように接することができます。デイサービスでは短所になっていたことも配食サービスでは長所になりました。
適材適所、能力が発揮できる場所へ
職員募集をしていた配食サービス部門ですが、職員Aをぜひうちの部門にということになり、デイサービスの介護職員募集へ求人を変え、異動になりました。
ポジティブ思考の職員Aは「異動してほしいって頼まれたからごめんね…。何でもできるって大変だわ」の言葉に私たちは腰が抜けそうでしたが、利用者のことを考えると人事異動が誰もが喜ぶ方法でした。ウザいと思っていた職員が輝ける職員になった瞬間でした。