介護の仕事には、終わりがありません。例え誰かが利用しなくなったり退所したりしたとしても、他の利用者さんがいますし新しい利用者さんも入ります。
また介護の仕事には「絶対に正しい介護」がありません。利用者さんは、例え同じ病気であっても一人ひとり違いますし、常に“本当にこの対応で良かったのか”と自問自答を繰り返すものです。そういった意味でも終わりがありません。
疲れてしまうこともあります。でも、介護の仕事をしている人は何かしらの方法で乗り越えているはずです。その方法の一つは、前向きな考え方をすることです。この記事では、介護を前向きに頑張るために役立つブログを5選、お伝えします。
目次
認知症介護に疲れた時に、ぜひ読みたい!

キャスター、レポーター、司会、ナレーション、講演会など話をすることをメインに活動している岩佐まりさんの、若年性アルツハイマー型認知症を発症した実母の介護をつづったオフィシャルブログです。
アルツハイマー型も含め認知症患者は今後も増える一方で、将来的には5人に1人は認知症になると言われています。特に若年性アルツハイマー型の場合、30代や40代の頃から発症する方も多く、気力や体力などがまだまだ元気な状態のため、介護する家族は本当に疲弊してしまうものです。
認知症介護の一番の問題点としては、介護する家族や職員が追い詰められてしまうこと。何をしても良くならない、何をすれば良いのかすら分からないといった堂々巡りに陥り、明日の希望さえみえなくなってしまうことが多いのです。
このブログは、認知症の症状と正面から向き合いながらも、「認知症」という病気ではなく「認知症を患っている一人の人間」に目を向けていくために役立ちます。
大変な在宅介護なのに思わず笑ってしまう素敵なブログ

“山田あしゅら”さんという方が、義父と義母の在宅介護をつづったブログです。このブログの特徴は、親しみやすくて分かりやすい作者オリジナルのイラストがたくさん出てくること。ついスクロールして読んでしまいます。
見た目だけではなく、中身も素晴らしい!「大家族」ともいえる義父・義母・長男・長男の嫁・3人の孫のうち2人という6人家族で暮らしている様子はほほえましいのですが、上手に孫が介護に参加している関係性が、心をあたたかくしてくれます。
在宅介護の大変な点は、交代できる介護者が居ない場合が多いことです。どんなに家族想いの介護者でも、休める時間や他の誰かに頼めることがなければ疲れていきます。その疲れが介護される側に発散されてしまうと、最悪の場合「虐待」ケースにもなり得るのです。これは、介護の仕事をしている人にも当てはまることです。
皆であたたかく見守っていける介護。素晴らしいですね。
「心」に寄り添ってくれる医師の言葉はありがたい!

ブログの作者は、横浜市青葉区にある緑協和病院の成川有一医師です。ただでさえ忙しい医師業務の最中、ブログで認知症の相談を受け付け、真摯に対応してくださる姿勢には本当に感銘を受けます。
このブログの「質問と回答」を見ると、主に在宅介護者ではありますがどれだけ介護に苦しんでいるのかが伝わってきます。これだけ「人権問題」が叫ばれる昨今なのに、まるで「モノ」のように認知症の方を“扱う”病院や介護施設があることに驚きを隠せないと共に「自分達はこうなってはならない」という意志を抱かせてくれます。
「老いる」ということは、少なからず色々なことができなくなっていくことです。それを受け止めながらどうやって前向きに生きていくか、どうやってそれを支援できるのか、成川医師の質問に対する回答から沢山のヒントをもらえます。
介護に大切な「目的」と「手法」を分けて考えさせてくれる

作業療法士として、フリーに活躍されている方のブログです。
PT・OT・STといった国家資格を所有するセラピストは、介護予防を進めるにあたりkeyとなる存在ですが、病院や医療法人・社会福祉法人など組織に所属してしまうと、どうしても本音を隠して組織の方向性に従わざるを得ません。そのため、介護に本当に大切な見方や考え方を介護職員と共有できない場合が多々あります。
このブログではOTである管理人が本音で、多忙な介護現場ではつい見逃しがちな「介護の目的」「リハビリの目的」などを語ってくれています。年齢や経験年数だけで上司になっている介護現場の職長からは、絶対に聞くことのできないポイントを知ることができます。
業界の裏を暴露しながら大事なことを銘記させてくれる

介護福祉士、介護支援専門員として働いてきて、両親の介護のため離職している最中だという「和賀英良」と名乗る方のブログです。
介護福祉士資格は国家資格であり知識も豊富ですが、実際に介護現場で利用者本位の介護ができるかどうかという問題になると、資格だけでは判断できません。その点、介護支援専門員の勉強をすると“これでもかっ!!”というほど利用者本位の考え方を叩き込まれるので、要介護者をみる視点自体が変わってきます。
このブログの作者も、経験からたくさんの苦いことを学んでこられたようです。介護職員や在宅介護の現状と、根本にある問題にも切り込んでいて「そうなんだ!それが言いたいんだ!」ということも綴られています。
苦しんでいるのはあなただけではない
介護の仕事はやりがいがあって楽しいものですが、職場の状況・自分の環境や精神状態・制度など種々の問題から時に辛くなります。
それは決して、あなた一人だけではありません。多くの人が悩み、苦しみ、もがき、時に離れ、時に戻って続けたりしています。乗り越えるために、何かしらのきっかけや力があると助けになるものです。ここに挙げたブログを参考に、自分なりの「前向きになる考え方」を身に着けてみてください。
働きやすい職場環境選びがあなたを輝かせる
あなたはなぜ介護の仕事を続けているのでしょうか?
日頃から考えることが多すぎていつの間にか忘れてしまっている介護の現場で働く理由。母が祖母の介護を大変そうにしているのを見て介護職を志した人や、障害者の方が当たり前の日常を送れない現実を知って、当時の自分では何も力になれないもどかしさから介護の仕事を志した人もいるでしょう。
現在、あなたが介護の仕事を行っているのは、「人の力になりたい!」と強く思ったからではないのでしょうか?
3K(きつい、汚い、危険)と言われていることを知った上で働き続けているあなたは高齢化社会である日本の誇りです。
介護業界の主役は現場で働くあなた自身です。
あなたをキッカケに、「介護の仕事って楽しいんだよ」「介護ってかっこいいんだよ」と思ってもらえる仲間が増えることを祈っています。
まずはあなた自身が輝ける場所に行きましょう。
世の中は、熱い想いを持って介護の仕事に取り組むあなたのような人材を求めています。