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介護保険制度の中核を成す職種の一つは、ケアマネージャー(介護支援専門員)です。介護に携わる者なら、一度はケアマネへの転職を考えることがあるかもしれません。

多くの介護保険施設(特養・老健・療養型)で、介護職員とケアマネの仕事を兼務させていますが、実際のところケアマネの仕事は現場での介護ではありません。そのため、ケアマネに向いていない人もいます。

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ケアマネの仕事内容

ケアマネの仕事内容は、介護保険法によって定められています。特に重視されるのは「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」の第13条に定められていることですが、条文だと解りにくいので抜粋してみます。

大前提としてこの条文が対象としているのは、介護保険制度を利用する要介護認定等(要支援・事業対象者認定者を含む)がおりている40歳以上の利用者さんです。

  • 介護サービス計画(ケアプラン)の作成
  • 利用者が、自立した日常生活を支援するためのケアプラン作成(あくまでも本人が自立するためのプランであって、家族や職員の意向によるものではない)
  • 自立支援のためのケアプラン作成に必要なアセスメント(情報収集)
  • 同意を得たケアプランが実行されるようにサービス提供を行う関係者との連携、調整
  • ケアプランに基づき実施された介護サービスの検証と次への課題抽出(モニタリング)
  • 公的介護サービス以外の地域資源サービス(家族、市町村事業や近隣住民、民生委員等)利用のプラン位置づけと、掘り起こし

引用:指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準|電子政府の総合窓口e-Gov

この条文は居宅介護支援事業所なので、在宅で暮らす利用者さん対象のケアマネに対するものですが、入所系の介護保険施設であってもほぼ同様です。

つまり、介護現場で介護職員と共に身体的介護サービスを行うことが役割ではないのです。

ケアマネにはどうしたらなれるのか

ケアマネになるには、介護支援専門員の資格取得は必須です。よく勘違いされるのが、介護支援専門員の試験に合格すればケアマネになれる、と思われていることです。試験合格はあくまでも「介護支援専門員としての実務を行うための実務研修を受講するための条件」であり「試験合格=ケアマネの仕事開始」ではないのです。ここが介護福祉士資格との違いともいえます。

実務研修を修了した者が、都道府県にケアマネとして登録されます。これをもって初めて、ケアマネージャーとしての仕事が行えるのです。

ケアマネの給料は介護士よりも高い

正規職員である介護士とケアマネの平均給与が、財団法人介護労働安定センターにより毎年行われている「介護労働者実態調査」にて明らかになっています。調査対象は全国なので、地域によって多少の違いはありますが参考にできます。

介護職員とケアマネの平均給与

引用:平成29年度介護労働者実態調査|介護労働安定センター

介護保険施設の生活相談員は、多くの場合ケアマネ資格所有者なので載せています。ただデイサービスなどになると介護福祉士でも生活相談員になれるので、本当に参考程度で考えてください。

介護職員の割合が一番多いのは、20~23万円台です。ただしこの中には、夜勤を行った場合の夜勤手当も含まれています。夜勤回数や手当の単価にもよりますが、手当が含まれないと2~3万円は低くなるのが一般的です。そのため17~21万円と予測できます。

ケアマネの中にも、介護職員と兼務している場合には夜勤手当が含まれていることもありますが、このデータは居宅介護支援専門員のケアマネが主で夜勤は行っていません。他と比べて特に目立つのは25~28万円台の割合がおおいこと、さらに30~35万円台の割合も多くなっています。

ケアマネになれば介護職員よりも待遇が上がるのが一般的なのです。

ケアマネに向いていない人の特徴

ケアマネの仕事内容から考えると、向いていない人の特徴は次のとおりです。

  • 自分の意見をとおしたい人(人の話に聞く耳をもたない人)
  • 「利用者さんのため」という信念がもてない人
  • 他人との連絡調整業務が苦手な人(それよりも利用者さん一人一人と向き合っていた方がいい人)
  • パソコンなど、机に向かう仕事が苦手な人
  • 医師と話をしようとすると緊張する人
  • 法律の解釈が苦手な人
  • 利用者さんやご家族の都合に合わせて、残業や休日出勤するのが嫌な人

このような人はケアマネへの転職はお勧めできません。自分がやりたいこととずれてくるので、長く続けられないからです。迷いがあるなら、具体的に働くイメージをしましょう。

ケアマネに転職するために考えておきたいこと

ケアマネに転職するためには、介護支援専門員の資格取得が必須ですが、それ以前にケアマネの仕事内容をきちんと理解しておかなければなりません。自分が苦手な仕事もあるかもしれないからです。

いくら給料などの待遇が良くなったとしても、プライベートが犠牲になったりストレスがあまりにもたまったりするようでは、元も子もありません。もともと、対人援助というのはストレスがたまりやすい仕事です。もしも本気でケアマネに転職しようと考えるなら、支援の過程で迷ったり困ったりした時に相談窓口がきちんとあるか、把握しておきたいものです。

また特に介護保険施設の場合、ケアマネが理想に考えている支援サービスを行うことを拒絶する介護現場もあります。「そんなこと言うのなら、自分でやってみてよ!」と反感を買うこともしばしばです。そんな時、上司などからどんなバックアップがあるかも知っておきたいものですね。

このようなことを踏まえて、自分がケアマネに向いているのかいないのかを総合的に判断するようにしましょう。

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