Pocket
LINEで送る

介護疲れを感じている人に声かけをする際、かける言葉を間違えてはいけません。かけてよい言葉と、かけて負担となる言葉が存在します。精神的・体力的に疲弊している人にかける言葉には注意が必要です。

スポンサーリンク






介護疲れの人にかけていい言葉・悪い言葉

実際に介護をしている人は、想像以上に精神的な負担を抱えています。言葉は生き物です。何気なくかけられた言葉によって更なる精神的な苦痛を感じるときがあります。一方で、かけられた言葉によって精神的負担が軽減できた、明日からの希望が湧くなど心が軽くなり、前向きになれることもあります。具体的にどのような言葉で気持ちが沈んでしまうのか、反対にどのような言葉で次に向かってすすめるのかを考えていきましょう。

「大変だね」「頑張って」はNG

「大変だね」「頑張って」と声をかけてはいけません。一般的によくかけられる言葉で労わっているように思えるかもしれませんが、当事者にしてみると、精神的な負担を一番感じる言葉です。これ以上何を頑張れと言うのかと自分を責めてしまう人もいます。また頑張っても日々の介護が増えていくことに対して喪失感や苛立ちが募ることでしょう。

その他、何度も同じことを言う認知症の人に対して「一生懸命話していることは何度でもつき合ってあげましょう」とよく言われます。1日数回の話ならつき合うこともできるでしょうが、何十回と同じ話をされると、介護者は負担に感じ、「何度も聞いた」と言いたくなります。24時間365日誰にでも優しく、笑顔で接することは大変なことです。

また「たまには休みが必要」と言われた場合、心の中では、介護を休みたいし、変わってくれる人がいるなら変わってほしいといつも思っています。家族介護の場合、サービスを使う以外変わってくれる人はいません。ショートスティで数泊の泊りをお願いすると、普段介護をしていない人から「家が一番よいのに…」などと言われることがあります。介護者だって休息や自分の時間が必要です。

子育ては子どもの成長とともに自分でできることが増えていきます。しかし介護は年齢とともにできなくなることが増え、より多くの手伝いが必要となります。介護をする側が心身ともに健康でなければ、介護を続けていくことはできません。

「大変だね」「頑張って」という言葉は、精神的、身体的に負担を感じている介護者にとってさらなる負担をかけるものとなります。言葉は生き物です。介護者が行っていることに対して「共感」「寄り添う」つもりで言っているかもしれませんが、相手の受け止め方は異なります。精神的に追い詰める言葉になってしまう恐れがあることに注意しましょう。

介護者の精神的負担.

「できることがあったら言ってね」心が軽くなる言葉

介護者にとって「できることがあったら言ってね」という言葉は、自分はひとりではないと思わせてくれる言葉です。この言葉には、「あなたが一生懸命、日々の介護をやっているのを見ているよ」「頑張っていることをわかっているからね」という意味が含まれています。

介護が必要になるきっかけが人によって異なるように、介護者になるのもきっかけはさまざまです。介護をやりたい、やりたくないではなく、介護者としてやっている自分を認めてもらうことで心が軽くなります。

一方で、毎日同じ介護が続くわけではありません。できていたことができなくなる、また精神的に落ち着かなくなるなど日によって異なります。介護者だって昨日は笑顔でできたことが今日は笑えないという日もあるでしょう。そんなとき誰かに話を聞いてもらうだけでもずいぶん、気持ちが落ち着き、心が軽くなります。

「いつでも話を聞くよ」「また遊びに行くね」という言葉は、普段の思いや愚痴を聞いてもらえるだけで次の介護への原動力となります。話を聞いてもらえる、思いを知ってもらえることは精神的なストレスの軽減につながります。介護で大変な思いをしている人が近くにいる場合、ぜひ声をかけ、実践してあげましょう。

介護者の安心

まずは声をかけることが大切

介護をしていることはなかなか人に言えません。私自身、祖母の介護を手伝っていたとき、周りに言うことができませんでした。

私の祖母はアルツハイマー型認知症です。祖母の行動がおかしいと感じたのは、祖父が亡くなって1年経過したころでした。別居だったため、1日に何回も同じ電話をかけてくるようになりました。娘である母は自分の母親が同じことを何度も電話してくることに激怒しました。電話は毎日続きます。

次は警察から徘徊の連絡。もう母は自分の母親を受け入れることができず、迎えに行きません。警察だって困ります。迎えは孫である私が行きました。介護中はとても孤独でした。

あるとき祖母は私に「仕事も子育てもあるから自分でする」と言いました。何もできない祖母が孫である私のことを思って「自分でする」と言ったことに対して私自身、自分だけで祖母の介護は難しいことに気づき、居宅介護支援事業所へ相談。介護保険を利用することになりました。

担当だったケアマネは黙って話を聞いてくれました。母と祖母の壁、進んでいく祖母の認知症に対して持っていた不安や孤独が軽減されたのを今でも覚えています。介護者である私にかけてくれた言葉は「よく頑張ってるね」ではなく「いつでも話を聞くからね」でした。この思いは私が現在、ケアマネとして働く上での原点でもあります。

現在は在宅生活が困難となり、グループホームでお世話になっています。親身になって日々の介護を行い、面会時はいろいろな話を聞かせてくれ、元気な様子を知ることができます。

残念ながら私が孫ということを忘れてしまった祖母。誰もいなかったらきっと私も孫でいることを放棄していました。私のことを知って祖母の様子を教えてくれる、私の思いを聞いてくれる人がいるからこそ孫を続けることができています。

言葉は、原動力になります。反面、使い方を間違えると人を傷つけることがあります。介護に疲れたと感じている人への声かけは、言葉に隠れた思いを考えた上で発してください。

 働きやすい職場環境選びがあなたを輝かせる

あなたはなぜ介護の仕事を続けているのでしょうか?

日頃から考えることが多すぎていつの間にか忘れてしまっている介護の現場で働く理由。母が祖母の介護を大変そうにしているのを見て介護職を志した人や、障害者の方が当たり前の日常を送れない現実を知って、当時の自分では何も力になれないもどかしさから介護の仕事を志した人もいるでしょう。

現在、あなたが介護の仕事を行っているのは、「人の力になりたい!」と強く思ったからではないのでしょうか?

3K(きつい、汚い、危険)と言われていることを知った上で働き続けているあなたは高齢化社会である日本の誇りです。

介護業界の主役は現場で働くあなた自身です。

あなたをキッカケに、「介護の仕事って楽しいんだよ」「介護ってかっこいいんだよ」と思ってもらえる仲間が増えることを祈っています。

まずはあなた自身が輝ける場所に行きましょう。

世の中は、熱い想いを持って介護の仕事に取り組むあなたのような人材を求めています。

介護求人ナビ口コミ

Pocket
LINEで送る