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人それぞれ性格が異なり、ハッキリ意見を言うことが苦手な人もいるでしょう。意思表示がされないと良いか悪いかがわかりません。だからといってハッキリ意見を言い過ぎて相手が嫌な思いをすることもあります。同じ法人の訪問介護事業所で意思表示をはっきりしないヘルパーBさんが訪問先でのトラブルをきっかけに部署移動になった出来事です。

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笑顔だけじゃ、どっちかわからない

笑顔のマーク

ヘルパーBさんは物静かな人で存在感がどちらかといえば薄いです。話し合いの最中でもしばらくいることに誰も気が付かないことも一度や二度ではありません。意見も曖昧で誰かが良いと言えば「イエス」に流れ、だめと言えば「ノー」に流れるといった他人まかせで責任感も全くありません。訪問先で頼まれたことも笑顔で聞き流し、できるともできないとも返事をせずに帰ってくることもあったので、大丈夫かなと不安な気持ちがありました。長所をあげるとするならどのような仕事でも嫌がらずに笑顔で行っていることぐらいです。

頼んだことができていないと苦情の連絡

訪問介護を利用している先で「ヘルパー訪問の追加を依頼したのに来ていないとはどういうことか」と苦情が入りました。訪問介護事業所の所長は苦情の意味がさっぱりわかりません。ただ謝るだけでは対応ができないため、所長は相手の言葉を逆なでしないようにいつ、どこで、どのようなサービスの追加を依頼したのかを聞きます。

家族からの話では、「3日前に訪問したヘルパーさんに急用ができて出かけるため、昼食と排泄介助を依頼したところ、笑顔で快く引き受けてくれたのに訪問された形跡がない。予定よりも早く帰って来たから良いが夕方しか帰れなかったらどうしてくれるのか」と怒り口調。時計は15時を指していました。所長は再度謝罪し、改めて謝罪に伺うことで電話を終えました。

依頼を受けていたのはヘルパーBさん

依頼を受けた日にちや時間を確認すると訪問していたのはヘルパーBさんでした。所長はなぜヘルパーBさんに依頼を受けたことを言わなかったのかを確認します。ヘルパーBさんは「家族に行けるとは返事をしていません。サービスの追加はケアマネさんから連絡が入ると思ったので…」との答え。昨日や今日ヘルパーになったわけではないのにヘルパーBさんの言い分に所長の沸点は頂点に達します。

基本の介護サービスの調整は居宅介護支援事業所のケアマネから連絡が入りますが急な場合は訪問したヘルパーに依頼をされることもあります。その場合は所長やその日のリーダーへ報告を行うことになっています。家族は誰かに言えば伝わると当然思っているでしょうし、「イエス」の返事をしなくても笑顔で対応すれば了解を得たと思うのが当たり前です。ヘルパーBさんの常識のなさに言葉を失います。

常識のある行動を期待して

規則正しく歩く人々

訪問介護事業所内でたびたび本人や家族からの苦情を受けるヘルパーBさんを所長もかばいきれません。仕事への自信が持てずに意思表示ができないのかなどヘルパーBさんとは面談を重ねましたが理由も見つけられず。ヘルパーは1人で訪問することばかりで意思表示がはっきりできない職員の勤務は難しいとの上司判断で通所介護事業所へ部署移動となりました。

意思表示をはっきりと、考えて行動する

通所介護事業所へ異動したからといってすぐに意思表示ができるようになるわけではありませんが複数の目で介護をしているため、非常識なことがあればすぐに指導することができます。その点で意思表示をはっきりしないと相手に迷惑がかかることは理解できたようです。

いつも堂々と意見が言える人ばかりでないことはわかります。頼まれたことに関して返事をすることは社会の常識です。求められていることが何かを考えて行動できる社会人でありたいとヘルパーBさんを反面教師に自分の行動を振り返っています。

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