おむつ替えに抵抗がある介護者の方も少なくありません。
また、介護者だけでなく、介護されるご本人も同様に抵抗を感じるものです。
両者の負担を少なくするためには、手際よく短い時間で行うことが一番です。
今回は、ご自分で紙パンツを履く方法と、
スムーズに介助者が行うことができるテープタイプの紙パンツの交換方法をご紹介します!
おむつには種類がある
おむつと言っても、「アウター」と「インナー」に分かれます。
アウターは、パンツやおむつのことです。
インナーはそのおむつ等の内側に使用するパッドのことです。
アウターにも種類があり、
通常のパンツと同じように履く形の使い捨てパンツ、通気性抜群のネットパンツ、
テープで止めるタイプの紙パンツ、使い捨ておむつ等があります。
また尿を2~1回程度吸収する物や、5~4回程度吸収する厚型のものもあります。
「パンツタイプ」は、排泄に介助が必要な方や、一人でトイレに行ける方に適しています。
「テープ止めタイプ」は、ベッドで寝て過ごす時間が多い方に適しています。
おむつの選び方としては、
①まず「体型」や「一人で歩けるか」、「座ることができるか」、
また「被介護者の好み」から選びましょう。
②そして、アウターに合ったインナーを選びます。
ご自分で紙パンツを履く方法
①深く座る(被介護者の脚が床にしっかりついていることを確認)
②パンツの前後を確認する(テープが付いている方が後ろ)
③パンツをしっかりと広げる

④足を片方ずつパンツに通し、膝下まで上げる
⑤必要な場合は、パッドをパンツの横漏れ防止ギャザーの機能を活かすため
ギャザーの内側に収まるようにセットする
⑥最後は立ち上がり、パンツを腰までしっかり上げる
おむつ交換の際に用意する物
まず、おむつ交換を行う際に、用意するものがあります。
使い捨て介助用エプロン、使い捨てプラスチックグローブ、清潔な布かティッシュ
陰部洗浄用のお湯と石鹸(石鹸は泡が出てくるタイプが良い)、新しいおむつと尿取りパッド
(引用:介護のチカラ|寝た体制でのオムツ交換の手順)
エプロンやグローブが使い捨ての理由は、汚れた場合次回には使うことができないためです。
衛生面、そして感染予防のためにも、エプロンとグローブは必ず装着しましょう。
オムツ交換の方法
では、座位姿勢でのおむつ交換からご紹介します。
まず、おむつ交換のときに心がけていただきたいのは、必要最低限の露出に控えることです。
短い時間で可能な限り露出を少なくすることで負担が少なく行うことができます。
【座位姿勢でおむつ交換】
①深く座ってもらう
②介護者は膝をつき、被介護者を前に傾ける
③被介護者の両腕を介護者の首に回し、介護者の肩に被介護者の身体を預けるように傾ける
④傾いた方向と反対側のおしりを浮かせ、浮かせた側のズボンとパンツと引き下げる。
反対側も同様に行い、ズボンとパンツを下ろす。④の動作を何度か繰り返し下ろす。
⑤パッドが汚れていればパッドを交換する
【座位姿勢でおむつを履く方法】
①深く座ってもらう
②パンツの前後を確認する(テープが付いている方が後ろ)
③パンツをしっかりと広げる
④足を片方ずつパンツに通し、膝下まで上げる
⑤必要な場合は、パッドをパンツの横漏れ防止ギャザーの機能を活かすため
ギャザーの内側に収まるようにセットする
(引用:大人おむつ交換の仕方②パッド交換の仕方)
座位姿勢での介助は、ご自分でパンツを履く手順⑤まで同様です。
⑥最後にパンツを腰まで引き上げる際に、向かい合って介助者の首に両腕を回してもらい、
しっかりつかまってもらう。介助者はパンツを腰までしっかりと上げる
その際に、つかまり立ちが安定している方は、ベッドの柵や手すりなどにつかまっていただき、
介助者が紙パンツを引き上げると良いです。
また、向かい合う方法だけでなく、介助者が後ろに立って行う方法もあります。
【寝た状態でパンツを交換する方法(テープタイプ)】
最初に排尿・排便の有無を確認しますが、確認することはそれだけではありません。
寝た状態でのオムツ交換の方は、体位変換が難しい方や、オムツで蒸れる場合があります。
そのため排尿・排便の有無の確認に合わせ、皮膚の状態の確認を行いましょう。
また、長時間おむつを交換しなかったり、装着時にしわが出来てしまうと
褥瘡の原因にもなるので気をつけましょう。
①肌の露出時間を短くするため、あらかじめパンツに尿取りパッドを装着する
②タオルを使用し、羞恥心に配慮する
またタオルをかけ露出を少なくすることで、急激な温度変化の予防にもなります。
(引用:紙おむつの交換【ニチイ学館】介護職員初任者研修講座実技編)
③テープをはずし、あおむけの状態で陰部を清浄する
④手を胸元で組み、膝を立てて身体をコンパクトにし、
肩と膝に手を当て横を向いてもらう
⑤でん部を清掃し、汚れたパッドを拭き取る
⑥手前側のおむつを身体の下に丸める
⑦新しいおむつを当てる。ウエストのくびれの上まで覆うようにする。
余った部分をお尻の下に入れる。
おむつの前の部分を、足の間に挟む。
⑧反対側を向いてもらい、汚れたおむつを取る
⑨新しいおむつをお尻に当て、仰向けになってもらう
⑩おむつの前の部分を半分に折り、左右に振る
きれいに鼠径部に添い、尿漏れを防ぐことができる
⑪テープをつける
下のテープはやや上向きに、上のテープは横向きにとめる
(引用:大人用おむつ交換の仕方)
おわりに
おむつ交換は毎日欠かせない介助となります。
手順の流れをつかみ、短い時間で被介助者の気持ちを考え露出を少なくすることで
お互いの負担が少なく、気持ちよく行えますよ!