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デイサービスやデイケアなどの日帰りサービスではなく、24時間利用者さんがいる入所系の介護施設で働くなら、夜勤の仕事は外せません。

製造業にも夜勤がありますが、介護の仕事は人間を相手にします。夜だから本当は寝て欲しいのですが、そういうわけにはいきません。突発的なことに対応し、日中の介護では行わない業務もやらなければなりません。

この記事では「介護職の夜勤業務の実態あるある」や「夜勤のメリット」などをお伝えします。

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夜勤業務の流れ

施設によって違いがありますが、夜勤業務はだいたい次のとおりです。

  • 夕食の準備(車椅子への離床、食堂の準備など)
  • 夕食介助(配膳、下膳も含む)
  • 夕食後の口腔ケア
  • 就寝前のトイレ、パジャマ更衣など
  • ベッドへの着床
  • 食堂などの後片付け
  • 就寝前の排泄ケア
  • 巡視(1~2時間おき)
  • 夜中の排泄ケア(必要者)
  • 朝の排泄ケア
  • 起床後の洗顔、更衣ケア
  • 朝食の準備
  • 朝食介助
  • 朝食後の口腔ケア
  • ベッドへの着床など
  • 日勤者への申し送り

この他には休憩をどこかに挟むのと、空いている時間に介護記録を書くことがあります。夜間に行う業務を踏まえながら、次の「夜勤業務の実態」を読んでみてください。

スタッフ同士の色恋沙汰がある

定員が多い施設であれば、利用者さん25人に1人は夜勤者を配置しなければならないので、異性も交え複数人で夜勤をします。例えば100人定員であれば夜勤者は4人です。2人が女性、2人が男性という組み合わせもありましたし、女性3人の男性1人ということもあります。今は個室ユニット型の施設が増えたので、1つのフロアーに100人ということは少なくなりましたが。

夜勤業務のうち、休憩には入らない「仮眠」という時間がある場合、交代で仮眠をとります。この時、女性スタッフと男性スタッフが2人きりになる時間ができます。同世代であれば意気投合し、仲良くなるのも自然の流れかもしれません。仲良くなったとしても噂になるのを避けるため、プライベートで少しずつ会い始める方が多いですが、大胆になると「あの2人は夜勤を組ませてはダメ」と上司から言われることもありましたね。

多くの施設で、スタッフ同士の色恋沙汰というのはなくならない課題です。

虐待が行われやすい

16時間労働の夜勤の場合、休憩時間を含めると17時間以上職場に拘束されることになります。本来であれば夜は寝るのが人間の自然の摂理。その中で仕事をしなければなりません。当然、ストレスがたまります。そこにナースコールを連打するような利用者さんが居ると、

  • ナースコールを押さないようにキツい口調で叱る
  • ナースコールを手が届かない所に置く
  • ナースコールの音を小さく、あるいは鳴らないようにする

というような行動に出るスタッフが、実際にいるのです。もちろん、虐待にあたります。また25人を1人でみるということは、それだけ他のスタッフからは見えないところで利用者さんにケアすることになります。身体的な暴力だけでなく、無視したり語気を強めたりして言葉の暴力、精神的な暴力を振るうスタッフもいます。長時間夜勤業務が「虐待の温床」と呼ばれる所以です。

事故が発生しやすい

夕食や朝食は、昼間よりもスタッフの目が少なくなりやすいため、誤嚥や窒息など食事時の事故が増えやすくなります。高齢者の場合、誤嚥してもむせて吐き出す力がなくなるので、少しむせただけで治まってしまうと「ああ良かった」と、いつもどおりのケアに戻ります。しかし実は気管の方に入っていて、次の日に高熱を出す(肺炎になっている)ケースがあります。

嚥下障害がある人は、多少なりとも日々、誤嚥はしていると医者は言いますので、事故責任が問われることはまだ少ない現状ですが、家族も知識が増えているのでこれからは分かりません。

窒息した時にはすぐに対応しなければ命にかかわります。当然、その場に居るスタッフの責任です。窒息発見後、吐き出させる処置をし、すぐに救急車で病院に搬送したのに亡くなられたという事故がありましたが、第一発見者のスタッフが訴えられ、一審では敗訴しているという事例があります。

余計な気遣いが必要

いくら「もう止めるようにしましょう」と取り決めても、夜勤者同士でお菓子などを持ち寄る習慣がなくならない施設があります。食べたい人にとっては良いかもしれませんが、特に「夜中起きているだけでも美容に悪いのに、夜間の間食なんてもってのほか!」と思っている女性にとっては辛い時間です。

お局様のようなスタッフと夜勤が組まれた時には、一晩中気を遣わなければならないことも。どうでもよい話に付き合ったり、同意できないような利用者さんの悪口に「そうですよね~」と相槌を打ったりと、本当に疲れるだけです。

夜勤にはメリットもある!

とはいえ夜勤業務にもメリットがあります。

  • 深夜割増手当に代わる「夜勤手当(1回につき3千~1万程度)」が支給される
  • 日中はできない業務(ケアプランのまとめ、カンファレンスの記録、委員会の記録など)ができる
  • ナースコールなどがなければ、仮眠じゃなくても一服(休息)し放題
  • 上司と夜勤をする場合、自分を売り込める

介護の夜勤の実態あるある

介護の夜勤は人間相手の仕事なので、突発的なこともよく発生しますし、休む時間がなくなってしまうこともあります。長時間労働がもたらす「介護の夜勤あるある」とはスタッフのストレス、利用者さんへの虐待、事故の増加などです。

悪いことばかりではなく手当が増える、休息の時間がある、日中にできない仕事ができるなどのメリットもあります。

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