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ケアマネへの転職で失敗しないようにするためには、まずどのような失敗があるか知ることからはじまります。ケアマネは資格を取得するまでに決められた国家資格を取得して5年以上の実務経験が必要とされています。

難関を突破してなったケアマネ。福祉業界で働いていてもケアマネとしての転職となると仕事内容も異なり、不安も多いことでしょう。転職で失敗しないようにする方法をケアマネ10年以上の経験をもとに仕事上、よくある失敗と対処法を伝授します。

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ケアマネへの転職失敗事例~こんなはずじゃなかったケアマネの仕事~

ケアマネジメントなどの研修を経てやっとなれたケアマネ。研修ではアセスメントの行い方、課題の見つけ方、ケアプランの立て方、担当者会議の行い方、社会資源の活用方法などさまざまなことを勉強します。しかし実際の現場は研修通りにはいかないのが現実です。ケアマネとしての失敗事例を紹介します。

1.利用者、家族の希望を聞き過ぎて自費が発生

介護保険制度は、要支援1から要介護5まで7段階あります。それぞれ要支援の場合は予防介護、要介護の場合は段階に応じて限度額が決められています。

介護保険制度を利用して1割負担で利用できるサービスは限度額内です。言い換えると、認定を受けている段階の限度額を超えた分は介護保険制度が利用できないため、1割負担ではなく、10割全額自己負担になります。

ケアマネになって1年目。担当していたAさんは介護者である娘さんと2人暮らしをしていました。要介護3の女性です。福祉用具を利用しながら普段は週3回デイサービスに通います。娘さんの仕事の都合で2泊3日程度のショートスティを利用することがあります。

早くから出張などがわかっている場合は予定が入れられますが、急に来週ショートを利用したいと言われることもあるため、サービス調整は普段から気をつけていました。

私が限度額を超えて自費発生をしてしまった月は娘さんも忙しく、予定変更で急なショートスティの依頼が2回ありました。私自身もケアマネになって1年になっていたため、コツをつかみ、簡単な計算で限度額は超えないと判断して、サービス調整を行いました。しかし急なショートスティの依頼で、いつも利用している事業所が満床だったため、同じ事業所で隣にできた新館のショートスティなら空いていると言われ、新館を利用することになりました。

時間もなかったため、家族に案内して、同じ事業所が行っているので疑いもなく、利用していただきました。Aさん自身も「個室はきれいで親切な職員さんばかりだったよ」という言葉にホッとしていたところ単位数を見て、私は心臓が止まるかと思いました。

利用している事業所と同じ事業所が運営している新館ですが、ユニット型のショートスティだったのです。いつも利用している事業所は従来型のショートスティのため、個室と多床室の両方があります。Aさんは個室を利用することもあったため、新館の個室と言われて特に違和感なく、利用しました。

限度額を超えることがわかったのは利用終了してから3日後でした。ショートスティ事業所の生活相談員より自費発生の件で連絡をもらいました。私の頭の中では?マークでいっぱいです。計算上、自費は出ないはずなのになぜ自費の相談という感じだったのを今でもよく覚えています。

ショートスティの生活相談員より新館はユニット型のショートスティのため、単位数が異なると告げられました。ケアマネとして本館も新館も同じ事業所で同じ単位数だと勘違いしていたのです。計算をすると、限度額より300単位超えてしまいます。1割負担の場合、300円のところ、10割全額負担となるため、3000円の負担になります。

自費が発生することを事前に説明をしていなかったため、ご家族に経済的な負担をかけてしまったことを謝罪しました。ご家族から指摘を受ける前に謝罪することができたので、「私たちはわからないから次から気をつけてほしい」と言われ、自己負担分の了承をいただきました。

2.サービス間の連絡調整がうまくできず、利用者に負担

自分で動くことができない要介護5の女性は要介護1のご主人と2人暮らしです。ご主人は元気ですが、認知症のため、すぐに忘れてしまいます。訪問介護、訪問看護、デイサービスを利用しながら自宅で生活していました。

ご主人はいつ排便があったか、食事を食べることができたかなど日常生活の介護を覚えていることができません。そのため、サービス間の連絡ノートを作り、情報共有に努めています。連絡ノートでは、病院の受診や身体状況によって介護の行い方や薬の内容や飲ませ方の変更があった場合、ケアマネが新しい情報が更新することになっています。ケアマネは受け取った新しい情報を更新するとともに、何のためにいつから変更となるのかを各サービスへ連絡します。

私が失敗したことは訪問看護から下剤の使用方法の連絡を受けたにもかかわらず、連絡を伝え忘れ、サービス変更が遅れたことで、利用者に負担をかけてしまいました。訪問看護より連絡ノートの情報から軟便や下痢が続いているため、液体の下剤服用を10滴から5滴へ変更して様子を見てほしいとサービス変更の依頼がありました。私自身、別の訪問に出かけていたため、すぐに対応できず、翌日、連絡を忘れていたことに気がつきました。

下剤の量の変更が遅れてしまったため、下痢が2日間続いてしまいました。幸い、下痢が続く以外に体調を崩すことはなかったため、そのまま在宅生活を続けることができましたが、下痢が続くと、体内の水分が減り、脱水など別の病気を起こしかねません。事業所間の連絡調整の大切さを改めて実感しました。

3.連絡ミスでサービスが重複

要介護2の男性は1人暮らしです。同じ地域に息子さん夫婦が住んでいます。家族の協力の他、週2回のデイサービス、デイサービス利用日以外は昼食時に訪問介護を利用しながら自宅で生活しています。病院の受診は家族が協力してくれます。

本人から必ず受診の前日はデイサービスを利用したいと希望があります。受診日前日が週2回デイサービスの予定日に当たる場合、調整は必要ありません。しかし、固定日以外のときは、デイサービスを追加して昼食時の訪問介護を中止する必要があります。

毎月訪問時に次回の受診日を確認し、サービス調整を行っていました。通常は4週間に1回の受診です。定期受診後、検査が必要と言われ、急遽受診の追加が決まりました。受診前日のデイサービスは追加をしましたが、訪問介護は事業所が不在で電話がつながりませんでした。

訪問介護とはお互いに連絡の行き違いがあり、サービス中止の連絡が伝わったか否かわからずに利用日を迎えてしまいました。ご本人は病院受診前日のため、希望されてデイサービスに朝から行きます。昼を過ぎた頃に訪問介護事業所より「訪問に来たが自宅に鍵がかかっている」との電話が入りました。

サービス中止の連絡が訪問介護事業所内で伝わっておらず、そのまま訪問に来てしまったとの事で謝罪し、事業所へ戻ってもらいました。サービス中止の連絡は不在のときが多かったため、FAXで連絡をしました。しかし訪問介護事業所ではFAXを受け取っていないとの返答。結局、どちらかの事業所で何らかの連絡確認ミスがあり、うまく伝達できませんでした。ケアマネとしてFAXという連絡手段を取り、最後まで確認せずに連絡できたと思い込んでいたことがサービスの重複につながったと反省しました。

失敗から学んだ対処法

ケアマネとして、利用者へ経済的負担をかけたこと、連絡不足で利用者に負担をかけたこと、連絡ミスでサービスが重複したことは許されない失敗で同じことが続くと、事業所全体の信用問題にかかわると痛感しています。失敗から学んだことは以下のことです。

1.毎日業務を振り返る

毎日、業務日報をまとめるときに振り返りの時間を作りましょう。「慣れ」というのはときに重大な失敗につながる恐れがあります。サービス調整や事業所と連絡を行った際は必ず振り返りを行い、漏れがないか見直すことが大切です。

2.事業所と定期的な情報交換

決められたサービス担当者会議やモニタリング以外に定期的な情報交換を行いましょう。

サービス調整の要になるのがケアマネです。サービスの連絡を行うだけでなく、各事業所と定期的に情報交換を行うことはお互いの信頼関係につながります。

連絡が一方通行にならないように自分から働きかけていくことも大切です。一方で情報交換を密に行うことはよいですが、特定の利用者ばかりの情報交換にならないように気をつける必要があります。

ケアマネ1人に対して35人程度のケースを担当しています。利用者1人ひとり個性があります。在宅生活の場合、利用者の希望だけでなく、家族の希望や負担軽減のため、サービス利用につながる背景もあります。利用者によっては私たちケアマネに見せる顔とサービス事業所へ見せる顔が違う人がいます。ケアマネが普段の様子を知っているのと知らないのでは大きく違います。

ケアマネ側からサービス事業所へ積極的に連絡を取ることで事業所も何かあればすぐに相談してもらえるようになります。利用者の生活を支えていくためには各々のサービスを理解することは欠かせません。何かあればケアマネに相談しようと思える間柄を築けるように努力しましょう。

ケアマネの転職で失敗を成功にかえる秘訣

誰もが失敗したくないと思うのが当たり前です。しかしケアマネだって人間です。最初から何でもできる人ばかりではありません。失敗を成功にかえる秘訣は、ケアマネの役割を理解することです。

私たちケアマネは直接困っている利用者の介護を行うわけではありません。困りごとを見つけ、解決できるように人・サービス・モノをつなげて、利用者を支えることです。利用者に寄り添い、必要なことは何か、利用者は何を伝えたいと思っているのか代弁者であることが一番の役割です。言葉以外に隠された思いを見つけることは成功への第一歩と感じています。

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あなたはなぜ介護の仕事を続けているのでしょうか?

日頃から考えることが多すぎていつの間にか忘れてしまっている介護の現場で働く理由。母が祖母の介護を大変そうにしているのを見て介護職を志した人や、障害者の方が当たり前の日常を送れない現実を知って、当時の自分では何も力になれないもどかしさから介護の仕事を志した人もいるでしょう。

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まずはあなた自身が輝ける場所に行きましょう。

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