リハビリを行う高齢者は増えてきています。いつまでも健康的に長生きできるよう、病気や怪我をしてもすぐに体を動かし、身体機能の回復を目指します。一人では億劫なのでやらなくなってしまうことが多いのですが、理学療法士や作業療法士と一緒に行えば、途中で諦めてしまうことも減ります。
自宅や通いでリハビリをする人もいますし、老健に入所してリハビリに励む人もいます。
老健は入居施設の中でもリハビリに特化している施設ですので、リハビリが終了すれば自宅に帰れます。介護職員も入所者が一日も早く自宅に帰れるよう一生懸命ケアを行います。
しかし、中には心ない行動や発言をする介護職員もいるのです。
意欲的な姿勢に感動!入所者から学ぶ前向きな気持ち

老健は病気や怪我で自宅での生活が一時的に困難になってしまった入所者のリハビリを行い、在宅復帰を目指す施設です。在宅復帰を目標にしているので、最期まで老健にいることはできず大体3か月~半年くらいの入所が目安となります。
介護職員は入浴や食事、移動の介助を行いながら、リハビリのサポートを行うのです。
私が担当していたAさん(男性)は外出先で転倒してしまい右足を骨折し、手術後に入所となりました。「自宅でまた暮らしたい」という意欲がとても強く、リハビリも真面目に取り組みいつも前向きなAさんの右足は日に日に良くなっていました。私もAさんの頑張りを見ていると「少しでも力になりたい」と前向きな気持ちで仕事に取り組めます。
自分のことばかり!楽な業務を求める職員
いよいよAさんの退所日が決まりました。
真面目にリハビリを行った結果、予定よりも早めの退所になりAさん本人も「皆さんのおかげ」と、とても喜んでいました。
私も「よかったですね!」と自分のことのように嬉しいです。Aさんが退所する最後の最後までしっかりケアにあたろうと心に決めていました。私は休憩時間に他の職員にAさんの退院が決まったことを話したのですが、思いもよらない反応でビックリしました。
「あ~、また大変な人が入所してくるのかな~」
「Aさん自立度高くてなんにもしなくよかったからね~」
「何とかもう少し退所を延ばせないのかな?」
と、Aさんの退院を喜ぶ人は一人もいないのです!
利用者に寄り添う職員になると決意
私は自分たちの仕事量や大変さばかりを考えている介護職員の発言に腹が立ちました。どうしてAさんの気持ちになって、一緒に喜べないのだろうと悲しくなりました。
入所者の思いや気持ちに寄り添えるよう、しっかりと交流の機会を持っていくことがプロではないのでしょうか?そして、自分のことと捉えて一緒に喜びや悲しみを共感できる介護士になろうと心に決めた出来事になりました。