拘縮のある人を介護するのはとっても大変ですよね。拘縮があることによって、服の更衣や移乗、排泄交換にいたるまで、日常の生活介助を行うことに困っていませんか。
医学的に拘縮の原因には細かな種類がありますが、介護士にはわからないと感じますよね。今回は医学の視点ではなく介護士の視点で拘縮の種類と対応方法をお伝えします。
拘縮の原因は普段の生活の中にある

介護をするなかで、拘縮(こうしゅく)で困ることがあります。拘縮の出来る部位は数種類にもなります。生活のちょっとした運動で、拘縮を防ぐことができます。
拘縮は何気ないことで予防する
拘縮とは皮膚や筋肉の動きが悪くなることで、関節等の可動域が減少します。動きの悪くなる拘縮の原因として、麻痺や筋肉を動かさないことや病気による拘縮もあります。関節の可動域の減少によって、日常生活動作(ADL)の低下が余儀なくされます。ADLの低下によって、介護することが増えて介護士の負担増につながります。
筋肉や皮膚に日頃から負担をかけることで、ある程度予防ができます。負担といっても過激な運動を行うのではなく、普段の介護の中で少し意識をするだけの負担でも、かなり拘縮の予防の効果が期待できます。
拘縮のおそろしさ
麻痺のある人は拘縮になりやすく、拘縮が原因で褥瘡(じょくそう:皮膚の壊死)にまで発展することがあります。
例えば、手指の拘縮によって手が握った状態で日々を過ごすと、拘縮した手指によって手の中が圧迫され続けます。圧迫によって皮膚の壊死がおこり、褥瘡に進展します。足の拘縮によって、移乗が困難になることもあります。肘や肩などが拘縮することで食事はおろか、入浴や着替えにまで影響します。
病的な拘縮を除き、普段介助している中で拘縮の予防につながることは多数あります。一例として、ベッドから車椅子に移乗するときにベッドの端に座ることを数分行うことで、座る姿勢を維持するために筋肉や皮膚が働きます。その為筋肉や皮膚が稼働している状態を保つことができます。
拘縮予防は日々の生活の中で

拘縮がある人には、まず医師の診断を受けて治療を始めることが大切です。それよりも介護する人に大事なのは、拘縮は日常的に体を動かさないことで筋肉などの動きが悪くなるのが原因です。
普段の生活の中で何気ない動作を少しずつ続けることが、拘縮の予防にとっても大事です。拘縮になると利用者さんの日々の生活に支障をきたし、介護するひとも大変です。毎日少しずつ筋肉を稼働させ、拘縮を作らないことは、日々の生活を支える介護する人にしかできないことです。