Pocket
LINEで送る

単独取材連載3回目は、「こんなところに日本人」というような番組で良く見かける、片道 3時間以上の道のりを15人乗りのバンに乗車し、道なき道を突き進んだ話からスタートしよう。

 

まず、何故そんなところに行こうと思ったのか?という単純な疑問からお答えしよう。日本語学校で出逢ったひとりの女性が、毎日3時間以上かけて通っているという話を聞き、興味本位から「彼女たちの本来の生活を知らなければならない」という、後先を考えない猪突猛進のいつもの悪いノッポさんが急に現れたから。 ただ、それだけのキッカケから始まり、 想像以上の結末と後悔の念にどっぷりと覆われた事は、言うまでもありません。

 

 

スポンサーリンク

日本の外国人技能実習生にこだわる理由

伝えられていた3時間以上に嘘はなく、実際、到着するのに 4 時間以上掛かり、帰りは 6 時間以上を要した。結果、彼女の地元での滞在時間は 2 時間弱。しかし、彼女はこの道のりを毎日往復している。渋滞を避けるために、朝、3 時過ぎに自宅を出発し、帰りは渋滞が激しくなる前の 15 時には帰路に就くか、友人宅に泊まる日常。そこまでしてでも日本語検定 4 級に合格して、日本の介護現場で働きたいという強い想い。

 

フィリピンの就業事情に影響を与える渋滞問題。そこで起きてくる一番の弊害とは何か?それは、シフトが組めないという問題。先程も記したが、予想を遥かに超える渋滞で昼からの勤務は、時間通り到着できない。つまり、効率的に業務を回そうとすると朝早くから業務に就き、 そのまま閉店まで就業するスタイルが多い。飲食店のような時間帯に波のある業態に於いてはかなり厳しい。

交通渋滞

▲想像を遥かに超えた交通渋滞は、フィリピンの日常生活を大きく左右している。果たして、解消する日は来るのだろうか?

 

 

従業員にとっても酷な環境であるが、雇用側からも無駄な人件費が日々浪費される。その為、雇用側は半年以内の契約にして、社会保障制度を適用しない等の対策を講じている。そこで起きる負の連鎖は、従業員の業務に対する態度に現れ、日本人からみると、接客態度に疑問符を強く投げたい気分になる。定着しない雇用は、負の連鎖を巻き起こす。だからこそ、安心して働け、しっかりとした技術を習熟できる日本の技能実習制度に対して、執着しているようだ。

 

 

具体的には、どのような受け入れが良いのか?

フィリピンの方々は従順に職務をこなす印象だった。但し、明確な指示を出す存在がいる前提でのこと。また、集団生活にも適応しており、何よりも明るい。その反面、仲間意識が強く、纏まって動く傾向があり、次第に声も大きくなり取り留めもなくはしゃぎだす。

 

では、どのような受け入れ方が良いのか?私が考える受け入れ人数や体制を参考までにお伝えしよう。事業所の形態によって受け入れ人数等に違いがありますので、一番スタンダードな形態で捉えて下さい。

 

初期のメンバーは女性 3 名。その中にリーダー格の女性を1人。全ての指示をリーダー格の女性へ伝えて、半年間ほど業務を進めていく。その後、シフトを調整していきながら個々の良さを引き出していく。特養であるなら、これをユニットごとと捉えた採用方法で良いと思う。

 

翌年に関しては、それぞれの初期メンバーをリーダー格として新しい人材の育成をフィリピンのメンバー内で構築させる。確立できれば、受け入れる側の日本人のストレスも軽減され、継続的な技能実習生の受け入れが行われ、技能実習生との 関係性や事業所全体の雰囲気も向上していくと考える。

 

と言うものの、初期の受け入れには双方にストレスが必ず存在する。そこで必要なことは、経営サイドと現場における「外国人技能実習生の受け入れに対する長期的なメリット」を、しっかりと話し合う時間を設けることであると、私は考える。その時期は、今でも遅くない。外国人技能実習制度は、単なる人員確保ではないが、その意味合いも見え隠れしている現状がある。だから、その表裏もしっかりと理解して話し合い、これからの自分たちの現場を見つめた決断であると充分に落とし込み、受け入れる体制を整えてもらいたい。

 

そして、必ず伝えなくてはならない事がひとつ。「介護の現場だけを見ない」ということ。他の民間企業が受け入れてきた時の成功事例や地域を見渡した時の外国人の様子をしっかりと見渡し、その後に自分たちの現場で働くチームメイトである外国人を考えて欲しい。

 

介護現場は、チームで動く。医療との連携や地域との連携の前に、事業所内のチームワークを重要視するべきである。事業所内の満足度が満たされなければ、ご利用者へも地域へも落とし込むことが出来ない。外国人の技能実習生の受け入れを大きなチャンスと捉え、今まさに真剣に受け入れの相談をされる事業所も少なくない。但し、継続的に行うために準備が必要であることも、同時に忘れてはならない。

明るい気質

▲底抜けに明るい気質を持つ彼女たち。不安と期待が交差しながらも、日本で技能習熟が出来ることを誇りに感じている。

 

 

来日直後の研修とリフレッシュ研修の重要性

外国人技能実習生の一番の課題は、失踪。他業種の技能実習生の問題として、多くの企業が常に心配事として挙げている。この問題の重要な対策はふたつ。来日直後の研修の充実と半年毎のリフレッシュ研修の導入であると考えている。

 

来日直後の研修は、非常に重要視されている。どこで何を研修の重点とするか?をしっかりと見つめる必要がある。日本の文化やマナー等の研修も勿論重要であるが、「失踪」をするとどうなるのか?を具体的に説明し、日本の法制度を理解させることがポイント。そのポイントを忘れないためにも半年毎にリフレッシュ研修と銘打った取り組みを持ち、そこでも しっかりと「失踪」に関して取り上げるべきであると考える。

 

しかし、リフレッシュ研修の一番のポイントは、やはりストレスフリーにすること。母国語で自由に話が出来たり、母国の料理が食べられたり、職場での悩みを信頼できる第三者に相談出来る時間と環境を用意すること。もちろん、その時の様子や具体的な悩みを施設側へフィードバックする仕組みも 取り入れる必要がある。

 

他業種で行われてきた外国人技能実習制度の課題を多方面からしっかりと読み取り、「失踪」等の問題を恐れず、来日して技能の習熟が出来るこの制度の良さをしっかりと伝え、何よりも受け入れた施設側の理念や取り組みや想いに共感して頂くことが、一番の対策だと考える。その際の対策が受入施設側だけで出来ないことも十分理解している。

 

だからこそ、今からその取り組みの準備を行なっている組合やトレーニングセンターをじっくりと精査する必要性があると、私は考える。介護職の一人として、介護事業所を 運営するひとりとして、皆さんの不安は、私自身が感じたものと何ら変わらないと自負している。

学生たち

▲日本語検定4級(N4)合格を目指して、日々努力をしている学生たち。日本の介護現場で、その成果を発揮する日は近い。

 

日本の外国人技能実習生は、フィリピンだけでなく、中国・ベトナム・インドネシア等、アジアを中心に十数ヶ国。自分たちの事業所や地域を見渡して、どこの国の実習生を受け入れていくことが将来的に見て賢明かを、この機会に話し合う時間を設けてみては如何でしょう?

 

解らない事があれば、何なりとご相談下さい。初期研修施設やリフレッシュ研修等 に関して、この「知多半島」で準備を進めております。介護情報誌クレセントは、 外国人技能実習生の受け入れに積極的な第一歩を踏み出せる情報を常に提供し続け、不安解消に努め、意見交換が出来る「集いの場」も設けるようにします。

日本を夢見て頑張る生徒たち

▲日本での技能実習を夢見て頑張り続ける。迎え入れるために必要なことは何か?困ったときには、クレセントへ!

 

そろそろ、次なる異国へ足を運び、皆様へ更に役立つ情報をお届けする準備を致します。

Pocket
LINEで送る