「ヘルパーさん」という言葉はよく聞くようになりましたよね。高齢者の介護を行う介護職員のことを言いますが、介護サービスを利用している利用者の人や、利用者のご家族が介護職員を呼ぶときによく使われる言葉です。なぜヘルパーさんと呼ばれるかというと、以前介護士として働くための資格の中に「ヘルパー1級」や「ヘルパー2級」といった資格があったため、その名残で現在も使われているのです。
今ではヘルパーという資格は「初任者研修」という言葉に変わりましたが、ヘルパー2級は同等資格として扱われています。ヘルパーや初任者研修、実務者研修や介護福祉士と介護の仕事をする上で必要となる資格はたくさんありますが、無資格で働くことはできるのでしょうか?
今回は介護業界における無資格者の実態についてお伝えしていきます。
無資格でも採用!さらに無料で資格取得 ができることも!

介護士として資格なしで働けるのか不安になりますよね。資格を取ってから働きたいが、「資格を取るためのまとまったお金がない」なんて人にとっては無資格から介護の仕事をスタートさせたいと思う人も多いでしょう。ただ実際に介護業界で資格なしで働いている人はいるのでしょうか?実は資格なしでも介護士として働いている人はいますので安心して就職活動をしてください。
また、会社によっては無資格の職員に対して「資格取得サポート制度」を設けており、実際に資格なしの職員へ費用の補助を行っている所もありますし、資格取得のための学習をサポートしてくれる所もあるので仕事を選ぶときは、待遇面をしっかり確認しておくと良いでしょう。転職を機に介護業界で働きたいと希望している人は、ハローワークの求職者支援制度を利用して初任者研修の資格取得が可能になるかもしれません。求職者支援制度を利用できれば受講料無料で資格を取ることができるので、自分が対象となるかどうか確認してみましょう。
ベネッセでは、介護現場で身体介助を伴うサービスを提供していただく方には、全員「介護職員初任者研修」資格を取得いただいています。
無資格で入社された方には、該当資格の取得費用を上限65,000円補助します。
ご希望の方には、資格取得までの期間、清掃・洗濯スタッフとしての勤務が可能です。
待遇は?やっぱり気になる給料面

資格なしで働いているからといって、有資格者と同じ仕事をするわけですから待遇面はどうなっているのでしょうか?福利厚生や休日、有給や残業に関しては資格なしと有資格者の間に差はありません。
差が出る内容とすれば基本給や手当と言った給料面になるでしょう。
無資格者だけでなく、介護福祉士の資格を持っている人と初任者研修の資格しか持っていない場合でももちろん給料面などに差があります。資格なしの職員の給与としては地域差もありますが、資格ごとの平均給与は以下の通りです。
- 介護福祉士 236,000円
- 初任者研修 212,000円
- 資格なし 196,000円
やはり介護福祉士と資格なしでは4万円程度の給料の開きがありますので、資格取得は給料アップの近道になります。介護業界は1年に1度昇給制度を設けている所がほとんどですが、上がり幅としては小さいので資格手当は重要な昇給ポイントになっているのです。また、数年数十年と働いていると主任やリーダー、課長や施設長に昇格できるかもしれません。昇格も給料アップの大事なポイントになるのですが、やはり無資格での昇格は非常に難しいですので働きながら資格取得を目指しましょう。
無資格者は1割程度。働くまでにも時間が掛かる

資格がなくても介護の仕事ができるとお伝えしていますが、採用条件に「資格取得者」となっていて無資格では働けない企業も当然あります。また、求人の募集をかけていて無資格者と有資格者が同じような条件で面接に来た場合は、どうしても有資格者が選ばれることが多いでしょう。
もちろん冒頭でお伝えしたように、資格なしでも働ける施設は探せば見つかります。しかし有資格者と比べれば、どうしても職に就くまでの時間はかかってしまうことが多いのです。また、現在介護施設や事業所などで資格なしで働いている介護職員は1割程度となっていて、資格を持って働いている人が圧倒的に多いのが現在の介護業界となっています。初任者研修や介護福祉士の資格が有名になったとも言えますし、介護士を目指す人が増えて来ていることも言えるでしょう。
まとめ
自分のためにも!資格取得はしておこう
今回は介護業界における無資格者の実態についてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか?資格がなくても働ける施設や事業所はありますし、働きながら資格取得が可能な会社や求職者支援制度で無料で資格が取れるかもしれないので情報収集をしっかり行いましょう。
資格がなくても働ける業界にはなっているのですが、「介護士」として今後も活躍していきたいのであれば、やはりどこかのタイミングで資格取得を目指した方がよいでしょう。転職時などにも心強いですし、とにかく知識が豊富に身に付きます。今後ますます介護職員には質の高いケアを求められる時代になりますので、専門分野をしっかり学習し、知識も経験も兼ね備えた介護士を目指していくことが大切です。