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定期的に改善される介護報酬改定で生じるメリットとしては、近年より在宅介護の推進に伴う中重度要介護者の自由なサービス提供や、介護職員不足の問題解決のための施策が講じ、働きやすい環境やサービスを受けやすい環境になることが予測されます。

メリットから介護報酬改善をすることで介護従事者が安心して働ける環境を整えるのも、改善する良い結果となります。

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2021年の介護報酬改定のメリット

2020年6月1日に行われた社会保障審議会・介護給付分科会では、介護報酬改定についての議論が行われました。

次回の介護報酬改定に伴い、議論された内容からメリットを取り上げていきます。

在宅限界を高める推進

2021年度の次期介護報酬改定に対し、介護給付分科会では2025年度に向け急速な介護ニーズの増加を見込み、在宅限界を高める推進を求め4つの議題が提示されました。

2021年度の次期介護報酬改定の議論として

・地域包括ケアシステムの推進

・自立支援・重度化防止の推進

・介護人材の確保・介護現場の革新

・制度の安定性・持続可能性の確保

と4つの議題が提示されています。

介護保険制度開始後より、これまでのサービス量の拡大を目指した改定とは異なるものになると予測されているのです。在宅限界を高めていくための指針として、2018年に改正された介護報酬よりも精密な議題としています。

介護人材の確保

介護人材の確保・介護現場の革新における介護人材の確保に対しての議題として、介護職員の給与増を目的とした介護職員処遇改善加算・特定処遇改善加算に重点が置かれています。

介護人材の確保に対する問題は、引き続き2021年に継続的な対象となるため、より充実した人材確保できる加算案が定義されています。また、事業所や施設の集約化が予測されメリットとしては働きやすい環境が期待できるでしょう。

ADL維持等加算について

次回改定ではADL維持等加算の見直しが行われると予測され、中重度者の受け入れについても改善されるメリットが予測されます。

自立支援・重度化防止の推進については介護報酬は要介護度別に設定されていることから自立支援が重視されているものの要介護度の改善によっては収益が減少してしまいます。

収益の減収は事業継続へ影響を与えてしまうこともあり状態の改善に消極的になることもあり、問題を改善すると方法として2018年にADL加算が創設されていますが反面で加算要件を重視し改善の可能性の高い軽度者のみを受入れる弊害に対し注意は必要です。

参考2021年度介護報酬改定、「介護人材の確保定着」「アウトカム評価」などが最重要ポイントか―社保審・介護給付費分科会 | GemMed | データが拓く新時代医療

感染症対策に力を入れる施設の評価

近年、コロナウイルスが問題視されていることから、感染予防に対する議題も定義されました。

高齢者はコロナウイルスに感染した場合、重度化するリスクが高くなります。また、感染症対策に対する事業所評価の充実が求められており、感染予防の指針を含めた施設評価も議題の重要ポイントです

福祉用具貸与の上限を転換

福祉用具貸与の上限価格について2018年に改正をされ高額な貸与価格の設定は排除されたものの、さらに議題となる可能性が浮上しています。

議論では、他報酬の改定と同様に3年に1度の見直しについての方針が固められており、背景には貸与事業所の収益減少と併せカタログの修正によるコストの増加が問題視されています。他共同購入などの経営努力を促すことが収益の問題が解決できる糸口として求められています。

参考2021年度介護報酬改定、「複数サービスを包括的・総合的に提供する」仕組みを―社保審・介護給付費分科会

介護報酬改定とは

介護報酬改定とは内閣が行う骨太の方針の決定と併せ、社会保障審議会で介護報酬改定の内容について議論し介護報酬を改めて定めるものです。

3年に1度介護報酬を改正・5年に1度介護保険制度を改正

近年での介護報酬改定は2018年に改正が行われ、制度改正は2015年に報酬改正と併せたダブル改正となっております。

2021年に改正を予定しており次回改正内容として

・介護保険料の負担年齢の引下げ

・介護施設の多床室料の全額自己負担

・居宅介護支援の自己負担の導入

・訪問介護の生活援助、通所介護の要介護1-2の市町村への移行

・自己負担2割の対象年収の引き下げ

が想定されます。

少子高齢化の介護ニーズを賄う問題解決

少子高齢化社会による介護費用に対する財源確保や介護ニーズが高まる反面、人材不足はさらに深刻なものとなる可能性があります。

そのため、少子高齢化に伴う求められる介護ニーズに柔軟に対応することが必要となります。

今回の改定目的として、2025年には団塊世代が後期高齢者へ移行するなか、国民ひとりひとりが医療や介護を必要とする状態になっても適切なサービスが受けられるよう質が高く効率的な介護の提供体制を推進しています。

誰でもどこでも受けられるサービスの体制を整える

地域包括ケアシステムの推進では、中重度要介護者も含め地域性に影響されない適切なサービスを利用できるような切れ目のない医療・介護サービスの体制の整備と自立支援・重度化防止に資する質の高い介護サービスの実現を目的としています。

医療ニーズへの対応として、医療・介護の役割分担と連携、複合的サービスに対応する介護医療院の創設が求められています。また、低栄養へのリスクに対する改善として、口腔機能管理や栄養改改善の取組みの推進が求められるでしょう。

人材不足に伴う報酬加算

人材不足に伴う報酬加算として人材の有効活用やロボット技術等による負担の軽減や効率化による介護従事者の人材不足の問題解決を推進しています。

ロボットなどの見守り機器の導入により効率的に介護が提供される場合には夜勤職員配置加算の見直しが行わることが想定されており介護ロボットの活用が求められています。

施設運営の見直し

少子高齢化や国の財政状況より介護報酬の改定による報酬増の期待は難しく今後も対応の福祉施設の運営や経営状況の見直しをする目的があります。

医療や介護連携の必要性は高まる事もあり、介護職の一部医療行為への参入や有資格者との専門性の違いのほか、コスト削減や合理化の必要性も含め改定から今後の先行きを読み取っていく事が大切です。

参考介護報酬改定の背景と国の方針 そして今後の施設系サービスに求められる方向性とは?

介護報酬について

介護報酬とは事業者が利用者に介護保険サービスを提供した場合に、その対価として事業者に対して支払われる報酬です。

介護サービス事業者に支払われる報酬

介護報酬は、介護サービス事業者に保険から支払われる報酬のことです。

介護報酬は介護サービスの種類ごとに、サービス内容または要介護度、事業所・施設の所在地等に応じた平均的な費用を勘案して支払われる料金が定められています。

処遇改善費が影響する

介護報酬が厳格になる時、介護サービスに従事する介護職員の賃金の改善として処遇改善費が影響してきます。

介護職員にしわ寄せになる危険も伴う

介護報酬の減算に対し、職員へ処遇改善費で補われているものの、サービス事業者が小規模だった場合には、経営体力のない事業者によっては影響が出る可能性も示唆されます。こうした危険を回避するため、定期的に介護報酬改定について議論されていきます。

参考漫画で解説:なぜ介護報酬を引き下げるの?の巻

各処遇が安泰できる改善案を期待

定期的に改善される介護報酬ですが、各処遇や問題に対しての議題から定期的に改善案が変化していきます。

今後、さらなる介護人材の確保が必要となる中、介護職員の離職防止や定着促進と併せ、介護職としての魅力向上につながるような介護報酬の改定が望まれます。

そのためには各問題を解決できる処遇案を提示してもらうことが必要で、福祉サービスの問題を改善する方法が見いだされるよう、モチベーションやイメージアップにつながる改定が求められています。

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