介護職の仕事は世間的にみると「きつい仕事」として、メディアやネットで取り上げられる事が多いですよね。今後ますます介護職員不足が懸念されている中、「介護=きつい仕事」と取り上げられてしまうと、介護職を目指す人材は減少していく一方となってしまうでしょう。
きついイメージが先行している介護業界ですが、本当にきついだけの仕事なのでしょうか?やりがいを感じる事や、楽しいと思えるような事はたくさんあります。しかし、なかなか充実感のある仕事としてイメージがしにくい業界になっているのが現状です。
介護の仕事のやりがいとはいったいどんなことなのか、きつい仕事内容と言われてしまう理由とはなんなのかを、今回はお伝えしていきます。
目次
きついと言われる業務とは?

まずはどうしてこんなにもきつい仕事だと言われてしまうのでしょうか?
介護の仕事は介護保険サービスを利用する高齢者の生活支援や身体介護を行うのですが、きついと言われやすいのが「身体介護」となっています。身体介護の中でも「排泄介助」と「入浴介助」は、介護業務の中でも身体的にも精神的にもきつく感じる業務内容となっています。
排泄介助は排尿や排便を促したり、トイレに自力で座れない人を抱えたり、支えたりしながらトイレに座ってもらいます。さらにはトイレで出来ない寝たきりの人や、認知症で尿意や便意を感じる事が出来ない人のオムツ交換を行う事も業務内容の一つです。新人として働く介護職員は、排泄介助を乗り越えられるかどうかで介護職を続けていくかどうかが決まるといっても過言ではありません。
次は入浴介助になりますが、自力で浴槽に入れる人達であれば、浴室の見守りや手の届かない部分の一部介助を行うだけで問題ありません。しかし自力で動く事が出来ない人には介護職員が移乗の介助を行う為に体を持ち上げるような動作が必要となり、介護職員の体に負担が掛かるのです。
施設によっては機械浴で対応する人が一日何十人といる所もありますので、抱える作業を1日中繰り返し行う事もあります。抱える、持ち上げるといった介助はきついと感じる業務の一つとなっていて、繰り返し行う事で腰を悪くする介護職員も多くいますのでコルセットを着用する等の予防もしっかり行いましょう。
きついだけでは続かない、続けられる人には理由がある

きついと言われる業務は「排泄介助」と「入浴介助」の2つです。確かにきつい仕事だと思いますが、きつい業務内容ばかりが介護の仕事ではありません。冒頭の繰り返しになりますが、介護の仕事はどうしてもきつい部分ばかりが取り上げられてしまいますが、やりがいもたくさんあります!
やりがいがあるからこそ何年、何十年と介護の仕事を続けている人がいますし、楽しいと感じる仕事だからずっと介護を職業として選ぶ人がいるのです。やりがいとして感じられる内容をいくつか挙げてみましょう。
1.元気になる姿を見て、自分も前向きな気持ちになれる
寝たきりだった利用者が、介護を受けながら頑張ってリハビリを行い少しずつ身体機能が向上する姿をみると、心から「よかった」と自分の事のようにうれしくなります。一緒の時間を過ごしている施設の利用者が、少しずつ元気になっていく姿は本当にやりがいを感じますよね。「自分ももっと頑張らなければ」と、前向きな気持ちを与えてくれる事にとても魅力を感じます。
2.感謝の言葉は悩みを吹き飛ばしてくれる魔法の言葉
利用者が喜ぶ為に色々とレクレーションや行事等を計画し、終わった後の「とても楽しかったよ。ありがとう。」という言葉を聞くと、真剣に考えて本当によかったと思えます。
「ありがとう。」これだけで介護職員は救われるのです。「対応が間違っていたかな?」「怒らせてしまったのではないか?」「やっぱり違う方法で行うべきだった」等、介護職員は日々悩みながら仕事をしています。
しかし「ありがとう」はそんな思いを全て吹き飛ばしてくれますし、「また明日から頑張らないと!」と言う気持ちを与えてくれる魔法の言葉なのです。
3.人生の先輩は色んな事を知っている
人生の大先輩と過ごし、色々な知識や経験を聞く事が出来ますし、何気ない会話から深みのある教えを頂けることもあります。
70年前や80年前に起きた出来事や、時代の移り変わりについて等、色々な知識を受け取る事が出来るのです。若い頃から知識を受け取る事が出来れば、同世代の人に比べてより精神的にも成長出来るでしょう。
まとめ
真剣に仕事と向き合う事が絶対条件
今回は介護職のやりがいについてお伝えしてきましたがいかがでしたでしょうか?
どんな仕事も大変で、楽な仕事はありません。どんな職業でも当てはまる事ですが、もしも今勤めている職業が「楽だなぁ」と感じているのなら、「仕事と真剣に向き合っていないのかもしれない」と自分を見つめ直してみましょう。
やりがいを感じる為に必要なのは、
- 手を抜かない
- ズルをしない
- 利用者と向き合う
- 本気で取り組む
以上の点になります。
どんな仕事でも要領よく、手を抜いて行えば楽をする事は出来ますが、手を抜いて働いている人にはやりがいを感じる事は出来ません。やりがいを感じられるのは真剣に与えられた仕事と向き合う事が絶対条件なのです。
介護の仕事はきついだけではなく、色んなやりがいを感じる事が出来ます。人生の先輩からたくさんの事を学び、たくさんの出会いがあり、たくさん成長をさせてもらえる素晴らしい職業なのです。