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介護の中で「食べてくれない」「上手に介助ができない」と食事介助に悩む新人職員は多いですよね。食事は生命を維持する上でも必要です。しっかり食べてほしいと思うのは介護を提供する側としては当たり前。ただその声かけや介助方法は誰に対して行われるものか考えたことはありますか。利用者のための食事ですが、介護者側の都合による声かけになってはいませんか。それでは、介護の原点に返ってどうやったら美味しく、また気分よく食事を食べてもらえるかについて考えていきましょう。

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スムーズに食事介助ができるポイント

利用者の食事介助に関して大きく2つにわけられます。

何でも食べる人に対しての介助

認知症の人に多くみられる傾向ですが、食べることが大好きで何でも食べてしまう人がいます。他者の食事に手を出してしまったり、食べられない物を口に入れたりと、とにかく何でも食べてしまう人は困りますね。自分の分は早く食べてしまって他の人の食事を狙っています。

「わしの食事がない」と言われても「食べ終わったからありませんよ」の返答では納得はできないでしょう。反対に「わしの食事を食べたな」と泥棒扱いされないとも限りません。介護職員にしてみたら食べているのを見ているわけですから食事がないのが当たり前。それを食べていないという利用者。

特に認知症の人は見えているその場がすべてです。そのため、施設では食事が終わった人からお膳を片付けてしまいますが、私たちはあえて食べ終わっていてもお膳を最後までテーブルに残します。ご本人から聞かれれば、からっぽの食器を確認してもらい、食べたことを自分で見て、納得してもらいたいからです。

食事がすすまない利用者に対しての介助

一部介助から全介助まで利用者によって異なりますが、声をかけても手を添えてもなかなか食事がすすまないことに困る場合は、まずは時間を一旦、置きましょう。職員が入れ替わりですぐに声をかけにいっても食べる気分でなければ食べてくれません。それは、介護の必要有無は関係なく、気分だからです。だからといって何時間もあける必要はありません。リセットする意味で少し時間をあけます。声のかけ方は、面接技法でいわれている閉ざされた質問を意識して行いましょう。

食事介助を行う際に、
「美味しそうですね、何から食べますか?」と聞くと相手はその中から何を食べようかと考えてしまいます。同じ声かけでも「美味しそうですね、○○から食べましょうね。」

と言うことにより「はい」か「いいえ」の返事になります。

何度も閉ざされた質問ばかりでは迫るような声かけになる恐れもありますが、食べ始めの声かけは「はい」と答えやすいほうが相手もスムーズに介助を受けてくれます。

どうしても食べてもらえないときはどうしたら良い?

もし自分だったら食べたくないときはどうしますか。やはり食べたくないときは食べませんよね。利用者も同じ人間です。食べたくないときもあるでしょう。その場合は無理な介助はやめます。ただし食事介助をやめた後が大切です。

食事のときに摂取する予定だった水分や人によっては食事後に大切な薬を飲んでいる場合があります。食べないのだからすべて自己責任とはいえません。介護を提供する側として、飲めなかった分の水分補給をいつどのような形で介助するのか、内服の取り扱いについて確認する必要があります。また食事を食べていない状況を次の食事介助を行う人にも伝え、次の食事の際にフォローできる体制を整えましょう。

食事介助の注意点

食事介助の一番の注意点は、食事はどのような雰囲気で食べるのが望ましいかです。食事は食べる姿勢から始まり、視線の位置、介助者の声をかける方向、高さ、介助のスピードなど気をつけることがあります。

例えば、片耳が遠い人の場合、聞こえない耳側から介助を行っても声が聞き取りにくいですよね。また病気の後遺症により片マヒの人は、マヒ側に嚥下障害が残っていることもあります。その場合は、マヒのない側から介助を行ったほうがムセも少なく、飲み込みやすいです。

以上のように「食事介助」という介護でも利用者の状態によって介助の方法が異なります。職員全体で利用者の状態を把握して、安全に食べてもらえる食事介助の方法を考えることが大切です。

食事介助の声かけ例

食事介助に限らず、どの介助にも当てはまりますが、この声かけだから絶対に良いという声かけはありません。それは介護を受ける側も介護を提供する側も人間だからです。いつも同じとは限りません。

利用者さんに質問してみる

「ご飯ですよ」と声をかけただけで怒られたという場面だってあるでしょう。そんなときは話題を振りましょう。「私はご飯が好きですよ。○○さんは、どんなご飯が好きですか?」と尋ねてみてはどうですか。何も答えてくれないかもしれません。または、「甘いものが食べたいなあ」など返事を返してくれる可能性もあります。この場合は、落ち着いた気持ちで食事場所まで行けるかが大切であって、正しい返答が必要なわけではありません。落ち着いた気持ちで食事に向かえるような声かけを考えましょう。

食べてもらえる言葉をかける

食事場所まで来て、「美味しいですよ」の声かけに「あんた食べな」と言われても困る必要はありません。「私はもう調理のときに食べましたから○○さんのご飯ですよ」や「私はお腹がいっぱいだから○○さんが食べてくださいね」と食べることを促す言葉を考えましょう。食べてもらいたい気持ちを前面に出します。ここでのポイントは「はい」や「そうだな」という良い返事がもらえるような声かけです。

利用者の食事に対する思いを知って

自分で食べられない人の場合、1日3回食事介助を行います。水分補給やおやつなどを考えるとそれ以上、介助を行っています。毎日同じ量の食事介助を行っても、利用者は同じ量を食べられるわけではありません。利用者だって好きなモノは大きな口を開いて食べます。嫌いなモノは口の中にいつまでも残ります。利用者一人一人の食事に対する思いを知って、食事介助が考えていけるような介護職員になりたいものですね。

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