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女性として妊娠は幸せなことですが、仕事の続け方やその先を考えると不安になりますよね。妊娠によって体調が優れない日もあるでしょう。

私自身、最初の妊娠は介護職として働いていました。職場にも恵まれ、無事に出産し、産休や育休を経て職場復帰。現在は管理職として高齢者施設で働き、子供4人の母です。この記事では経験をもとに妊娠と仕事の両立について解説します。

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介護職の人が妊娠発覚後に取るべき2つの行動

妊娠は病気ではありませんが、人によって体調も異なります。妊娠がわかった後の行動は以下のことがあげられます。

1.上司に報告・相談

できるだけ早く上司に妊娠を報告し、今後の働き方を相談しましょう。同僚などに伝えたい気持ちもわかりますが、第一に上司です。「噂話で上司の耳に入った」などはよい印象を与えません。早く伝える理由は、何かあってからでは遅いからです。

妊娠初期10週頃までは流産の危険性が高いと言われています。介護職は、移乗や入浴介助など身体的な負担の大きい仕事が多々あります。激しい運動などは控える時期でもあるため、十分な注意が必要です。

また妊娠中期など安定期に入ったからと言って妊娠前と全く同じ働き方は身体に負担がかかります。上司と相談し、どの業務が可能なのか、反対に行っている業務で難しいものは何かを明確にしましょう。

2.体調管理

自分一人の身体ではないため、体調管理に気をつける必要があります。妊娠中は初期、中期、後期によって体調や体型の変化が著しくなります。

妊娠初期のつわりは個人差が大きいです。私はつわりが全くなかったため、食事の配膳や下膳、食事介助の業務に対して問題はありませんでした。しかし私が介護主任をしていたとき、つわりがひどく、配膳車の匂いだけで調子が悪くなった後輩もいました。

仕事は誰でも変わることができます。しかしお腹の中の赤ちゃんを守ってあげられるのはお母さん一人です。体調が悪い上に無理をすると、さらに体調が悪化する場合があります。体調が優れない間は休みをもらうなど、上司と早めに相談しましょう。

口頭でのお願いが心苦しい場合、「母性健康管理指導事項連絡カード」があります。これは医師より働く上で注意点などを記入してもらうカードです。書面に残っていたほうが職場として配慮しやすいことも多いため、母性健康管理指導事項連絡カードを利用しましょう。

妊娠中でも工夫次第で働き続けられる

体調に問題がなく、介護職として働きたい、続けたいという気持ちがあれば両立は可能です。一方で職場ごとに業務内容が異なるため、一概には言えないところもあります。しかし福祉施設は女性の多い職場です。自分に合った働き方を上司と相談し、見つけることが長く続けられる秘訣です。

例えば、私は最初の妊娠時、特別養護老人ホームで働いていました。夜勤は月3~4回ありました。夜勤は介護職4人で特養入所者80名とショートスティ利用者20名の介護業務にあたります。少ない人数で介護しているため、夜勤は身体的な負担が大きかったです。そのため、妊娠中は夜勤が免除され、代替えとして月1回の宿直業務がありました。

代替えの宿直業務

業務内容
18:00~21:00 電話当番・事務所待機
21:00~(おおよそ30分程度) 全館施錠
終了後~翌朝7:30 業務終了・宿直室待機
7:30 全館開錠
~8:30 電話当番

その他の業務内容の変更点

妊娠前 業務内容
早出、遅出のローテーション勤務 日常生活全般の介護

食事、排泄、入浴介助など全ての業務を行う

妊娠後 業務内容
日勤帯のみの勤務 軽度利用者のトイレ誘導、洗濯物の片づけ、シーツ交換、居室清掃、食事やおやつ介助

上記の業務は私が妊娠中に行っていたものになります。注意すべき点は、妊娠したからこの業務だけと決めつけるような働き方だけは避けましょう。介護は一人ではできません。

それぞれ協力し合って行うものです。妊娠してできない部分は誰かが補ってくれています。人間関係を円滑にしていくためには、協力してくれる仲間がいることに感謝して、今、できることをやりましょう。

今後の仕事内容を考えて出産後の計画を立てる

妊娠中は体調をみながら無理せず働くことが第一です。しかし、出産後は自分だけの考えて働くことが難しくなります。体調によっていつまで働けるのか、復帰の時期についても考える必要があります。

利用できる制度

出産が近づくと、産休・育休制度が利用できます。

保障内容
産前産後休暇

(産休)

出産予定日の6週間前と出産翌日から8週間の期間

出産手当金として、給料の2/3が支給

育児休暇

(育休)

産休が終わった翌日から子供の1歳の誕生日前日までの期間

ただし、事情によっては最長で2歳の誕生日前日まで延長可能

育児休業給付金は180日までは給料の67%、それ以降は50%が支給

一定期間加入していると雇用保険から各種手当が支払われます。また社会保険の加入状況によって産休や育児休暇中は健康保険や厚生年金など社会保険料の支払いが免除されるなどの優遇があるので職場で確認しましょう。

頭を悩ます子供の預け先

保育園は、入所申し込み期間が決まっていますため、在住する市区町村の窓口で確認しましょう。自分の都合だけで入園できるわけではありません。産休、育休を利用して職場復帰する場合、入園したい時期によっても入所条件が異なります。

また保育園の立地場所、保育時間なども把握しておかないと、いざ入園は決まったが送り迎えに時間がかかり、勤務時間に間に合わないなどは本末転倒です。自宅近くの保育園が良いのか、職場の近くが良いのか、協力してくれる家族が通える範囲など家族と相談して選びましょう。

最近では託児施設などを併設している職場も増えています。だからといって24時間体制で託児施設がやっているわけではありません。夜勤や早朝などの勤務時の子供の預け先、体調不良時の対応は家族と十分に相談する必要があります。

安心して職場復帰をするには

早めに計画を立てて職場復帰について上司に意向を伝えましょう。例えば夜勤などの勤務が難しい場合、産休・育休明けでの職場復帰に合わせて部署の異動など介護職を続けられる方法を相談することが可能です。いざ育休明け職場復帰になってからできない業務を伝えても職場は困ります。行き当たりばったりでは職場としても配慮が難しいです。

私自身、保育園が休みであっても主人や両親から土日祝日の協力は可能でした。しかしそれぞれ仕事があるため、月3~4回の夜勤時に子供をみることは難しい現状がありました。私は介護支援専門員の資格を持っていたため、上司から提案があり、特別養護老人ホームの介護支援専門員として日勤帯だけの業務へ異動しました。

仕事を両立させるための5つの秘訣

妊娠後の体調は個人差があるので絶対に両立できるとは断言できませんが、基本的には両立できます。そのためには以下のことに気をつけましょう。

  • 妊娠後は早めに上司(職場)へ報告と相談
  • 自分自身でできる体調管理
  • 仕事に対して最後まで責任を持つ
  • 周りへの感謝
  • 出産後の計画を立てる

妊娠中は気持ちが不安定になりがちで仕事を最後まで続けられるのか不安になることもあるでしょう。一方で妊娠したことによって気づくこともたくさんあります。自分にしかできないことをみつけて、介護職として自信を持って働けるとよいですね。

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