介護をする中で、重要な歯磨き介助を嫌がられると、とっても大変ですよね。
歯磨きは介護の中で、健康を左右するほどの重要性があります。口の中が健康であることで、しっかり噛んで食べることができ、脳への刺激も増えて認知症の予防にもなります。
今回は、口腔ケアの重要性と歯磨きで気を付けることをお伝えします。
目次
口腔ケアで毎日楽しく

お口の中が健康であることで、食べる・話す・呼吸・脳への刺激、色々なことにつながってきます。
しかし、介護する中でスムーズに歯磨きをさせてもらえない要介護者さんがいます。放っておくと痛みがましてきて、さらに痛いから歯磨きがしたくなくなる悪循環。そんな歯磨きの介護をさせてもらえない場面に遭遇することありますよね。
なんで歯磨きをするのか
みんな何も疑問に思わずに歯磨きをしています。たまに歯磨きをする習慣のない人もいますが、ほとんどの人が歯磨きをします。
では、なんのために歯磨きをするのでしょうか。
一般的には虫歯の予防や口の中の爽快感等あります。老年期だけとは限りませんが、誤嚥性肺炎・認知症の予防・健康の増進に影響が多大にあります。
介護側からすると、機能訓練の一環やコミュニケーションの一環にもなります。三大介護といわれる食事・入浴・排泄の介護と同じくらいに重要性が口腔ケアにはあります。
生きるための口腔ケア
生きるためには色々な事をしなくてはいけません。特に食べることは必須な事です。
あなたはどこかに旅行に行っても、食べることは欠かせませんよね。そして、病気になってしまうと旅行にも行くことができません。
なによりも声を出して会話をしてみんなで笑うこと、とっても生きているなと感じる瞬間ではないでしょうか。
口は生きるためにとっても大事な導入部分なのです。
口腔ケアの介護に苦戦する

口腔ケアの重要性は知っているけれども、実際は相手に拒否をされたり、他の食事・入浴・排泄の介助に追われてしまにい口腔ケアは後回しになってしまいがちです。
けれども、口腔ケアにひと手間をかけることで、すべての介助が楽になり結果的には介護の時間短縮になります。
口内悪化で介護の手間が増大する
介護する中で、口腔ケアの介助を拒否される人もいます。そのまま口腔ケアをしなくては、様々な病気を引き起こす原因になり、誤嚥性肺炎等によって死に至る事があります。さらに、日常生活が憂鬱になり、活動することが消極的になっていき認知症の悪化につながります。
日常の活動の低下によって、介護にあたる時間がとっても増大します。それによってさらに口腔ケアがおろそかになってしまい、さらに介護の時間が増大するという悪循環に陥ってしまいます。
口腔内の清潔を保つことはすべての日常活動が活発につながります。
口腔ケアで介護時間短縮
口腔ケアを行うことで、様々な効果が期待できます。
- 認知症の予防
- 口腔内マッサージ
- 唾液の分泌により消化の助け
- 口腔機能の低下の予防
- コミュニケーション
- 味覚の維持
- 食べる楽しみ
その他沢山ありますが、まず食べることで体の栄養のバランスが取れ、口腔内の機能が保たれていなければ、食べることはできません。清潔に保たれていることで、味覚がしっかり維持することができ食欲がわいてきます。
食べることが可能になれば体が元気になり、栄養が体に回り全身の健康につながります。
食べることは、病気の時も健康の時もとっても大事な事です。栄養補給においても、点滴による栄養補給以上の大切さです。
歯磨き介助が嫌になる理由
歯磨き介助をする相手は、認知症になっても人間なのです。他人に歯磨きをしてもらうことは、うれしいことでしょうか。
小さい子供ならまだしも、大人が他人に歯磨きをしてもらうことを、あなただったらどのように考えますか。きっと知らない人に口の中を触られることは嫌なはずです。それが普通ですが、歯科医や歯科助手、歯科衛生士、何かしらのために診察の為に口の中を見てもらうことは抵抗がないです。
その他には歯周病や歯肉炎等により、痛みが伴っている場合は歯磨きをすることが苦痛な状態ではありませんか。
口腔ケアはあせらないで
認知症になっても人間なので、嫌がるにはなにかしらの理由があります。その嫌がる理由を探し当てることが大切です。
痛みがあるのか、人に見られるのが嫌なのか、嫌がられると理由を探すことも困難です。そんな時には無理に歯磨き介護をするのではなく、歯科医師に頼む等のお願いをすることや、甘みのある歯磨き粉を使用する、コミュニケーションを行い介護する側の人が、介護者にとって任せられる存在となる事も大切です。
嫌がりながら介護をすると、介護する側も介護者も共に嫌な気分となってしまいます。歯磨きに対してネガティブになってしまい余計に歯磨きが嫌いになってしまいます。
時間と共に
口腔ケアを行って、数日で効果が表れると断言は出来ません。早い人では半月位すると目に見える形で効果が現れる人もいます。もっと日数がかかってしまう人も、現状維持の人もいるかもしてません。
しかし、あきらめずに口腔ケアを続けることによって、必ず効果が現れます。あきらめずにじっくりと行うようにしてください。
舌の白い天敵
口腔内の刺激が多いのが舌です。その舌に白い色の舌苔(ぜったい)があると、体を守るために食事を採ることを拒否する反応を起こす原因になります。スポンジブラシ等で、奥から手前にかけて優しくなでます。そして、頬っぺたの内側も同じように優しくなでます。
舌苔はいっぺんに取り除くことは不可能なので、気長に取り除くことが大切です。
舌苔の原因は複数考えられ、老人の場合は食べ物のカスや細菌、口腔内の乾燥、臓器等の病気であることが考えられます。体の状態を把握する意味でも大切な事です。
口腔ケアにおいて、手法はとっても大切です。歯科衛生士さん等の協力が得られる環境であれば、どのような手法で行うことが良いのか教えていただく事もおすすめします。
ワンポイントアドバイス
口腔ケアは健康への第一歩なので、焦らずじっくり行うことが大切です。しかし、要介護者が多数いる場合は、一度に全員を行うのではなく数人程度から始めることをおすすめします。
数人から始めることで成功例ができると、介助する側も楽しくなってきます。「急がば回れ」ではないですが、時間をかけてコミュニケーションをとりながらじっくりと口腔内とむきあうことが大切なのです。
まとめ
元気は口の中から始まる
人の元気の源と言えば、間違いなく食べることです。食事の介助をするも、食べてくれないので苦労の連続です。
しかし、口腔内の清潔と共にマッサージを行うことで、開口が良くなり唾液が出てきて食欲がわいてくるので、自然と口が開きます。認知症で脳の衰えがあっても、本能はしっかりと機能しています。
たかが口腔ケアと思ってしまいますが、元気になってもらえればそれだけ介護の手間も減り、業務の改善にもつながります。
是非あなたも実践してみてください。