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介護を提供しようと思っても身体状況がわからないと困りますよね。必要な介助を見つけるために、私たちはアセスメントを行います。しかし、アセスメント様式は種類も多く、どのように行うのか迷うのは当たり前。それでは、介護を行うにあたってなぜアセスメントが必要なのか、アセスメントをすることによって利用者さんの生活がどのように変わっていくのかについて考えていきましょう。

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介護職員のアセスメント

アセスメントの考え方

アセスメントは一般的に介護支援専門員の仕事と思われがちですが、介護支援専門員だけに限定する仕事ではありません。利用者さんの困っていることを見つけ、分析し、知り得た情報の中から困りごとを解決していくのが介護の仕事です。見た目の困りごとだけでなく、身体状況や精神状態から手伝いが必要なことを見つけるためにアセスメントを行っています。

事業所によってアセスメントから得る情報が異なると利用者さんの困りごとが見えなくなってしまいます。そのため、厚生労働省では、アセスメントで最低限確認する内容を「課題分析標準項目」として23項目あげています。アセスメントは、「課題分析標準項目」の23項目が基本となり、事業所独自のものを加えながら利用者理解に努めている場合もあります。

「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」

介護への活用の仕方

アセスメントを行うことにより利用者の困りごとを知ることができます。困りごとを知った上でその人がどのような介助を受けると本人らしい生活を送ることができるのかを考えます。

例えば、昼夜ともにオムツを使用している人について考えてみましょう。

オムツを使用しないことが良い介護ではありません。その人がトイレに行かず、なぜオムツを使用しているのか分析するところから始まります。

身体状況を考えると、立ち上がることができないからトイレに行けないのかもしれません。腎臓や膀胱の病気などによりオムツを使用している可能性だってあります。分析の結果、立ち上がりや座位姿勢に不安があり、トイレに行けないのであれば、困っていることに対してリハビリなど練習により立ち上がりにアプローチしていきます。立ち上がりが安定すれば、トイレ排泄を試してみても良いかもしれません。

また腎臓や膀胱の病気の場合は、生活を支えるために関わっている主治医や看護師にトイレ排泄を目指していることを伝え、障害となっていることに対して医療面からのアプローチができないか相談することもできます。

排泄に関してはオムツ・トイレのどちらかが良い介護ではなく、その人の状況を理解、分析し、その人にとって一番の方法が選択できているかです。

以上のように課題を分析し、解決のために何ができるのかを考えるのが介護の仕事の醍醐味です。毎日同じことが続くわけではありません。今日できたことが明日はできないということもあります。利用者に寄り添って今一番必要なことが何かを考えていきたいですね。

フィジカルアセスメントの必要性

フィジカルアセスメントとは、利用者さんの人なりや置かれている状況把握、診る、触る、聞くなどその人を観察することです。見た目だけでわかることは限られています。食事介助を考えた場合、利用者さんの状態によって異なるため、同じ介護の人はいないでしょう。

見た目や介護保険情報など共通項目だけで判断すると、危険な場合もあります。そこで求められるのがフィジカルアセスメントです。個々の状況を把握し、またその人の個別の様子を知って介護に活かしていくことが大切であり、介護をしていく上で求められます。

生活の中にアセスメントは溢れている

アセスメントは介護に限った特別なことではありません。私たちは言葉に出したり、文字に書いたりしないだけで毎日アセスメントを生活の中で行っています。

例えば、自宅のテレビが壊れてしまいました。どうしますか?

買って新しいテレビであれば、修理を考えます。長年使っていた場合は、買い替える人が多いでしょう。

では、どのようなテレビを買いますか?

リビングで使う場合と寝室で使う場合でも欲しい大きさは異なりますよね。今話題の4Kが良いのか、スポーツ観戦に強いもの、映画に特化したものなど種類も豊富です。一人で考える人もいれば、家族で相談することもあるでしょう。

ここまで考えると何かに似ていませんか?

テレビが壊れたという困りごとに対してどのようなものが良いか分析し、集めた情報の中から自分が欲しいと思うテレビを買って問題を解決しますよね。この過程がアセスメントです。介護というだけで身構えてしまう人がいますが、私たちは生活の中でアセスメントを繰り返し行っていることにつながります。自信を持って利用者さんが何に困っているのかをアセスメントして解決に導きましょう

その人らしさを大切に必要な介護を考える

決められた同じことを繰り返すのではなく、個人にとって必要なことを考えて提供していくのが介護です。十人十色といわれるように、必要な介助は同じ介助であっても10人の利用者さんに対して10通りの方法があります。

声のかけ方、介助を行う向き、補助の仕方などどの介助であってもまったく同じという人はいません。それは人間を介護しているからです。利用者さんが何に困って何を求めているのかのアセスメントを行い、その人らしい生活のお手伝いができる介護職員を目指して頑張りましょう。

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あなたはなぜ介護の仕事を続けているのでしょうか?

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まずはあなた自身が輝ける場所に行きましょう。

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