介護職は魅力がいっぱいです。介護が必要な人と介護を行う人。相手のことを考えて何ができるのかを考えることにやりがいがあります。介護職は、人とのつながりが強く、自分のことを必要としてくれる人がいるなんて幸せなことですよね。
介護の仕事を始めようとしたきっかけ
介護の仕事を始めるきっかけは人それぞれです。福祉を学ぶ学生さんの中には、家族の介護体験、中学高校でのボランティアを通じて興味を持った、福祉の職場は安定しているなど理由はさまざまでしょう。
仕事も同じです。短大や大学、専門学校を志したように福祉に対する思いがきっかけになります。私が働いている職場は、山間の小さな村の中にあります。福祉の学校を卒業して就職している人は少ないです。年配職員は、「子育てに手が空いたなら手を貸してほしいと声をかけられて介護の仕事を始めた」なんて人もいます。近所のおばちゃんが始めた介護ですが、今では全員が介護福祉士のプロ集団です。
経験からするときっかけは何でも大丈夫。人とかかわることが好き、「ありがとう」という言葉がうれしい、安定している職業、年齢関係なく長く勤めることができるなど理由はなんでも良いのです。福祉に縁があったことが大切です。
私が介護の仕事が好きな理由
介護は単なる日常生活の世話ではありません。現在の介護は、その人らしく生活するために、できないことを支えることです。できないことは、勝手に人が決めるものではありません。その人の身体状況も含め、生活全体をアセスメントし、何が必要かを見つけて支援をしていきます。
私が介護の仕事が好きな理由は、利用者にとって一番の介護は何かを見つけることです。困りごとは目に見えるもの、言葉にできるものばかりではありません。目で見て言葉として耳で聞いた困りごと以外の必要なモノを見つける、見つけたことに対して支援を行い、その人らしい生活ができるなんてワクワクしませんか?
介護は、人相手の仕事です。いつも成功して正しいことができるわけではありません。見つけた困りごとを解決しても更なる困りごとが見つかり、悩むことだってあります。それでもまた、次の困りごとを解決していくために利用者と一緒に考えていく。日々の繰り返しの中で、その人らしい生活を支え、信頼関係を築いていけることは、介護の醍醐味です。
介護職の魅力とやりがい
介護の仕事は、世間では3K(きつい、汚い、危険)といわれる時代もありました。今でも3Kの仕事だと思っている人もいるでしょう。それは、衣食住の介護に目を向け過ぎた結果ではないでしょうか。
例えば、体調が悪く、トイレに行けなくなった利用者がいると仮定します。当然、トイレに行けないので1日数回オムツ交換を行って清潔を保つでしょう。
その利用者が元気になって立てるようになったらどうしますか?
介護職としてどこまで元気になって、何ができるようになったのか探します。闇雲に立てるからトイレでは危険です。トイレを使用する前にベッドの横にポータブルトイレを用意してトイレに行く練習が必要かもしれません。トイレに行きたいという希望があれば、トイレまで行けるように立つ、歩く練習をするでしょう。トイレで排泄したいという目標に向かってできることがたくさんあり、一緒に考えていけますよね。
すべてうまくいくことばかりではないです。利用者全員が自立に向かっていくわけでもありません。利用者の頑張りたい気持ちや介護職である私たちの手伝いがあってもできないことだってたくさんあります。誰にだって寿命はあるため、今日、一緒に笑い合った利用者が明日、人生を終えることも不思議ではありません。介護職は、先に進んだり、戻ったりしながら考えていける仕事であり、魅力ややりがいであると私は感じています。
自分の価値観や考え方
人相手が得意な人もいれば、人相手が苦手な人もいるでしょう。人相手が苦手だから介護職が向いていないともいえません。人相手が苦手だからこそ、利用者の気持ちがわかることだってあるからです。介護が必要になった利用者の全員が人と接することが好きな人ばかりではありません。介護は人を選びません。人と接することが苦手だが、人の手を借りないと生活できない人だっています。だから価値観や考え方はいろいろあって良いです。誰にでも慈悲深く、仏様のような存在の介護職なんていないので安心してください。
日本のことわざ「喉元過ぎれば熱さを忘れる」というように、人は慣れや時間の経過により辛かった経験や苦しかったことも忘れてしまいます。いつまでも辛いままでは何も解決しないため、自然なことです。できなかったことが経験によってできるようになります。できなかったことは記憶の片隅に残るだけでしょう。
介護職としては、できなかったことを忘れずにいることが大切です。誰もが最初からできるわけではないことを経験から伝えていくことが人を育てることにつながります。
福祉に縁があって勉強している学生さん、介護職を目指してがんばってくださいね。きっとあなたの思いが伝わり、輝ける未来が待っています。
働きやすい職場環境選びがあなたを輝かせる
あなたはなぜ介護の仕事を続けているのでしょうか?
日頃から考えることが多すぎていつの間にか忘れてしまっている介護の現場で働く理由。母が祖母の介護を大変そうにしているのを見て介護職を志した人や、障害者の方が当たり前の日常を送れない現実を知って、当時の自分では何も力になれないもどかしさから介護の仕事を志した人もいるでしょう。
現在、あなたが介護の仕事を行っているのは、「人の力になりたい!」と強く思ったからではないのでしょうか?
3K(きつい、汚い、危険)と言われていることを知った上で働き続けているあなたは高齢化社会である日本の誇りです。
介護業界の主役は現場で働くあなた自身です。
あなたをキッカケに、「介護の仕事って楽しいんだよ」「介護ってかっこいいんだよ」と思ってもらえる仲間が増えることを祈っています。
まずはあなた自身が輝ける場所に行きましょう。
世の中は、熱い想いを持って介護の仕事に取り組むあなたのような人材を求めています。