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施設で働いていると「認知症」って言葉は日常茶飯事に耳にしますよね。でも認知症ってどんな病気?どんな種類があるの?と聞かれると詳しく説明できない時もあるのではないでしょうか?

認知症といっても、実はたくさんの種類があり、かかる割合も様々です。アルツハイマー型認知症やピック病、レビー小体型認知症などは、あなたも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

しかし、これら以外にも認知症を引き起こす病気はたくさんあります。それぞれの種類によって症状や関わり方も様々ですので、特徴を詳しく知ることで、普段の認知症ケアに生かせることが多くなります。そこで今回は、認知症の種類について症状についてお伝えしていきます。

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認知症って何なの?病気の名前じゃなかった!

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「認知症」っていうけど、認知症って何?と、聞かれるとなんだか説明が難しい!

あなたもそう感じたことはないですか?認知症なの?アルツハイマー病なの?それとも別の疾患なの?そのように一度は疑問に感じたことがあるでしょう。まずは「認知症」を「病気の名前」と考えずに「病気の症状」と考えてみましょう。

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例えばあなたに「腹痛」の症状があった時、その「腹痛」の原因となる疾患は何なのか調べますよね?「虫垂炎」や「胃潰瘍」、「食中毒」、もしかしたら「便秘」かもしれません。このように「腹痛」を引き起こす疾患の種類はたくさんあります。同じように「認知症」という症状があり、その「認知症」を引き起こす疾患は「アルツハイマー型認知症」や「レビー小体型認知症」など考えられる疾患がたくさんあるということです。

 

認知症にはどのような種類があるの?

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それでは認知症にはどのような種類があるのか詳しくみていきましょう。

アルツハイマー型認知症

認知症のなかで最も多い疾患です。物忘れなどの記憶障害や判断力の低下、場所や時間がわからないなどの見当識の低下などが主な症状です。男性より女性に多くの割合でみられます。

脳血管性認知症

アルツハイマー型認知症の次に多い疾患です。脳出血や脳梗塞など脳血管障害をおこしたあとに認知症症状が現れます。感情失禁といって、すぐに泣いたり怒ったり感情のコントロールが難しくなります。また出来る時と出来ない時に差があるのも脳血管性認知症の特徴です。女性より男性に多くの割合でみられます。

レビー小体型認知症

レビー小体型認知症の一番の特徴は初期の段階で、物忘れなどの記憶障害より見えないものが見えるなど幻視とよばれる症状がみられることです。「テーブルや壁に虫がいる」「部屋の中を知らない子供が走り回っている」などと訴えることがあります。

またレビー小体型認知症では、手足が震える、すくみ足、体がこわばるなどのパーキンソン病のような症状がみられます。女性より男性に多くの割合でみられ、女性の2倍といわれています。

前頭側頭葉型認知症(ピック病)

初期から人格の変化や行動の異常がみられます。欲求を抑えることができず、万引きをする、赤信号を無視するなど反社会的な行動がみられ、前頭側頭葉型認知症に気づくことがあります。また同じものを食べ続けたり、毎日同じ時間に必ず散歩に出かけたりなど、同じ行動を繰り返す症状もみられます。男女差はあまりみられません。

アルコール性認知症

アルコールをたくさん飲み続けることにより、栄養障害や脳血管障害などを引き起こし、認知症症状をひきおこします。高齢者だけでなく若い人にみられることもあります。症状は物忘れなどの記憶障害や場所や時間がわからなくなるなどの見当識障害がみられます。

正常圧水頭症

治る認知症といわれている認知症の一つです。脳脊髄液とよばれるものが頭の中に異常に貯まることで、脳を圧迫し認知症症状を引き起こします。正常圧水頭症には歩行障害、認知症(集中力や意欲の低下、物忘れ)、尿失禁の3つの特徴があります。頭の中に貯まった脳脊髄液を別の場所に流す手術を行うことで、症状の改善が図れます。

まとめ

さて、今回は認知症の種類や特徴についてお伝えしましたがいかがでしょう。認知症といっても、種類や現れる症状も様々ですよね。今回お伝えした原因疾患以外にも、たくさんの種類の原因疾患がまだまだありますが、今回紹介した種類の原因疾患が認知症のほとんどの割合を占めます。みられる症状によって対応方法も様々ですので、認知症の原因疾患を知ることで一人ひとりにあったケアを行うことができますね。

認知症の人だからと皆同じケアを行うのでなく、「この人の原因となる疾患はなんだろう?」ともう一度カルテ等を確認してみてください。日々のケアで困っていることの何かヒントが見つかるかもしれません。

認知症の人、一人ひとりにあったケアをするために

  • 認知症は病気の名前ではなく症状名である
  • 認知症の症状を引き起こす疾患は何種類もある
  • アルツハイマー型認知症は認知症の半数以上を占める
  • アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭葉型認知症で認知症の約9割を占めている
  • アルツハイマー型認知症の主な特徴は記憶障害や判断力の低下、見当識障害である
  • 脳血管性認知症は脳血管障害の後におこる疾患である
  • レビー小体型認知症では幻視がみられる
  • 前頭側頭葉型認知症では初期から人格の変化や行動の異常がみられる
  • 正常圧水頭症は治る認知症の一つである

割合的にはアルツハイマー型認知症が多いですが、特徴を知っておくことで、その他の疾患の認知症の人と関わる時にも適切なケアが出来るでしょう。これらのことを日々のケアに活かし、一人でも多くの認知症の人を笑顔に出来るように頑張ってくださいね。

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