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利用者の基本情報はしっかり把握していたいですよね。排泄や入浴といった介助方法や、利用者の性格はしっかりおさえたいところです。特に介護職員は自分からコミュニケーションをとり、安心してもらうよう努めなければいけませんよね。相手の状態や様子によって介助方法を変えて対応するのも介護職員のスキルといえるでしょう。

しかし上手く対応できなかったからといって、利用者から暴力を振るわれる覚えはありません。利用者も認知症などを患っているので仕方ないかもしれませんが、だからといって暴力を振るって良いわけではないのです。夜間帯に排泄の介助を行った際に暴力を受けて、「酷い」と感じました。

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夜に裸でいる利用者!濡れた衣類の原因は?

Aさん(男性)は介護付き有料老人ホームに入居していて、認知症を患っていました。尿意や便意がほとんどなくなってしまっているので、定期的にトイレ誘導や排せつの確認が必要です。

Aさんはしつこく言われるのが嫌いなので、トイレの声掛けをしても「今は行かない」と言えば粘ってお連れしようとはせず、時間をおいて対応するようにしていました。私も介助の際はしつこく言わないように対応していたのですが、夜勤勤務を担当した日に事件は起こってしまいました。

夜勤で巡回のためAさんの部屋に行くと、何も着ずに裸でベッドに座っているところを発見してしまったのです!私は慌てて「どうしたんですか!?」と声を掛けたのですが、「何でもないよ大丈夫」と話されました。暗闇のままでは状況を把握できないため電気を点けると、床に水たまりができていて、衣類や布団もビチャビチャになっていたのです。

水たまりや衣類からは独特な香りがしており、原因は尿失禁だとすぐにわかりました。

対応に反省するも、90歳のおじいちゃんから暴力が・・・

Aさんは濡れている服を着ているのが気持ち悪かったのでしょう。脱ぐには脱いだのですが、「着る」という作業がどうしたらいいかわからない様子でした。私は「着替えましょう。」と話したのですが、「いや、大丈夫だから」と話されたのです。

しつこく言われるのが嫌いなAさんですが、ずっと裸のままにいさせるわけにもいかず、濡れたシーツで横になっているAさんに着替えを促すも頑として動こうとされません。「いいからもう出てってくれ!」と怒鳴られたときに、しつこくなりすぎていたことに気づいた私は、最後に衣類だけ準備することにしたのです。

「ここに置いておきますよ」とAさんの近くに衣類を置こうとしたときでした!

「余計なことするな!!」と、衣類を置こうとしている私のわき腹当たりを思いっきり蹴ってきたのです。私は痛いというより90歳を過ぎていたAさんに、こんな俊敏な動きができるなんてと驚かされました。

私はもう一度衣類だけサッと置き、部屋から退散したのですが心臓がバクバク音を立てて聞こえるくらい驚ろいていました。時間が経つと驚きは悲しみに変わっていき、「なぜ蹴られなければいけないのか」と、悔しくて涙を流してしまいました。

今ならわかる対応、正解はないから難しい

結局Aさんも寒かったようで、少し経ってから部屋を覗いててみると自分で着替えをし、休まれていました。私は自分で着替えたAさんを見て、対応方法が間違っていたのかもしれないと思いました。しつこく言わず、衣類だけ用意して置いとけば自分から着替えたわけですから、まだまだ介護士として未熟だなと感じた時でした。

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