「介護職」と調べると、「ストレス」「給与」「きつい」などイメージダウンの言葉ばかりが先行しています。ひと昔前の介護職は、「きつい(仕事)」「汚い(仕事)」「安い(給与)」と言われていたのは事実です。悪いイメージが先行してしまいがちですが、やりがいや達成感は他と比べることができないほどあります。
本記事では、介護職のメリットとデメリットについて経験を交えながら説明していきます。やりがいのある介護職を目指してがんばりましょう。
目次
介護職で働くメリット
夢や希望が持てる介護職。働くメリットは以下のことがあげられます。
1.仕事のやりがい
介護職のやりがいは、何気ない毎日の介護の中で「ありがとう」や利用者の笑顔が見られるところです。感謝の気持ちを表現することは簡単なようで難しいところがあります。感謝の言葉をもらって嫌な気持ちになる人はいませんよね。介護職としてその人のためにと思って行う介護を喜んでもらえることはやりがいにつながります。
2.自分が成長できる
自分のことは最期まで自分でやりたいと思うことはあたり前。その中で加齢や病気などによって自分でやりたくてもできないことが増え、介護が必要となります。介護を行う中で言葉以外のことを学び、感じ取ることができます。教科書ではわからないことや気づくことができないことが日々の介護にはたくさんあり、自分自身の成長につながります。
3.仕事に困らない
福祉施設の多くは人手不足の悩みを抱えており、全国どこの地域でも求人広告が出ている現状があります。自分の身体が動く限り働き続けることができ、仕事に就けなくて困ることはありません。実際、私自身、家庭の事情で夫の実家へ帰ることになり、仕事を辞めた経験があります。仕事を辞めることに不安がある人が多い中、引っ越した先でも多くの求人があり、困ることはありませんでした。自分の頑張りによって年齢で断られることがないのも介護職の魅力と言えるでしょう。
4. キャリアアップが可能
仕事によっては年功序列制度がまだまだ残っている業界もある中で介護の仕事は自分の頑張り次第で若くてもキャリアアップが可能です。ただ与えられた仕事しているだけではキャリアアップは望めません。コツコツ仕事を積み重ねて自分の中で介護職のビジョンを持ちましょう。また資格を取得していくことも大切です。現場の経験だけでなく、制度を理解しましょう。今求められているものが何かを考え、行動していくことで年齢に関係なく、キャリアアップが望めます。またキャリアアップすることで評価され、給与アップにつながります。
5. 資格や経験が活かされる
介護職の資格は講習を修了するものから国家資格まであります。無資格、未経験からでも介護の仕事を覚えることができます。その中でキャリアアップにも重なる部分がありますが、資格取得を目指しましょう。介護職員処遇改善加算においても介護福祉士の占める割合によって介護報酬の金額が異なります。経験はもちろん大切です。介護の仕事は今日すぐできるようになるものではありません。経験を積み重ねていくことで必要なことは何か、求められているものを考える仕事でもあります。一方で経験を裏づける資格を取得することは大切です。資格や経験が活かされる仕事のため、そのときどきに合った資格取得を目指して頑張りましょう。
介護職で働くデメリット
どのような仕事でも良いことばかりではありません。働く上でのデメリットは以下のことがあげられます。
1.不規則な勤務
介護の仕事に休みはありません。365日24時間待ってはくれず、介護職の勤務はローテーション勤務になります。早出、日勤、遅出、夜勤などさまざまです。必ず土日祝が休みというわけではありません。自分自身の健康は自分で管理をしないと体調を崩す恐れもあります。休日はゆっくり身体を休め、次の仕事に備えましょう。体調不良で仕事を続けられないということがないように健康管理に気をつける必要があります。
2.体力勝負
力任せの介護は相手にとっても苦痛を与えるため、介護技術を身につけることで力がなくてもスムーズに介護を行うことはできます。一方で施設利用者の多くは介護度が重く、介護が必要な場面が多々あります。1日に何回もベッドから車イス、また車イスからベッドへの移乗など介護業務が重なります。重心を落として腰に負担のかからないような介護を行っていても身体的な大変さを感じるときもあります。介護職は体力勝負のところがあるため、無理せず、続けられるやり方を見つけていかないと、病気になってからでは遅いので注意が必要です。
3.人間関係に左右される
介護職はチームケアが基本です。利用者さんは介護者を選ぶことはできません。介護職として職員の好き嫌いで仕事をすることは良くありませんが、退職理由の上位に人間関係があげられます。実際に就職してみないと職員の人間関係がわからないところも多々あります。職場によっては仕事内容より介護職同士の人間関係に悩まされるという人がいます。就職する前に施設見学などを行い、職場環境も自分に合うか考えることをお勧めします。
こんな介護職を目指そう!
介護職に限らず、メリットばかりの仕事はありません。デメリットはあります。それでもその仕事に就きたいと思うのはデメリットよりメリットの方が大きいからです。
利用者さんは言葉にできなくても私たち介護職の頑張りを見てくれています。毎日の介護を通じて利用者さんと関わっていく中で、介護職と利用者さんの絆は強くなります。目で見えるもの、耳で聞こえるものが世の中すべてではありません。目に見えない、耳に聞こえなくても関わりの中で感じられるものが人としてあります。その存在を気づかせてくれるのが介護の仕事だと思いながら介護職に携わっています。
働きやすい職場環境選びがあなたを輝かせる
あなたはなぜ介護の仕事を続けているのでしょうか?
日頃から考えることが多すぎていつの間にか忘れてしまっている介護の現場で働く理由。母が祖母の介護を大変そうにしているのを見て介護職を志した人や、障害者の方が当たり前の日常を送れない現実を知って、当時の自分では何も力になれないもどかしさから介護の仕事を志した人もいるでしょう。
現在、あなたが介護の仕事を行っているのは、「人の力になりたい!」と強く思ったからではないのでしょうか?
3K(きつい、汚い、危険)と言われていることを知った上で働き続けているあなたは高齢化社会である日本の誇りです。
介護業界の主役は現場で働くあなた自身です。
あなたをキッカケに、「介護の仕事って楽しいんだよ」「介護ってかっこいいんだよ」と思ってもらえる仲間が増えることを祈っています。
まずはあなた自身が輝ける場所に行きましょう。
世の中は、熱い想いを持って介護の仕事に取り組むあなたのような人材を求めています。