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家族介護をきっかけに介護の仕事に興味を持ってくれる人が増えることは、福祉の仕事をしている者としてはうれしい限りです。一方で家族の介護と仕事の違いを知りたいと考えることは大切です。

日常生活全般のお世話をすることに変わりありませんが、家族が手伝うことと、仕事として介護を行うことは全く異なります。仕事には対価が発生するからです。家族介護では曖昧にできることでも介護の仕事となると曖昧にできないことがたくさんあります。

ここでは、

  • 家族介護と介護の仕事との違い
  • 介護職としての心構えについて

説明していきます。介護のプロを目指してがんばりましょう。

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家族の中で介護が必要になったら

病気やケガなどにより家族の中で介護を受けないと生活ができなくなってしまう人もいるでしょう。例えば、祖母が転倒により大腿骨頸部骨折し、手術やリハビリ後、自宅へ戻って来た場合、高齢でもあるため、なかなか元通りには治りません。その後の生活に何らかの手伝いや見守りが必要になる人が大半です。

在宅での介護が始まると、家族の生活は少なからず変わります。部分的に介護保険サービスを利用するにしても自宅内のことは家族で対応することが多いでしょう。ただ家族の介護は仕事ではないため、できる人ができる時間に手伝えばすむこともあります。本来であれば見守りが必要なことであってもできる範囲で行っていることが多いでしょう。

それは、家族介護の場合、長い介護生活を支えていくことになるためには、無理しないことが大切だからです。何でもやりたい気持ちはわかりますが、家族にも生活があります。適度に力を抜いて介護を考えていきましょう。

仕事としての介護

介護を仕事とした場合、介護内容の統一が重要です。介護に関わる人数も家族介護とは異なります。複数の人が介護にかかわるときは一定のルールが必要になります。

例えば、オムツ交換を行う際、A職員は大きい尿取りパットを使うが、B職員は小さい尿取りパットを使うなど、バラバラな介護を行っては利用者にとって必要なことが何かわからなくなります。そのため仕事となると、利用者にとって必要な介護が何かアセスメントを行い、介護計画を立て、統一した介護が求められます。

家族介護と介護を仕事にすることの違い

介護は家族が行っても仕事で行っても同じですが、考え方は異なります。

複数介護の基本

介護を受ける人の人数と介護を提供する人の人数が違うことです。家族介護の場合、介護が必要な人の人数は、一人ないし二人でしょう。

仕事の場合は事業所の規模によって異なりますが、数十人の介護になるため、頭で覚えるだけでは限界があります。複数人の介護を一度に行うため、記憶だけで介護を行い、内容を間違えると、大きな事故につながる恐れもあります。介護が必要な人が何人いてもその人に必要な介護を理解し、誰が行っても同じことができるように統一することが基本です。

対価をもらう責任

介護をする私たちも人間ですから忘れてしまうこともあります。家族内であれば、「忘れてごめんね」ですむことであっても、仕事はお金をもらって介護を提供しているため、「ごめんなさい」ではすみません。

仕事として介護を行っている以上、介護者によってバラバラなことはできません。対価をもらって介護を行うことはその介護に対して責任も担う形になります。説明のできない介護は仕事とは言えません。利用者にとってどのような介護が何のために必要なのかを把握して提供する責任があります。

観察、確認の大切さ

どちらの介護も利用者を観察することは基本です。家族での介護は、毎日顔を合わせることで自然と観察ができます。しかし仕事となると、一人の利用者を毎日担当するわけでもないため、意識して行わないと観察を忘れてしまう危険もあります。またローテーション勤務で仕事をしているので、休みや勤務時間外のことはそのときの記録を確認しておかないと知らなかったでは済まないことも出てきます。日々の観察も含め、担当したときの記録、また自分の勤務時間以外の状況確認は忘れずに行いましょう。

介護の仕事を行う心構え

家族で介護を行う場合と介護を仕事とする場合では、責任の重さが異なります。家族は身内なので家族内で納得できていれば特別決められたことをしなければいけないことはありません。しかし、仕事となると個人的な判断は利用者に迷惑をかける恐れもあります。

家族介護と介護の仕事の違いを理解し、誰に対しても説明ができる介護を提供できるように努めることが大切です。介護の必要な人は大勢います。一対一の気持ちを持つことは大切ですが、常に一対一の対応はできません。常に周囲を見渡し、今すべきことが何かを考える行動力が求められます。介護のプロとして利用者に安心してもらえる介護を考えていきたいですね。

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