介護施設で職員が利用者に対してタメ口で話しているのを目にしたことはありませんか?
普通、会社ではお客様に対してタメ口を使うなんてことはありませんから、年上の利用者に対してタメ口を使う光景は「それ大丈夫なの?」と感じる人もいるはずです。
なぜタメ口を使うことが許されるのでしょうか、その理由をお伝えします。
タメ口を使う理由

より親密な仲になるため
職員と利用者は時として家族よりも濃密な時間を過ごすことになります。
最初、信頼関係が築けるまでは敬語を使うことが望ましいと考えられますが、ある程度まで信頼関係を築いた後、さらに仲を深めるためにあえてタメ口を使うことがあります。
敬語を使い続けていると利用者に対していつまでも一線引いているような印象を与えてしまうからです。
しかし、これはタメ口を使っても違和感がない程度の人間関係を築いた後の展開なので、新人で入ってきた職員がいきなり利用者に対してタメ口を使うのは間違いです。
分かりやすく伝えるため
短い言葉で分かりやすく伝えるためにタメ口を使用することがあります。高齢者の中には耳が遠い人がたくさんいます。
そういった人に「まだお食事食べられそうですか?」と聞くと「え?」と聞き返されることがよくあります。
しかし、「まだ食べれる?」と聞くと「もうええ」「うん、食べる」とスムーズに会話を行うことができます。
常にタメ口というわけではなく、必要に応じてタメ口を使うことでより円滑なコミュニケーションをとるようにしているという人もいます。
礼儀を踏まえた上でのタメ口

介護職はタメ口を使っていても、言葉遣いや態度で礼儀を示すこと、そしてタメ口を意識して使うということを忘れてはなりません。
介護する側と介護される側には上下関係はなく、対等な関係であるというのが介護の考え方です。
しかし、常識として年上の人には敬意を示すべきですし、それは円滑な人間関係を築く上で必要なことです。
また介護職としてタメ口は何らかの目的があって意識して使うものであるべきです。無意識にタメ口になるのは望ましいことではありません。仲を深めたいからタメ口を使っているのと、慣れて雑になってきたからタメ口を使っているのでは相手に対する態度も、敬意も違います。
介護職ではタメ口を使うことがありますが、それは目的を持ち、時と場合を考えた上でのことです。しかし、もしも自分の家族がタメ口を使われていて不快だと感じる場合には職員に伝えて改善してもらうようにしましょう。
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