歩く距離が多ければ多いほど、靴はとても大事な役割を果たします。なぜなら、靴によって疲れ具合が全然違うからです。しかも介護の仕事の場合、車いすやストレッチャーなど足の上に乗ってしまうと怪我をする器具に囲まれた仕事なので、靴の形にも注意を払う必要があります。
また、選んだ方が良い靴があるのと同時に、選んではいけないNGの靴もあります。特に未経験で介護業界に転職した場合、施設によってはNGの靴を選んでしまうと怒られることも。でもそのぐらい、介護職として働く時の靴選びは、非常に重要なのです。
この記事では、
- 介護職員として働く時の靴選びは、どのようにしたらよいのか。
- 現場の介護職員は、いつもどのようなショップ(サイト)で靴を購入しているのか
- 介護経験20年以上のスタッフが履いているお勧めの靴とは何か
このようなことをお伝えします。
目次
介護職員の靴選びで一番大切なことと、NGな靴
最初に意識しておきたいのは、どんな仕事であれ、自分が“履きやすい”と思える靴を選ぶことです。例え他の人は履きにくいと思っても、足の形や歩き方は人それぞれ。「自分にとって履きやすい靴」を選びましょう。
逆に、介護職員として選ばない方が良い代表的な靴として、サンダルがあります。サンダルは脱ぎ履きしやすく軽いため、好んで履いているスタッフが多い介護施設も出てきています。ただ、介護動作は危険と隣合わせです。もしも、ベッドから車いすへ移乗している最中にサンダルが脱げてしまった場合、踏ん張り切れずに職員が滑ってしまえば、介助されている利用者さんにも危険が及びます。
また紐付きはしっかりと履けて良いのですが、介護現場では車いすや歩行器、杖など福祉用具を用いている人も多くいますから、紐が引っかかってしまうこともあります。そのため紐付きはあまりお勧めしません。
履きやすい靴を選べばよいことが分かりました。ではその中でもどんな作りや素材、形状が良いのかなどのポイントを、これからお伝えします。
介護職員の靴選び、5つのポイントを意識して
介護職員として働くのであれば、最低でも5つのポイントを意識して選ぶことができます。
ポイント1.今までの経験から履いても疲れないメーカーで選ぶ
靴のメーカーはたくさんあります。あなたも今まで、いくつものメーカーの靴を履いてきたのではないでしょうか。その中で、自分が「疲れにくい」「歩きなれている」メーカーがあるはずです。まず、そのメーカーのスニーカーを手に取って履いてみましょう。
介護職員はたくさん歩きます。以前、万歩計をつけてみたスタッフがいるのですが、多い時で一日12,000歩も歩いていました。しかも、しゃがんだり立ったりの動きが複雑です。ですから長時間履いても、たくさん歩いても疲れない、日頃から慣れている造りの靴を選びましょう。
ポイント2.軽ければ軽いほど良く、やわらかい靴
介護職員の動きは複雑です。ベッドから車いすへの移乗、排泄ケアなどでの居室周りやトイレ・ポータブルトイレへの移乗、入浴介助の方の誘導、食事準備や誘導・片付け、ごみ捨てなど多彩です。
ですから、靴の重さは軽ければ軽いほど良いでしょう。ただ、造りが手抜きで軽いのはダメです。造りはしっかりしていながらも軽いシューズを選びましょう。立ったり座ったりする動作も多いので、靴にもかなりの負担がかかります。そのため、素材も造りもやわらかい靴を選ぶようにします。
ポイント3.底面が滑らないことが重要
洗面台での口腔ケアや、居室周りで使用する物品の洗いもの、またお風呂場への脱衣室など、介護職位が水回りで動くことはたくさんあります。そのため、そこ面が滑らない靴を選ぶことが大事です。
介護施設での転倒による骨折事故。こう聞くと「利用者さん」の事故かと思いがちですが、床で滑ったことによって転び骨折する事故の場合、圧倒的にスタッフの割合が多いという特徴があります。利用者さんの安全も第一ですが、自分自身の身を守るためにも滑らない靴を選びましょう。
ポイント4.歩いたときに音がしない靴
例えば夜勤時の巡視は、夜中、まったく音がしない中で行われます。ですから歩く際にペタペタとかバタバタと音がする靴を履いていると、利用者さんの安眠を妨げてしまいます。
さらに利用者さんのところへ面会に来てくれるご家族など、面会者は結構、音が気になります。自分の家族が静かな環境の中で過ごせているかどうかというのは、家族にとって大事な着眼点です。
ポイント5.汚れたら洗える靴を選ぶ
利用者さんは、施設から外へ出たがります。庭の花を見たい、外の空気を吸いたい、タバコを吸いたいなど理由はそれぞれです。この時、介護職員も付き添うことがありますが、都度、外履きに履き替えることはあまりしません。また食事介助中に食事を靴に落としてしまったり、トイレ介助中に汚れてしまったりと、介護職員の靴はなにかと汚れやすいといえます。
ですから靴を選ぶ際、汚れたら洗うことができ、しかも乾きやすい靴を選んでおくと便利です。また介護の仕事は清潔感が大切です。利用者さん目線からもそうですが、面会者や外来者などから見ても靴が汚れているのはあまり良くありません。清潔感と言えば「白」が思い浮かびますが、色はあまりこだわらなくても良いでしょう。ただ、事業所によっては「白が基本」という施設もあるので、確認した方が良いでしょう。
現場の介護職員はどんなショップで靴を購入しているの?
地域性もありますが、今はインターネットで注文する介護職員が増えています。介護職員が履く靴は負荷もかかるため、交換する頻度も高くなります。中には、1年に1回換えている人も。そのため、少しでも安く買うためにはインターネットは便利なのです。
しかし本当は、実際に履いてみないと自分に合うかどうか分かりません。ですから、最初は地域のショップで購入することをお勧めします。ただ、買ってみたけれど合わなかった、という失敗を無くすため、事業所の先輩が履いている靴を履かせてみてもらってから選ぶことができるでしょう。
介護現場で長く働いていると、靴選びにも「流行」があるのですが、あえて挙げるのだとしたら次のサイトで購入している人をよく見かけます。
ナース用品の通販「ナースリーオンラインショップ」
メッシュ素材の「定番2Wayデイリーシューズ」は軽量で人気No.1です。医療現場で絶大の人気を誇る「ナースリー」の通販サイトです。冊子版もあります。
シューズワン楽天市場店

引用:https://item.rakuten.co.jp/nws/hlc0030/
介護に携わる現場スタッフの声が参考にされている靴を販売しています。
看護師のための通販サイト「アンファミエ」

引用:http://www.lemoir.com/nurse/disp/CSfGoodsPage_001.jsp?GOODS_NO=304961&scd=001007&dispNo=001001003003
ナースリーと同様、医療現場で働く看護師向けのサイトです。
看護師のサイトが多いのは、介護よりも看護の方が歴史が深いのと、看護師も歩くことが非常に多いため機能的に特化した靴が販売されているからです。
介護歴20年以上の腰痛持ちスタッフも履いているお勧めの靴
腰痛や膝痛がある人は、痛みがない人以上に履物に気を配る必要があります。そのスタッフがお勧めする靴は、次のとおりです。
衝撃を吸収して弾むように歩ける「エアーシューズ」(ナースリー 通販サイト)
靴の底面にエアーが入ったエアーシューズ一覧はこちらは、歩く時の衝撃を吸収し、まさに弾むように歩くような感覚です。私たちは、歩くたびに足底から自分の体重に応じた衝撃を受けていて、それにより膝や腰が痛くなる人も。その衝撃を吸収してくれるため、長時間履いていても疲れにくく、軽いのでとても歩きやすいシューズです。
かかとを踏むも良し、しっかり履くも良し!2wayで使える「アキレス ヘルシーライフ」(楽天市場 シューズワン)

引用:https://item.rakuten.co.jp/nws/hlc0030/
介護の仕事では、靴を脱がなければならない場面もたくさんあります。すぐに脱ぐことが分かっているのだとしたら、かかとを踏んだままの方が時間短縮になることも。通常の業務の時にはしっかりとかかとを入れることができる2wayタイプは、重宝する介護職員も大勢います。
介護職員として働くなら靴選びは重要
長時間歩き、複雑な動きをする介護職員は、靴を慎重に選びます。いくつかのポイントを考慮しながら、自分に一番合った靴を選ぶことで疲れ具合が全然違うからです。
介護職員が疲れてしまうと、介護を受ける利用者さん側にもデメリットになります。また靴によっては、腰痛や膝痛などを発症、悪化させてしまうこともあるのです。ただ、「サンダルはダメ」とか「白色じゃなきゃいけない」など事業所によって決められたルールもありますので、購入する前に確認しておくとよいでしょう。
働きやすい職場環境選びがあなたを輝かせる
あなたはなぜ介護の仕事を続けているのでしょうか?
日頃から考えることが多すぎていつの間にか忘れてしまっている介護の現場で働く理由。母が祖母の介護を大変そうにしているのを見て介護職を志した人や、障害者の方が当たり前の日常を送れない現実を知って、当時の自分では何も力になれないもどかしさから介護の仕事を志した人もいるでしょう。
現在、あなたが介護の仕事を行っているのは、「人の力になりたい!」と強く思ったからではないのでしょうか?
3K(きつい、汚い、危険)と言われていることを知った上で働き続けているあなたは高齢化社会である日本の誇りです。
介護業界の主役は現場で働くあなた自身です。
あなたをキッカケに、「介護の仕事って楽しいんだよ」「介護ってかっこいいんだよ」と思ってもらえる仲間が増えることを祈っています。
まずはあなた自身が輝ける場所に行きましょう。
世の中は、熱い想いを持って介護の仕事に取り組むあなたのような人材を求めています。