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廃用症候群は、症状を患ってしまうと運動機能が低下し、体が思うように動かなくなります。そういった体になってしまうと他の疾患を患いやすくなり、どんどん不調が現れます。それだけではありません。精神的な疾患を及ぼす場合もあります。

廃用症候群は、とても危険な症状なのです。なぜ、高齢者は症状を患ってしまうのでしょうか?原因はスタッフの対応にある可能性も隠れています。介護現場で活躍するスタッフは再度、廃用症候群について考える機会が必要です。原因や、防ぐための対応を順番にお伝えします。

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廃用症候群の正体

廃用症候群とは別名「生活不活発病」と呼ばれます。その名の通り生活を営むことも困難にさせる疾患です。

廃用症候群が引き起こす代表的な症状もあわせてお伝えします。

運動能力低下

何度も記載しました、運動能力が落ちていきます。

運動をする体の機能、筋力が低下することによって、体を動かすことが億劫になってしまったり怠さを感じたり不調が現れます。悪化すると歩行などの日常動作が困難になってしまいます。

関節の変形などを引き起こす場合もあります。

骨粗鬆症

動かない状態というのは、骨の密度にも影響を及ぼします。骨粗鬆症の予防には、適度な運動をすることも大いに関係があります。体を動かさないという環境では、運動をする機会を奪います。

弱った骨は少々の刺激で簡単にもろく崩れてしまうのです。

褥瘡(じょくそう)

床ずれと呼ばれる傷です。寝たきりの人がなりやすい症状で、体の一部に圧をかけ続けると皮膚が弱ってしまい傷ができてしまいます。寝たきり状態の人への支援として、一般的には体位交換を定期的に行います。

しかし、ある程度能力が残っている人に対しては、わざわざ体位交換をしません。本人でさえも動かさない体の一部にどんどん圧がかかり、気がつけば傷になっているといったことも考えられるのです。

うつ病

当然心的ダメージを受けることも考えられます。何もしない環境、何もできない環境というのは、簡単に人の心を破壊します。心にダメージを負ってしまうと、さらに体を動かす力がなくなり、どんどん能力が低下します。心に傷ができてしまうと、悪循環が生まれそこから抜け出すことがとても困難な状態になります。

廃用症候群の原因

発病の原因は「生活をしないこと」です。人間は、生活の中で生きがい、義務や責任がなくなると、どんどん能力が低下します。また、一度でも楽を覚えてしまうと、自発的に動くことが難しくなります。

そのような原因の積み重ねで引き起こしてしまうのです。つまり、廃用症候群とは「生活ができない状態」であるということが言えます。介護施設で生活をすると、身の回りのことはスタッフが手伝います。しかし、それは利用者ができない部分のお手伝いであって、できる部分は基本的に手出しをしてはいけないのです。

控えるべき過剰介護

多種多様な性格のスタッフが勤務している現場では「お世話好き」の人もいます。過剰に「お世話」をしてしまうとどうなるのでしょうか?その状況にどうしても甘えてしまいますよね。スタッフが利用者の全てをお世話してしまうと、利用者の生活がどうなるか容易に想像ができます。まず動かす必要がなくなった体の能力はどんどん低下します。

生きがいや責任を失った結果、心もむしばんでしまいます。その結果、生活でさえもすることがなくなってしまうのです。スタッフは、身の回りの全てに手を出すことによってやりがいを感じている場合があります。それは大きな勘違いなのです。本人の残存機能を活用させる支援に方向を向けなければいけません。

過剰介護を行う心理

なぜ、過剰介護を行ってしまうスタッフもいるのでしょうか?「お世話好き」な人ももちろんそうですが、きちんと利用者の一人一人の残存機能を理解できていない現場だから過剰な介護をする人もいるということが言えます。きちんとスタッフが全員で情報共有ができていないと、過剰な介護を行う人が後を絶ちません。

また、自己満足の介護を行わない心も大切です。誰のための支援なのかきちんと考えなければなりません。利用者のために何でもしてあげたい、力になりたいという気持ちはとても大切ですが、その結果はどうなってしまうのかを考えなければいけません。

過剰介護を排除する

まずは、観察とアセスメントをきちんと行いましょう。その上でスタッフで情報を共有し、その人に残された機能をきちんと周知しなければいけません。

「この人は〜ができない」と決めつけるのではなく、可能性を見いだすことも重要です。できること、やるべきことを奪う介護は結果として、その人をどんどん追い詰めることになってしまいます。

実際に全てをやってもらった上で、何ができるのか、何をするのが難しいのかをスタッフがそれぞれ解析するのも良いかもしれませんね。

過剰な介護は能力を奪う

確かに、手伝ってもらえるということは人にとってとても喜ばしいことです。しかし、それ以上に自分でやった時の達成感や喜びははるかに大きく感じるものです。行き過ぎた支援のせいで、その人の人生から大きな喜びを奪うことになるのはスタッフにとっても悲しいことです。

廃用症候群は、誰にでもなり得る症状です。その人の能力をきちんと理解して起こりうる症状を未然に防ぐことが大切です。

利用者が、その人らしい生き方をするためにはどこまでお手伝いするべきかを見極める必要があります。残存機能を見いだし、適切な介護をするよう心がけましょう。

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