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認知症の利用者様とかかわる中で不穏時の対処は、とっても大変ですよね。介護をしている時に、突如不穏な状態になり意味も分からず怒っている姿。それにひるむこともなく相手を思いやり介護をしているあなた。それでも時に不穏な利用者様の対応に困ってしまう事もしばしばあり大変ですよね。

利用者様の中には、いつも笑っている人、普通の人、世話のかかる人、色々な利用者様がおられます。楽しい介護もたくさん沢山ありますが、不穏状態のケースも沢山あります。利用者様、介護者共に楽しい時間を共に過ごす事が理想的です。だからこそ、認知症利用者様が不穏状態になった時の対処法を、1つでも多く知り心得ておけば、適切な対処が必ずできます。そこで今回は、食事前の不穏行動の原因と対処、どのように行うのかお伝えします。

どうして不穏になってしまうのかその原因を探る

不穏の原因を探ることは、とっても大変な事です。認知症の人は脳の破壊によって出てくる症状を中核症状といい、中核症状を知る事で不穏の原因を知る近道となります。

認知症の中核症状

  • 記憶障害
  • 見当識障害
  • 理解力・判断力の障害
  • 実行機能の障害
  • 失語失認障害

これらが脳の破壊によっておこる症状です。
中核症状を原因として気持ちのズレがおこります。そのズレとは「物がなくなった、確かここに置いたはずなのにない。他の誰かがとったのではないか」と考えてしまいます。記憶の障害によって、物がなくなってもないのに、物がなくなったと思い込み、気持ちにズレがおこり介護拒否や暴力、暴言等が起こることをBPSDと言います。さらに認知症の人に「なくなってないよ」等の声掛けをすると「本当になくなったのに、あの人はウソをついている。」となり苛立ちが隠せなくなります。そのズレと混乱を探ることで認知症の人が不穏になった時の原因と対処法が見つかります。ここで、事例を紹介します。

利用者A様の簡易紹介事例を通して考えてみる。

利用者A様を通して不穏の原因を探してみます。

  • 89歳
  • 要介護4
  • 歩行不可 立位可能 移動は車椅子
  • 食事自立 はし、スプーン使用
  • 麻痺なし
  • 食事形態 主食 粥 副食 刻み
  • 下剤3日に1回あり(下剤処方日)
  • 性格は普段は穏やかだが、夕方になると不穏な状態になる事多々あり。外出、家族の面会時には帰宅要求等あり。

夕食前にこの利用者様が不穏になりました。なぜ不穏になったかと考えた時に、夕方になると家に帰ろうと習慣ついているのが人間の習慣です。そこで、家に帰ろうと脳で考えるのです。その時にここは家ではない、早く帰らなければと思うこと、けれどここは家ではない。と考えた時にズレが起こり混乱をしBPSDが発生していきます。これが不穏の原因の一つです。利用者A様が不穏になった原因は複数想像できます。

下剤を飲んでいるのでおなかの状態が良くない事や、毎日の食事の中で姿勢が悪いことや周辺の利用者様と仲が悪く不穏な状態に陥っている。等様々な原因が想像されます。すぐには解決が難しいかもできませんが、不穏な状態の部分だけに注目するのではなく、原因を考えることで対処法を知ることができます。何日も何日も原因を探るのに時間がかかる場合もあります。しっかりお互いが信頼感を持ってかかわる事で必ず対処法は見つかります。

成功例の具体的な紹介~成功すると楽しくなってくる~

原因を探して一つでも対処法がわかると、楽しくなって原因を探してみたくなるものです。

不穏時の対処法を見直すきっかけ

利用者A様のある日の夕食前。いつもおやつ後に離床しているA様は寝たいと言われます。不思議に思いましたが夕食直前まで寝てもらいました。食事時間もせまってきているので離床しました。するとA様は夕食を食べたくないと不穏状態になりました。その場は仕方なく過ごし他の利用者様の介助があり離れました。A様のところに戻ってみましたが全く夕食を食べようとしません。離床時には気づきませんでしたが、便のにおいがしました。ベットに戻り便の処理をするとA様の機嫌がなおりました。そして夕食を食べ始めました。

考えられる原因の記録で解決した!

夕食前に不穏になっておられ、その原因は便によって機嫌が悪くなっていたのではないか。と記録をつけました。原因が下剤によって不穏になっていたのではとたどり着きました。その後も何度か不穏な時があり都度記録を、「不穏状態あり。」という漠然とした記録ではなく、なぜ不穏になったのかと考えられる原因を追加して「不穏状態あり。14時に下剤あり。」等の考えられる記録をとるようにしました。

何度か繰り返すうちに下剤処置の日には夕方に不穏になっている事がわかってきました。下剤の効果の出てくる時間を数回記録し、それを元に逆算して、食事時間に下剤の効果が出にくいようにして、食事を気持ちよく食べていただけるような工夫をする事ができ、A様も食事前に不穏が出ることが少なくなりました。他にも「食べたくない」と言われた時には、「わかりました。」と同調して少し時間をおいて再び誘うことで解決したことや口腔ケアをしっかりと行うことで解決したこともあります。

まとめ

気持ちよく食事をしていただくために

認知症の人が不穏になるととっても大変です。認知症の事をしっかり理解し原因を考え対処法を見つけ出していく。それには不穏の原因はその場の事だけにあるのではないので、きちんと記録をし、日々の些細な変化をしっかりと観察することが大切です。食事の事もしっかりと記録をすることで、日々の変化がわかり食事を食べてもらえない原因がわかります。利用者様により良い食事や生活をおくってもらえるよう、参考にしてみてください。

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