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どんな仕事も覚えるまでにはそれなりの時間がかかり、その間は周りにも色々と迷惑をかけてしまうものです。特に介護の場合は人間相手の仕事になるので、利用者さんの体調や訴えることなどをコントロールすることはできないので、ケース・バイ・ケースの対応が必要です。そのため覚えることも多岐にわたります。

とはいえ、できる限り周りに迷惑をかけずに要領よく仕事をしたいものです。そのために介護技術の向上は役に立ちますが、それだけに着眼してしまうのも良くありません。

この記事では、要領よく無駄なく動けるためのポイント3つや、介護技術の向上についてお伝えします。

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ポイント1:流れを自分でつくりだす

介護は人間相手の仕事とはいえ、業務が集中しやすい時間帯というものがあります。例えば食事前の離床や食後の口腔ケア、そしてトイレ介助などです。手を抜くことはできないので介助量を減らすことはできませんが、「流れ(順番)」を自分でつくることで効率よく介助することができます。

口腔ケアやトイレ介助、着床介助などにかかる時間は、利用者さん一人ひとり違います。麻痺や拘縮があるとか、立ち上がりができる・できないなどは人それぞれです。誰にどのぐらい時間がかかるのか、先にして欲しい人とそうではない人がいるのかなどが大体把握できてきたら、自分なりに、スムーズに介助できる順番を決めましょう。

自分の手が空いている時間がないように組み立てるのです。

ポイント2:スタッフの特性を理解する

介護の仕事はチームケアです。介護職員だけではなく、看護職員やその他の職種も一緒になってケアにあたります。つまりチームが協力体制をとることができないと、一人ひとりが無駄なく動くことができません。また技術の向上という点でも、一人が向上してもチーム力は上がっていきません。

チームが協力体制をとるためには、それぞれが気持ちよく働けることが重要です。一人ひとり性格も性質も違うので、組んでいるメンバーによって力を入れる場面も違ってきます。利用者さんのケアだけに力を入れたいところですが、残念ながら今の介護現場ではそうはいきません。一緒に働くスタッフのことも考えて、皆が働きやすいように取り組みましょう。

ポイント3:自立支援を行う

行き過ぎた介護は自分達の首を絞めることになります。介護保険の神髄は、自立支援を行うことです。自立支援、つまり自分でできることを増やしていくケアを行わなければ、介助量が増大し、要領よく動くことも難しくなります。人手も、いくらあっても足りません。

今までの生活習慣で培った生活動作を取り入れた介護手法を行うことによって、自立支援は可能です。いくら最新の介護技術だからといって、今まで全くしてこなかった体の動きを強いてしまうと、自立支援にはなりません。

例えば、ボディメカニクスを活かした臥床からの端座位介助で

「脚をベッド脇に降ろしながら弧を描くように起き上がり介助する」

という手法があります。確かに、介助者は楽です。しかし弧を描くように頭(上半身)をグイッと回される利用者さんの身になってみてください。起立性低血圧がある方なら、貧血症状を引き起こす可能性が高くなります。

起き上がったり立ち上がったりする時には、人間が自然に行ってきた最も効率的な方法があるのです。それを介助するのが「自立支援」です。この手法を身に着けることは、個々のスタッフの介護力の向上に役立ちます。

介護技術の向上とは何か

介護技術の向上とは、単に排泄ケアや更衣介助が素早くできることや、入浴ケアで沢山の利用者さんを介助することができること、ではありません。そこには必ず「利用者さん」がいます。相手の体調、精神状態、身体状況を考慮したらスピードで済まされる問題ではありません。

「同じサービス内容だとしても、利用者さん一人ひとりに合った方法でケアを提供できるようになること」が介護技術の向上です。単に、上手にケアを行って時間短縮を図ることではありません。

身に着けるためには

  • 一人ひとりの利用者さんの生活のしづらさを心配する
  • 解決するために皆で考える
  • 考えたことを実践する
  • 実践したことを振り返り、反省を反映させてまた実践する

いわゆるPDCAというサイクルを繰り返し行うことです。最後まで見放さずに、責任をもって一人ひとりの利用者さんと向き合うのです。

介護技術を向上させるために必要なこと

要領よく介護の仕事を行うためには、利用者さんの状態をよく理解し、スムーズにケアが行えるように自分で順番などを組み立てる必要があります。

チームケアで行いますから、一緒に働くスタッフの特性を理解し、気持ちよく働ける職場づくりに貢献することで、チームとしての介護技術を向上させることができます。

要介護状態だからとはいえ、自分のことが自分でできる可能性が残っている方はたくさんいます。「時間がない」とか「面倒だ」という理由で何もかも介助してしまうと、それだけ介助量が必要になりますから要領よい介護が難しくなります。自立支援を行いましょう。

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マイナビ介護職

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