介護とは人を助けること・人の役に立つことができる仕事です。しかし、過剰介護をすることで、逆に利用者の能力を奪ってしまうことがあります。
利用者一人ひとりに合わせたケアをすることが、利用者の生活だけでなく職員の体を守ることにもなります。
この記事では
- 過剰介護がよくない理由
- 利用者と介護者にやさしい介護方法
- 生活がリハビリになる
を私の経験してきたことを交えながらポイントをお伝えします。
過剰介護って?
簡単に言うと、必要以上の介護サービスを提供することです。
介護保険で利用できるサービス一覧
引用:厚生労働省公表されている介護サービスについて|介護事業所生活関連情報検索
介護現場では主に食事介助や排泄介助などの直接介助のことを指して使われることが多いです。
介護は利用者のADL(日常生活動作)やQOL(生活の質)に合わせて、介助の内容と量を決めますが、必要以上に介助をし過ぎてしまうことを過剰介護と使っています。
できなくなった?それともさせた?「待つ」という技術!
「できません」とじっとしてる人や、職員の動きに合わせる人が、待たせてしまっている間に自分でなんとかしている場面を見て「なんだできるんじゃない」という経験をしたことはありませんか?
「できない」と思って介助していたことが「実はできること」であり「介助をしていたからできなくなった」ということも多くあります。本当にできないのか?利用者のADLをしっかり把握して介助の内容を決めましょう。
いきなりやってあげるのではなく「〇〇できますか?」「〇〇をお願いできませんか?」と声をかけてみてください。ゆっくり時間をかけて自分なりに行動してくれる人がいるはずです。そこで過剰介護を防げます。
できることをやってもらいできないところだけを介助する。そのために「待つ」ということも介護を行う上で必要な技術です。
能力を引き出せば楽になる!「生活」がリハビリに
トランスファーやトイレ誘導など力を使う場面は多くありますが、できることをやってもらうだけで、利用者も職員も楽になります。
持ち上げて介助をするのではなく、立ちやすい姿勢や動きを作るだけで介助量が軽減されます。また、能力を引き出す介助ができることで、残存機能を使えて、利用者も楽に動くことができるようになるのです。
過剰介護をするだけではなく、利用者の能力を引き出してトイレに行ったり着替えをしたりお風呂に入ったりすることがリハビリです。
特別な機械を使ったり専門家に見てもらうことも良いですが、1日に何回もいくトイレでの立ち上がりや、食事を自分で食べるために手を動かすことなど、利用者の「できる」を引き出しましょう。
できないことをサポートしよう
過剰介護とは必要以上の介護をしてしまうことです。利用者が「できない」と思っていたことは、実は「させていない」だけだったかもしれません。
動きやすい動きを作るために介助をし、利用者が自分で行うようにコミュニケーションをとり、待って見てください。そうして時間をかけてでも行うことが生活リハビリです。
やってあげる介護からできないことをサポートする介護にすることで過剰介護を予防していきましょう。