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社会で働く人にとって人間関係が良好であるかどうかは非常に重要です。しかし、働きやすい雰囲気かどうかは通常入ってからしか分かりません。介護職は離職率が高いことから「人間関係が難しそう」というイメージを抱く人もいるようです。人間関係が難しく働きにくいというのは介護職に限ったことではありませんが、なぜそのようなイメージがついているのでしょうか。本当に人間関係の悪い職場ばかりなのでしょうか。介護職で気持ち良く働いていきたい人へ、その原因や見極めるポイントをお伝えします。

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介護職の人間関係

悩む女性

社会での働きやすさと「人間関係」が良好かどうかは深く関わってきます。人間関係が原因で転職を決める人もいるでしょう。人間関係が大変なのは介護職に限ったことではありません。しかし、介護職特有の人間関係の難しさというものは確かに存在します。その背景には具体的に、どのような理由があるのでしょうか。

こじれやすい原因は女性の多さ

介護労働の現状介護労働の現状2

(引用介護労働の現状|厚生労働省

近年では男性職員も増えてきていますが、やはり女性職員が多いです。介護職員の男女の割合は正規職員、非正規職員共に女性が多く、非正規職員では女性の割合が80%以上にもなっていることが分かります。

女性は理解しやすいかと思いますが、女性の多い職場というのは言葉では表現できない空気感があります。女性は感情に左右されやすい面があります。何気なく放った一言が思いもよらぬ受け取り方をされて関係がこじれてしまったり、おしゃべりが広まって根も葉もない噂になってしまったりすることがあります。その結果、いじめが起きやすいのです。

幅広い年齢層による世代間のギャップ

特に中年層の女性職員との関係に悩む人もいるのではないでしょうか。介護の現場は若手職員からベテラン職員まで幅が広いです。年代による違いもあり、中年層の方にとって無意識の行動が若手にとっては厳しいものであったりします。入社してすぐにベテラン職員からの重圧に耐えきれず、やめてしまうということもあるでしょう。

そっけない返事になる程のハードワーク

介護の現場は忙しくドタバタと時間が過ぎていきます。夜勤や変則勤務のある職場もあり、体力的にもハードです。忙しくしていると心にもゆとりがなくなるものです。悪気はなくても、急いでいる途中で声をかけられると雑に返事をしてしまったり、愛想のない態度にになってしまったりすることもあるでしょう。その結果、空気がピリピリとしてしまったり、焦ってイライラしてしまったりして人間関係の悪化へと繋がります。

介護観の違いから違和感を覚えるようになる

介護職は人手不足であることから、あまり介護に関心のない人や、本当はやりたくないけれど妥協してやっている人もいます。逆に介護が本当にやりたくて、やる気と目標を持って仕事に取り組んでいる人もいます。介護職は人と人とのコミュニケーションであることから職員の介護観や人間性に非常に左右される職業です。よって、それぞれの介護観への違和感が生まれトラブルの原因となります。時代によって介護のやり方や考え方が変わってきている部分もあります。ベテラン職員と若手職員の間ではこれもトラブルを生む原因となるでしょう。

他職種との間に生まれる上下関係

介護職は医師、看護師、作業療法士、理学療法士など様々な他職種との連携が必要となります。職種に上下関係はありません。しかし、実際に介護職として働いていて「看護師のほうが偉い」「看護師のほうが強いから怖い」という風に感じることもあるのではないでしょうか。実際、そのような事実はありませんし、どちらもその道のプロです。ですが未だに介護職は看護師に意見できないというような風潮で仕事をしている人も存在します。

個々の仕事量の違いによる不満

介護の仕事は他人の今していることが分かりにくい部分があります。あの人どこいったんだろうと思っていると誰かの居室に居たり、排せつ介助に行っていたり、他人の行動が分かりにくいです。ちゃんと働いていても「さぼっている」と思われることもあるでしょう。また、仕事量が個人によって定量化されている訳ではないので、たくさん仕事をする人と、あまり動かない人に分かれてしまいます。「あの人何しているんだろう」「私ばっかり動いてあの人はさぼっているんじゃないか」と他人に対して疑心暗鬼になることがあります。

人間関係をこじらせる厄介な職員との体験談

対立する女性

実際にみんなはどのような職員と出会い、どのようなことに悩んでいるのでしょうか。「私の周りにもいる!」と共感できるエピソードがあるかもしれません。

若手に難癖をつけて自分は責任逃れ

Aさんは入社して1年が経ちます。介護経験の長いベテラン職員にいろいろと難癖をつけられる毎日です。プリントのコピーをお願いすると「分かった、やっとく」と言うものの実際にはやらず、聞くと「忘れていた」。しかし立場が逆転すると怒られ、その後は何を質問しても「私は知らない」と責任を逃れようとします。一生懸命に頑張っていますが心が折れてしまいそうです。

自分の介護観を押し通して衝突

Bさんはデイサービスで働いています。ある人は「ある程度時間がかかっても、利用者に合わせるべき」という考え。またある人は「利用者に合わせることも必要だけれど、時間内に済ませることが優先」という考え。介護観の違いに板挟みになり悩んでいます。

ハードワークにより職員から孤立

Cさんは介護職として長年働いてきました。しかし、激務の毎日で肉体的に疲れ切っています。利用者からの暴言・暴力に我慢することも辛く精神的にも追い込まれていました。仕事中も笑えず、職員と関わることすら嫌気がさすようになり、職員を避けていました。結果、職員から孤立してしまい、影では悪口を言われるようになり、職場に居づらくなってしまいました。

人間関係で失敗しないためのポイント5つ

頑張る女性

介護職に限らず人間関係はとても大切です。しかし実際に入社してみないと分からないのが人間関係というものです。入社する前に少しでも風通しの良い職場を見極めるポイントをお伝えします。転職を考えている人は新しい職場選びの参考にしてください。

①常にある求人は出入りの多さの象徴

ハローワークの職員は常に求人が出ている職場を知っています。常に求人が出ているところは人の出入りが激しい可能性が高いので、何かしら問題があるのではないかと疑います。また、ハローワークには福祉分野専門の職員がいます。職員の中にはもともと介護職員として働いていたという人がいる場合もありますので、信憑性の高い情報が得られるでしょう。

新設の事業所はみんなが同じスタートラインですので、職員同士の人間関係の築きやすさから言うと気が楽かもしれません。ただ、近年医療福祉介護の分野に関わった事のない人がデイサービスを運営するという話を良く耳にします。参入しやすくなり、介護の知識なしで運営しようという所は全て現場判断になりかねません。責任は1年目から大きなものになりますので注意が必要です。

②一つに絞らず比較する

本当に働きやすい、自分に合った職場に一発で出会えるならそれに越したことはありません。しかし今や介護施設は数えきれないほどありますので、なかなかそうは行きません。一つの所に絞ると、そこの職員の言葉に巧みに乗せられて「ここは良さそうだ」と信じ切ってしまうこともありえます。実際に入社してみると「聴いていた話と違う」という事態に繋がります。いくつかの施設に見学に行き、比較することも大切です。

③イベントのあるところは交流も深い

大きな施設では職員がクラブ活動としてスポーツを行っていたり、年に数回職員のみのイベントがあったりします。職員間の交流を深めることが目的です。そうすることによって仕事中のコミュニケーションもより円滑になり、日頃の悩みや不安を相談しやすい環境になります。

④見学のポイントは来客への対応

施設見学へ行き、職員同士がどのようにコミュニケーションをとっているのか、来客に対してどのような対応をしているかという点を見極めましょう。職場の人間関係というのは実際に入社してみないと分かりません。しかし、職員同士が言葉を交わす少しの時間でも、どのような関係性かということは分かります。

笑顔でしっかり挨拶してくれるのか、「誰かきたよ」としらけた顔をされるのか、人材不足すぎて見学者を見る暇もないのか、利用者さんをほっといて職員だけで喋ってないかなど、その場のスタッフがどんな表情で仕事をしているか確認しましょう。スタッフ同士でどれだけ声をかけあっているかによってスタッフ同士も利用者さん同士も良い関係であるか見えてきます。また、施設全体の雰囲気や利用者への接し方を知ることも重要です。

⑤挨拶とお礼がきちんとできているか

人と人とのコミュニケーションにおいて「挨拶」「お礼」は重要なポイントです。「おはようございます」「こんにちは」だけでなく、「ありがとうございます」「すみません」などが言えているかどうかです。女性の多い職場ですから、些細なことが気に障ってトラブルへ発展してしまいます。また、女性は「代わりましょうか」「手伝いましょうか」などほんの少しの気遣いが心に響くものです。挨拶やお礼ができているか、見学や面接に行った際には気にしておきましょう。

気遣いと相手に合わせることでもう悩まない

オッケーサイン

介護職は人と人とのコミュニケーションです。利用者との関係においてはもちろんのことですが、職員同士のコミュニケーションにおいても同じことです。「ありがとうございます」「すみません」などは些細なことでも忘れないこと、「手伝いましょうか」「持ちましょうか」など気遣いを大切にしましょう。

ある程度相手に合わせることも必要かもしれません。考え方の違いや世代間のギャップなどもあります。自分自身の考えを相手に全て合わせる必要はありません。しかし、難しい相手の前ではその人にやり方を合わせることで人間関係のトラブルを回避しましょう。「ほんとうは違うのに」という思いをその場のみぐっと堪えることができれば円滑になる人間関係もあるかもしれません。

人間関係は介護職で働く人にとって永遠のテーマとも言えるでしょう。人間関係の渦に飲まれて自分自身を見失うことがないように、上手に人と付き合う術を知っておくと良いかもしれません。

 働きやすい職場環境選びがあなたを輝かせる

あなたはなぜ介護の仕事を続けているのでしょうか?

日頃から考えることが多すぎていつの間にか忘れてしまっている介護の現場で働く理由。母が祖母の介護を大変そうにしているのを見て介護職を志した人や、障害者の方が当たり前の日常を送れない現実を知って、当時の自分では何も力になれないもどかしさから介護の仕事を志した人もいるでしょう。

現在、あなたが介護の仕事を行っているのは、「人の力になりたい!」と強く思ったからではないのでしょうか?

3K(きつい、汚い、危険)と言われていることを知った上で働き続けているあなたは高齢化社会である日本の誇りです。

介護業界の主役は現場で働くあなた自身です。

あなたをキッカケに、「介護の仕事って楽しいんだよ」「介護ってかっこいいんだよ」と思ってもらえる仲間が増えることを祈っています。

まずはあなた自身が輝ける場所に行きましょう。

世の中は、熱い想いを持って介護の仕事に取り組むあなたのような人材を求めています。

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