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認知症による交通事故が増えており、認知機能検査と免許返納の重要性が叫ばれているのはご存知ですよね。

現在、約3万人ものドライバーに「認知症のおそれ」があるといわれています。平成30年1月には群馬県で認知症の疑いのある85歳の男性が女子高生2人の自転車をはねた事故が起きました。2人の女子高生は重体、事故を起こした男性は「気がついたら事故を起こしていた……」と証言しています。事故の過程さえも覚えていないのはとても恐ろしいことですよね。

認知症の症状があるにもかかわらず運転を続ける高齢者によって、こうした危険な事故が起きているのです。認知症を発症している本人は自分では認知症と認識するのが難しいので家族や周りの人が注意して見守らなければ、今後も悲痛な事故は増え続けるに違いありません。

そこで今回は認知症が原因で増加している事故の危険性と認知機能検査と運転免許証の自主返納についてお伝えします。

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認知症が原因での事故が増加している!?

平成25年平成26年平成27年
認知症による交通事故件数63件73件78件

(引用:産経ニュース|認知症交通事故、過去3年間で216件増加傾向 )

この数字の増加で分かるように認知症の人が起こしてしまった交通事故が年々増加しています。大切な家族を認知症のドライバーの運転によって命を奪われたらあなたはどう感じますか?お子さんのいる家庭では他人事ではありません。2016年には80代の男が運転する軽トラックが集団登校の児童の列に突っ込んでしまい7人が死傷するという痛ましい事故が起こっています。登校中の小学生の幼い命が一瞬で奪われたのです。こんな事故はあってはいけませんが認知症の人も意図的に事故を起こそうと思っているのではなく、過失で人を殺めてしまったわけですから被害者側も誰を責めたらいいのか、本当にやりきれない気持ちですよね。事故を起こした加害者側の家族も「あの時、運転を止めていたら……」と自責の念によって苦悩の日々を過ごしています。では、こうした認知症による事故を減らすにはどうしたらよいのでしょうか?

運転免許の認知機能検査について

まず、認知症による事故を減らすには事故の危険性のある認知症の人に運転をさせないことが非常に大切です。認知症の人は「自分は運転できる!」と認識していることが多いので本人の判断に任せてはいけません。周りの人の働きかけや制度で運転を規制する必要があるのです。運転を規制する制度として認知機能検査があります。運転免許証の有効期限の切れる期日内で満75歳以上になったドライバーは運転講習の前に認知機能検査を受けなければなりません。認知機能検査とは記憶力や判断力を測定する検査で、「時間の見当識」「手がかり再生」「時計描画」という3つの検査項目を実施します。この検査で「記憶力と判断力が低下している」との結果であった場合は、臨時適性検査(専門医による診断)を受けなくてはならず、もしくは医師の診断書を提出しなくてはなりません。認知症であると診断された場合は運転免許が取り消されます。

運転免許証は自主返納が可能です

「免許証を持っていると運転がちょっと危ないと思っていても便利なのでつい運転してしまう……」

「ハンドルさばきに自信がなくなったのでもう運転したくない……」

「本人は運転できると思っているけど、事故を起こす前に家族としては運転をやめて欲しい……」

そんな悩みのある人へ。実は運転免許証が返納できることをご存知ですか?運転免許センターや最寄りの警察署で運転免許証の返納手続きが可能です。運転によって事故の危険性が高い場合は自主返納が事故を減らす確実な手段です。「大丈夫だろう……」と運転を続けるのは事故発生が高まる非常に危険な選択ですから、自主返納を真剣に一度考えてみましょう。

運転免許証の返納の方法

  1. 運転免許センターや最寄りの警察署へ本人が運転免許証と印鑑を持参する
  2. 返納手続きを行う(無料)

たったこれだけで簡単に運転免許証の返納手続きができます。事故を起こしてしまって人を傷つけてしまってからでは取り返しがつきません。最悪の場合、死亡事故を起こす可能性もあるのです。早めに返納手続きを進めることで、あなた自身が交通事故を起こす事がなくなりますし、他人にケガをさせることもなくなります。

運転免許証を返納するデメリット

「運転免許証を返納すれば事故を起こさなくてよいけれど、移動の手段がなくなったり、身分証明書がなくなったりして生活が不便になるのはちょっと……。」

そんな心配があるかと思いますが安心して下さい。運転免許証がなくても困らないような制度が整備されていますのでご紹介します。

バスカードなどの公共交通機関の優遇処置

運転免許証を自主返納してしまうと車を運転できなくなってしまうので移動の手段がなくなってしまいます。しかし、自主返納をした人へは自治体が公共交通機関等の優遇処置を行っています。タクシー利用券やコミュニティバス回数券の無料配布などが各自治体で実施されています。それぞれの自治体で内容が異なりますので、気になる人はご自分の住んでいる自治体の役所へ問い合わせてみましょう。

運転経歴証明書の交付

「運転免許を返してしまうと身分証明書がなくなってしまう……」

運転免許証を身分証明書代わりに使っていた人は返納すると困りますよね。そんな時は運転経歴証明書を発行してもらえます。運転経歴証明書は最寄りの警察署で申請ができますので返納時にいっしょに申請すると一度で手続きが済みます。運転経歴証明書は身分証明書として一生有効ですから安心です。

【運転経歴証明書交付に必要なもの】

  • 運転免許証
  • 住民票(本籍が記載されているもの・返納と同日申請ならば不要)
  • 印鑑(認印可)
  • 証明写真(縦3センチ×横2.4センチのもの)
  • 手数料1,000円

まとめ

認知機能検査の重要性と運転免許の自主返納の仕方

  • 認知症でなくても自分の運転に危険性を感じたら自主的に運転免許証を返納する
  • 家族が本人の運転を危険と判断したら事故を起こす前に自主返納を勧める
  • 運転免許センターや最寄りの警察署で簡単に返納は可能
  • 運転免許証に代わる身分証明書として運転経歴証明書の交付が可能
  • 運転免許証の返納後はバスカードなどの公共交通機関の優遇処置を利用する

認知症による交通事故が増えていますので不幸な犠牲者を減らすために、運転に不安があれば自主的に返納をおすすめします。認知症でなくとも高齢になると自分では大丈夫と思っていても実は判断力や認識力が大幅に落ちているために事故の可能性は格段に高くなっているのです。高齢による判断低下に加えて、認知症が重なれば車の運転によってどのようなことが引き起こされるのかは想像ができますよね。人にケガをさせてしまってから後悔をしても遅すぎます。また、認知症の疑いがある家族を持つ人は一日でも早く返納の手続きを進めつつ、車を運転できないような対策をしないといけません。本人は運転能力低下の認識がないので「運転できる」と思ってつい車を運転してしまいます。その結果が悲惨な人身事故です……。認知症が進行していると残念ですが本人にはもう自分で「運転できるかどうか?」の判断ができなくなっているので家族や周りの人が運転を止めなければいけません。車のキーを隠すなどの対策を是非してください。大事なことなので繰り返しになりますが、人を殺めてから運転をやめては遅すぎるのです。

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