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介護士としての辛さを相談したい気持ちの一方で、仕事を教えてくれる周囲に辛さを相談してよいのか不安になりますよね。しかし不安な気持ちを隠すことは自信喪失につながってしまいます。また周囲に相談することで前向きに仕事に取り組める場合があります。

私自身、介護士として辛いこともたくさんありました。辛いことを乗り越えた先にはそれ以上の喜びがあります。経験をもとに辛さの乗り越え方について説明していきます。

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新人介護士としての仕事の辛さ

1.覚えることが多すぎて辛い

覚えることが多く、気持ちばかりが焦り、頭や身体がついていけなかったことが辛かったです。業務内容の他、利用者の顔と名前、身体や認知症の状況など、次から次へ覚えなければ仕事にならないことばかり。利用者の状況は日々変化するため、覚えたと思ってもすぐに変更が必要な場合があります。

今のことだけを覚えるだけでも精いっぱい。「みんなに頼られるようになりたい」「笑顔を届けたい」と思って介護の職種に就いたが、実際は業務に追われてヘトヘトの毎日に辛く、ウンザリすることばかりでした。

2.体力的に辛く、身体が休まらない

最初のうちは、ローテーション勤務に身体が慣れず、休んでも休んだ気がしませんでした。早番、日勤、遅番、夜勤はそれぞれの時間帯で責任をもって業務にあたります。夜勤は夕方から始まるため、それまで身体を休んだほうがよいと頭では思っていても業務に慣れない緊張から休めないなど体力的に辛かったです。

3.自分で勝手に人と比べて落ち込む

業務中、自分ができていないことばかりが気になり、あの人と比べてできないと一人で勝手に落ち込んで辛い思いをすることが多々ありました。人と比べても仕方ないことは理解していても、心がついていかなかったです。

例えば、私がAさんに入浴の声掛けをしても断られた。しかしBさんが誘いに行ったら笑顔で浴室に来てくれた。そのような話を聞くと「やっぱり私の誘い方が悪かった」と落ち込みました。

人は人、自分は自分。できることを増やしていくしかないのですが、できるようになったことよりできなかったことに落ち込むことが多かったです。

働いていた施設での取り組み

メンター制度

私が働いていた特別養護老人ホームでは、中堅職員によってメンタリングが行われ、メンター制度が導入されていました。自分一人で悩んでいても仕方がないことはわかっていても、多くの人が周囲に相談する一歩が踏み出せないことがほとんどです。

メンタリングとは、人材育成や指導方法の一つです。メンターは指導者、新人介護士はメンティーと呼ばれます。メンターはメンティーと定期的に面談します。ここでは知識や技術の指導ではなく、メンティーの中にある答えや考え方を引き出すことが目的です。

メンターにいきなり「介護士の仕事が辛い」「仕事が大変」とはなかなか言い出せませんでした。しかし悩んでいることは少しずつ伝えるように心がけました。メンターである先輩は、なかなか覚えられないと相談したことに対して、決して早く覚えるようにとは言いません。特に名前が覚えられないと言ったことに対して、「毎日のかかわりから自然に覚えていけばよい」と言われ、心が軽くなったことは今でもよく覚えています。

なんでも自然が一番だと感じました。事故が起こらないように確認することは大切です。ただテスト勉強のように名前を覚えても名前は呼べますが、その人ことは何もわかりません。それより毎日かかわっていく中でその人を理解して名前を覚えていくことに意味があることに先輩の言葉で気づきました。

業務を通じて自分を振り返る

自分の業務を振り返り、なんでこの時間にこの業務が必要なのかの意味が理解できると、自然に次の行動ができるようになります。覚えようと思って必死に業務をこなしていたときは業務に追われる毎日と世界が変わりました。

先輩から教えてもらうことや指導も大切です。そしてメンター制度によってメンタリングが行われることにより、自分自身で何をやらなければならないのかの意味や優先順位を考えることができるようになったことは大きな収穫でした。

新人介護士として辛い時の乗り越え方

1.周囲に相談する

辛いと声をあげることが一番です。子どもではないため、ただ闇雲に「仕事が大変だ」「覚えられない」「身体が辛い」と羅列すればよいものではありません。「何が辛いことなのか」、「何を大変だと感じているのか」を信頼できる上司や先輩に相談しましょう。

最初から何でもできる人はいません。できないからこそできるようになりたいと思い、悩みや不安が生まれると感じます。悩みや不安は言葉や行動に現れます。自分はがんばっているつもりでも空回りし、失敗してしまう恐れもあるでしょう。また失敗を悩み、それがさらなる失敗につながることがあります。

誰でも周囲によく思われたいので、辛いと言いにくいこともあります。なかなか業務が覚えられなくて足手まといと感じることもあるでしょう。しかし業務に関しては時間が解決してくれます。業務の意味を考えて、ていねいに取り組むことで乗り越えていくしかありません。私自身はメンター制度によってメンターである先輩に悩みを打ち明け、自分自身で辛さが解決できたことに感謝しています。

2.自分にがんばっているご褒美をあげる

がんばっている自分を褒めて、ご褒美をあげましょう。辛さは肉体的にも精神的にもダメージを与えます。趣味を楽しむ、おいしいものを食べる、カラオケでストレス発散などなんでもよいのです。仕事のことを一時的にでも忘れて、リラックスできる時間を持つとよいでしょう。

心のリフレッシュは次への活力となります。新たな気持ちで業務に迎えるように自分を大切にしましょう。

3.自分を認める

自分ができないと不安になるかもしれませんが、がんばっている自分を認めてあげましょう。できないことが多くても手を抜いているわけではありませんよね。自分を振り返り、できるようになった自分を認めることは自信にもつながります。

一度にたくさんのことができるようになりたいと思うかもしれませんが、なかなかうまくいかないことも多いでしょう。最初はできないことが多くて当たり前。一つずつできるようになることは大切なことです。

介護の職場に限らず、どのような職種であっても新人は、それぞれ辛い経験をして今があります。また介護士としてよいことばかりではありません。3Kと言われる現状もあります。一方で辛い経験がある分、仕事の楽しさや達成感が味わえると感じています。

私自身、辛いこともたくさんありましたが、介護士として人の温かさや人生の重みを知ることができました。今が一番辛いかもしれませんが、辛さの中に自分だけの喜びをみつけて、次につなげてほしいと願っています。

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