介護職といっても、どのような施設に属するかによって働き方は大きく変わります。
夜勤はしたくない、休みは固定されている方が良いなど、希望に合わせてどのような施設で仕事をするのか見極めなければなりません。
施設によって夜勤の有無や休日の取り方が違い、勤務形態は様々です。施設ごとの特徴をお伝えします。
特別養護老人ホームでの勤務あるある

①夜勤が辛い
夜勤は慣れるまでは体力的にも精神的にも辛いです。職員が少ない体制になっている夜中にナースコールの嵐はよくある話です。眠気との戦いもあるでしょう。
②複数人を見るので忙しい
基本的に1ユニット(10人程度)を一人で見ることになります。そのため常に同時進行の作業になります。複数のことを同時に行える人向きと言えるでしょう。
③介護技術が上達する
利用者の人数が多いため、一日に一人で何人もの移乗をしたり、おむつ交換をしたりすることになります。自然と介助方法や体の使い方が身に付きます。
④利用者を最後まで見ることができる
入所したら最期の時までそこで過ごす方が多い施設です。信頼関係を築くことができ、貴重な体験やかけがえのない思い出を作ることができるのも特徴です。
⑤介護度が高く体力勝負
病気や障害をお持ちで一人で生活することが困難な人が入所されるので要介護度が高く、寝たきり状態の人もたくさんいます。その分介助が必要となりますので、職員の身体的な負担も多くなります。
デイサービスでの勤務あるある

①日勤帯のみで体力的に楽
デイサービスは日勤帯のみで夜勤がありません。そのため生活リズムを整えやすく、夜勤は体力的に不安のある人でも働きやすい環境です。主婦の人や子供のいる人でも働きやすい施設です。
②常に笑顔、元気いっぱいでいなければならない
デイサービスは通所型の施設なので送迎に出ればご家族やご近所さんに会うかもしれません。そのため、施設の評判というものを気にして、誰に会っても笑顔で明るく対応することが求められます。
③車の運転が緊張する
近年では送迎のみを行う職員を配置する施設も増えてきていますが、介護職員がそのまま送迎に行く施設もまだまだたくさんあります。時には大きな車を運転しなければならないこともあり、たくさんの人の命を預かっているという責任の重さを感じるでしょう。
④コミュニケーション能力が問われる
朝の会やレクリエーションを行うため、場を盛り上げる能力が必要とされます。人前で話すことが嫌いな人や大きな声を出すことが苦手な人は苦戦するでしょう。
⑤自立度が高い
通所で通ってくる利用者なので比較的自立度の高い人が多いです。排泄介助や入浴介助においても自分でできることが多いので、職員の体力的には楽なところがあります。
グループホームでの勤務あるある

①認知症への対応の仕方を学ぶことができる
グループホームに入所するには認知症の症状を持っているということが大前提です。日々認知症の症状と向き合うことになるので、認知症ケアに関心のある人やコミュニケーションスキルを上げたい人には向いているでしょう。
②想像もつかない驚きに出会うことがある
認知症の症状を持っている人というのは、時にびっくりするような行動をとることがあります。ベッドの横の床をトイレだと思ってちゃんとしゃがんで排尿してみたり、家に帰ろうと荷物を全てまとめていたり、毎日いろいろなことが起こります。常に新鮮で学びのある職場です。
③暴言や暴力を受ける
認知症の症状により、暴力や暴言が現れることがあります。介護職にとってはストレスの要因となることなので、この症状と向き合い、冷静に考えられる精神力が求められます。
④ひとりひとりと向き合える
家庭的な雰囲気の中で少人数と向き合うことのできる施設です。しっかりと向き合って、個別的な対応の仕方を柔軟に考え実践することができます。
⑤主婦が活躍できる
仕事内容は掃除、洗濯、調理など、家事がメインとなります。主婦の人は自分の力を十分に活かすことができるでしょう。
夜勤・日勤あるある

夜勤の有無は職場を選ぶうえで大きなポイントになります。それぞれの特徴を見て職場選びの参考にしてください。
夜勤あるある
- 生活リズムが狂う
- 目が冴えて仮眠が眠れない
- 朝方がとても忙しい
- 夜食を食べすぎて太る
- 給料が良い
夜勤は夜は寝て朝は起きるという学生時代から身に付いた生活リズムを崩さなければなりません。そのため、慣れないうちは体調を崩してしまったり、体内時計が狂ったりと、体に支障をきたすことが多いです。しかし夜勤は手当が出るところもありますので給料面ではメリットが多いと言えるでしょう。
日勤あるある
- 規則正しい生活ができる
- 体調管理がしやすい
- 夜勤ありに比べると給料が少ない
- 主婦が多い
日勤帯のメリットはなんといっても規則正しい生活ができるという点です。介護職で日勤帯のみの施設はデイサービスが代表的です。給料は夜勤ありに比べると少なくなりますが主婦や体力的に自身がない人にはおすすめです。
優先順位を明確にして自分に合った働き方を

介護職といっても、どの施設で働くかによって働きやすさは変わってきます。大切なのは何に重きを置くかということです。がっつり稼ぎたいのか、ひとりひとりに向き合った介護がしたいのか、体力的に辛くない方が良いのかなど、人によって何を求めるかは様々です。自分の現状や将来を見据えて、何を優先するべきかを明確にした上で理想の働き方ができる場所を見つけましょう。
働きやすい職場環境選びがあなたを輝かせる
あなたはなぜ介護の仕事を続けているのでしょうか?
日頃から考えることが多すぎていつの間にか忘れてしまっている介護の現場で働く理由。母が祖母の介護を大変そうにしているのを見て介護職を志した人や、障害者の方が当たり前の日常を送れない現実を知って、当時の自分では何も力になれないもどかしさから介護の仕事を志した人もいるでしょう。
現在、あなたが介護の仕事を行っているのは、「人の力になりたい!」と強く思ったからではないのでしょうか?
3K(きつい、汚い、危険)と言われていることを知った上で働き続けているあなたは高齢化社会である日本の誇りです。
介護業界の主役は現場で働くあなた自身です。
あなたをキッカケに、「介護の仕事って楽しいんだよ」「介護ってかっこいいんだよ」と思ってもらえる仲間が増えることを祈っています。
まずはあなた自身が輝ける場所に行きましょう。
世の中は、熱い想いを持って介護の仕事に取り組むあなたのような人材を求めています。