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ケアマネジャーをしていて、ICFという言葉を1度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。けれどICFってどのように活用していいのかなと悩みますよね。

ICFとは「International Classification of Functioning,Disability and Health」の略で、日本語では国際生活機能分類と呼ばれています。2001年に世界保健機関(WHO)によって採択されました。

ICFは人間の全体像を捉える考え方であり、ご利用者の状況を客観的、かつ包括的に捉えるためのツールです。アセスメントやケアプラン作成をおこなっていく上で理解しておくと大変参考になります。ここではICFとは具体的にどういうものなのか、知識があることによるメリットや逆に知識が浅いことによるデメリットも含めてお伝えしていきます。

利用者さんの状態をポジティブに捉えよう!

花を持つ少女

ICFの考え方では、その人が持つ“障害”をできない要因と考えるのではなく、「~すればできる」とポジティブに捉え方を変えます。

例えば、疾病の後遺症や高齢のために歩けなくなってしまい、日課としていた散歩や買い物に行くことが難しくなってしまった利用者さんがいたとします。

この利用者さんは日課を諦めるのではなく、「自分の足で歩くことは難しいけれど、そのかわり車いすを使い、お手伝いをしてくれる人がいると、散歩や買い物に諦めずにまた行くことができる」と考えられます。

ICFを活用することでご利用者の全体像を把握することができ、適切なサービスの利用や支援へ繋げられるのです。

ICFは6つの要素が相互に作用しあっている

それでは、ICFがどのように構成され、またそれぞれがどのような意味合いを持つのかを見てみましょう。ICFは以下の6つの要素で構成されています。

6つの要素

  1. 健康状態
  2. 心身機能・身体構造
  3. 活動
  4. 参加
  5. 環境因子
  6. 個人因子

下図のようにそれぞれの要素が相互に作用しあっています。

なお、「心身機能・身体構造」「活動」「参加」「環境因子」の項目は、合計約1500に分類されていますが、「健康状態」と「個人因子」は分類分けされていません。

ICF国際生活機能分類

出典:障害者福祉研究会『ICF国際生活機能分類ー国際障害分類改訂版ー』2002年 中央法規出版

1.心身機能・身体構造(生命レベル)

心身機能とは、身体の生理的、心理的機能のことを指しています。見ることや聞くこと、呼吸をすることや音声を発するなどの能力がはかられるのがこの項目です。

身体構造とは、身体のそれぞれの器官や、肢体とその構成部分などのことを指します。脳や呼吸器、骨や皮膚など、身体の各部分の位置や大きさなどが分類されています。

2.活動(生活レベル)

生きていくのに役立つ様々な生活行為のこと。目的を持ったひとまとまりをなした行為であり、日常生活行為(ADL)から家事、人との交際、趣味など多くの物を含む。それらが困難になった状態が「活動制限」。

活動とは、生活上の目的を持った具体的な行いのことを指しています。読むことや書くことに加え、コミュニケーションをとることや家庭生活をおこなうことなどがここに含まれます。

3.参加(人生レベル)

社会的な出来事に関与したり、役割を果たすこと。例えば主婦の役割、親や祖父母としての役割、地域社会(町内会や交友関係)の中での役割、その他いろいろな社会参加。それらが困難になった状態が「参加制約」。

参加とは、家庭や社会などへの関わりのことを指しています。働くことやスポーツをすること、地域の中で何か役割を果たすことなどが、参加の中に含まれています。

4.環境因子

人々が生活し、人生を送っている物的な環境や社会的環境、人々の社会的な態度による環境を構成する因子のこと。

人の生活機能に影響を与える外的な要因です。たとえば、建物の設備、交通機関のバリアフリーの状況などの物的な環境が例として挙げられます。それだけれはなく、環境因子には家族や友達、世間の人の目などの人的な環境や、医療や保健などのサービスも制度的な環境として含まれています。

5.個人因子

個人の人格を中心とした特徴です。詳しくは以下のようになっています。

個人の人生や生活の特有な背景であり、健康状態や健康状況以外のその人の特徴のこと(性別、人種、年齢、その他の健康状態、体力、ライフスタイル、習慣、生育歴、困難への対処方法、社会的背景、教育歴、職業、過去および現在への経験(過去や現在の人生の出来事)、全体的な行動様式、性格、個人の心理的資質、その他の特質など)。

その人に固有の特徴のことを指しています。この個人因子に関しては、現在のICFでは分類わけされていませんが、年齢や性別、民族などの基本的な特徴に加えて、社会的状況や人生体験なども、この個人因子として生活機能の分類に含めることができます。

出典:ケアマネジメントの進め方|渡部律子編著

ICFの知識があることによるメリットとして、人が生きることを環境も含めた広い視点から捉え、判断することができる評価であるため、ご利用者を深く知ることができるようになり、一人ひとりに合わせたケアプラン作成に繋げられます。

知識が不十分だと、各要素の関連付けができずそれぞれの要素毎に分けるだけに留まる可能性もあり、どう影響しあっているのかの流れをつかむことができません。その為自分の価値観を押し付ける事にもなりかねません。

実際にどのようにICFを活用するの?

実際にICFを活用した60代女性の事例をあげます。ICFを活用する場合は、その人の情報収集を行った後に、どの項目に該当するのかを考えて記載するようにしましょう。

ICFの活用方法

文章と図の引用:ICFの活用方法(記載事例)|リハプラン

明日から早速実践! 利用者さんのよりよい生活に向けて…

雑誌とコーヒー

私たちは、つい利用者さんの失ったものやできないことに注目してしまいがちですが、利用者さんが病気やケガと向き合いながら、住み慣れた地域でその人らしい生活を営んでいけるように、支援を行っていくことが求められます。

このような場合に、ICFの生活モデルに基づいた考え方や捉え方をする事によって、利用者さんが望むサービスの提供ができるようになります。

ICFを考える場合は、頭の中だけで整理することは難しいため、図のように症例の全体像をまとめる作業をするといいですよ。

最初はうまくできなくても、ケースを重ねていくことで活用できます。

明日から早速ICFを活用してご利用者の理解、よりよい生活の支援に努めましょう。

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