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認知症で急に不穏になった時、どう対応するか悩みますよね。暴力行為は介護側の精神的ダメージも大きいだけでなく、利用者さんの不安な気持ちの現れでもあるので、まわりの環境、体調など注意が必要になってきます。

対応ひとつ違うだけで、利用者さんの表情は変わります。スタッフの違いで不穏にならないためにどう対応すればいいのでしょうか。また、不穏と落ち着いた状態の違いを実際の経験を元にお伝えします。

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スタッフによって利用者さんの違う表情に着目

驚いた表情の男性

A氏 76歳 女性 要介護5 老人性認知症

A氏は話せますが、ときどき理解することが難しい状態です。四肢に麻痺があり終日ベッド上か、リクライニング車椅子上での生活でADL(日常生活動作)はほぼ全介助です。デイケアに週3回通い入浴、排せつ、食事などを行っています。A氏はスタッフBが入浴介助のときに大粒の涙を流して泣いてしまうことや、「あっちいけ」と大声で叫ぶことがよくありました。

入浴後は「楽しかった」とA氏は満足げでした。他スタッフと話をする時は、笑いすぎて涙を出したり、歌を歌ったりしていました。なぜ、こうもスタッフが違うとA氏は悲しい表情で、一方では笑顔が絶えないのか、スタッフの対応に着目しました。

スタッフBが入浴介助をするときは声かけは最小限で、麻痺し拘縮している箇所を洗身するのに精いっぱいな様子。A氏が泣いてしまうので気持ちに余裕もなく、スタッフB自身の表情も強ばった表情でした。A氏は余計に四肢に力が入り洗身もスムーズにできていなかったのです。

先輩スタッフが入浴介助をするときは、介助する前の声かけの段階でその日の食事の話や季節の話です。その話を延長しながらスッと入浴介助を始めていました。また、拘縮している箇所を洗身するときの話は面白い内容でA氏は大爆笑。もちろん先輩スタッフも一緒に笑って和んだ雰囲気で行っていたのです。A氏の気持ちも穏やかな状態だったので四肢の力も緩み洗身はスムーズに行えて、入浴後は「楽しかった」とA氏は満足げでした。

スタッフの表情や声かけで利用者さんの反応は変わる

暗い景色

スタッフBが介助するとき、A氏は関節を洗身するときに痛くて泣いていました。また、声かけが少なく、スタッフ自身の表情も暗いとA氏は不安になり痛いことをされるという気持ちが強くなっていたようです。

先輩スタッフが介助するときは、介助前の段階から楽しい雰囲気でが作られていました。また、関節の洗身するときには痛みよりも笑いの感情が優位で、痛いことを感じさせない介助だったのです。スタッフの表情も会話に合わせた表情で笑顔が多いためA氏は安心していたのでしょう。

会話の内容もA氏の若いころの話や好きなお花の話など、A氏が楽しいと思える会話になっていました。A氏の背景や好きなこと、生活環境など情報を知っているとどんな話が好きなのか見えてきます。

拘縮している箇所を洗身するので特に優しく皮膚を傷つけないように介助をするのは大前提ですが、楽しい雰囲気を作ることでA氏は笑顔になり四肢の緊張もなく痛みを感じない入浴介助をすることができました。

不安を取り除き、楽しい環境へ

明るい景色

  • 声かけは介助の前から笑顔で行う
  • 不安な思いを感じさせない声かけをする
  • 利用者さんの好きなことや興味のある話題で不安を取り除く
  • 不安を安心へ変える

利用者さんが何が不安なのか考え、その不安材料を取り除くことで不穏な状態から穏やかな状態に変わります。不安を感じさせずに、楽しいと感じることで笑顔がうまれてきます。

スタッフの対応ひとつで笑顔になるか、不穏状態で泣いてしまうのか、まったく違う表情になります。利用者さんの情報をたくさん得ることで笑顔になるきっかけをもつことができます。楽しい雰囲気で笑顔のある介護の現場になりますように。

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