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認知症のケアの中でも、深夜帯での徘徊行動とっても大変ですよね。深夜帯の仕事がとっても嫌になってしまいがちです。

しかし、ちょっとした対策を行うことで、あなたの負担が少なくすることができ、認知症の人が徘徊する頻度がかなり減少します。

そこで今回は、私の施設で行っている認知症による深夜の徘徊対策をお伝えします。

 

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徘徊行動のメカニズム

迷う認知症の人が、徘徊の行動をなぜするのかを知る事で、対応方法が変化してきます。施設利用の人は「認知症」と病名を受けており、認知症が原因で様々な行動に発展します。

まずは徘徊行動の原因をさがしてみます。

行動は言葉なき訴え

認知症を簡単に説明しますと、脳の破壊によって、記憶力・判断力・実行力が低下するのが認知症です。認知症の病気によってさまざまな症状があらわれてきます。

その一つに「徘徊」があります。言葉としては徘徊ですが、利用者様からしたら徘徊ではなく、知らないところから知っている家などに帰ろうとする行動が、いわゆる徘徊なのです。

そして、はじめは家に帰ろうと思って歩き始めたが、途中でその目的も忘れそのまま歩いて行き、歩いているうちに、「ここはどこだろう」と迷子になった事にも気づかずに歩き続けてしまう。徘徊の途中に声をかけられ、家に帰るのを阻止されると、認知症における特有の拒否反応がおこってしまい対処のしようがなくなってしまいます。

 

徘徊撲滅のために

安眠

私の施設では数人夜間に寝ることなく徘徊をされる認知症の人が数人います。そのうちの一人を例にして成功した対応策を教えます。

徘徊の原因を求めて

  • 利用者Aさん
  • 90歳 女性
  • 独歩は可能だが夜間は精神科の安定剤を飲んでおられ少しふらつきあり。
  • 寝つきを良くする薬が夕食後、寝る前にあり。
  • 夜23時位から行動される事が多い
  • 就寝時間夜20時頃(食後2時間後程度)
  • 日中にも食事をしていない、お金をとられた等の問題行動あり。
  • 下剤等は特に服用なし。ほぼ毎朝便あり。
  • 元気な時には特に趣味なし。おだてられるとすぐに調子に乗り気分が良くなる。
  • 他の利用者様の介助をするとすぐにやきもちをやく傾向あり。
  • 朝食後には椅子の上で寝られる。ベットに上がると起こしてと叫ばれる。
  • 夕食後にはしばらく寝られるが3時間位すると起きられ不穏状態に。
  • 興味のあるDVDあり。

夜間に寝れない理由を考えてみた

朝食後におなかが満たされ朝の時間に寝ることが多かったAさん。夜間には寝られても数時間後には起きてこられ、「何も食べていない」「お金をとられた」等の訴えと共に、時々近くにある物を音を立て揺すり怒りを表すことがあり、対策すらも見いだせない憂鬱な事情から、やっと落ち着いて寝てくれたと思い、あまり起こす事はしませんでした。

あなたは睡眠がしっかりととれた後に、さらに睡眠ができますか。なかなか寝るのが好きな人でも毎日は難しいのではないでしょうか。疲れている時なんかは、とっても良く寝ることができますよね。

認知症の利用者さんも同じで、徘徊の原因は日中に十分な睡眠がとれていたために、安定剤を飲んでも寝つきが良くなかったのです。

しっかりとした睡眠をとるために

夜間に目覚めないための対策は、しっかりとした睡眠が重要です。夜間に目が覚めた時にここはどこだろうと、不安になる第一歩は目覚める事です。

夜間に熟睡するためには、日中にほどよい疲れがなければ熟睡することは難しいです。運動を行うことによって夜間寝れらるようになる良いこともありますが、体を動かすことは他にも良い影響があるので徘徊の対策としての目的とするのではなく、一日の過ごし方の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。

運動といっても運動会のようなことをしなくても、廊下や外を短時間散歩する、ボール投げをする、体操をする等の軽めの運動で十分効果があります。

運動を導入した結果

利用者A様の朝食後の睡眠時間を少し短くしていただき、ボール投げ、ラジオ体操等を行い、相手の出来ないときには好きなDVD等を見ていただく事で日中の睡眠時間を減らす事ができました。見事に夜間あまり起きることなく休まれています。

それでもダメな場合にそなえて

さらに予備の対策として、夜間帯玄関等から出た事が分かるように玄関を開けると音がなる対策、少し高いですがコール連動のセンサーや頓服の安定剤等の準備を行う、一緒に仕事に同行していただき見守りをする、等の対策をおこなっています。

仕事に同行できるのは、運動によっての疲れで寝られる利用者さんが増えたため、不穏な状態の利用者様が減ったためです。

 

まとめ

気持ちの持ち方で対策が変化する

私の施設では、A様の成功例をもとに、他の利用者様にも同じように日中に疲れてもらうことで、夜間はしっかりと休んでもらい、徘徊が夜間帯に怒ることが減少しました。日中は見守りのできる範囲内で徘徊をしていただき、そのまま運動と考える発想の転換を介護者がすることも大切です

あなたも深夜が安心して働けるように、利用者様の日中の運動をリハビリも兼ねて是非試してみてください。

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