Pocket
LINEで送る

高齢者の視界を想像することは、難しいですが、介護には必要なこと。視力の低下は時に事故にも繋がるので、懸案事項ですよね。高齢者の視界、視力回復のための知識を蓄えることもさることながら、体験することもも重要です。

核家族化の時代に生きてきた現代の日本人には、高齢者との生活経験が不足しています。お金はかかるけれど、高齢者の生活を疑似体験するみることで、仕事の質も変わります。事故に対してより敏感になると期待されます。また、高齢者の方も、自身の状況に共感しようとしてくれるあなたの姿勢を嬉しく感じるでしょう。

そこで今回は高齢者の視界を理解した上で介護するための三つの対策をお伝えします。

スポンサーリンク






①視界悪化の症状を知る

autumn-

まず、視界の悪化が具体的な症状としてどのように現れるか見てみましょう。加齢による視界の悪化は誰にとっても不測の事態。 原因として、おもに老人性白内障があげられます。老人性白内障は白内障の一種。加齢にともないだれでも発症する可能性のある病気です。 また、視覚障害ゴーグルで体験できる「白濁」とは老人性白内障のことです。老人性白内障の症状として以下のようなものが挙げられます。

  • 暗いところで見えにくいと感じる
  • 光が眩しく感じる
  • ものが二重に見える

視力の低下にも二種類あります。ひとつは静体視力の低下で、白内障、黄変、視野狭窄、全盲の他、緑内障、加齢性黄斑変性などがあります。

もう一つは動体視力の低下。動体視力は動きを視覚的に認知する能力です。高齢者の交通事故は動体視力の低下が原因として大きいと考えられています

②高齢者の視界を体験する

視覚障害ゴーグルで体験できる症状

  • 白濁
  • 視野狭窄
  • 黄変
  • 全盲

視覚障害ゴーグルは、以上の眼病を疑似体験することができます。白濁とは先ほども申し上げたとおり、老人性白内障のことです。視野狭窄とは、文字通り視界が狭まる事。視野狭窄が原因でつまずいたり、倒れたりしやすくなります。生後すぐは透明であった角膜は加齢により黄色に変色して行きます。これが黄変。黄色のものが見えにくくなる。そのため、黄と黒の注意標識に気づきにくくなります。

全盲、つまり失明は高齢者においては糖尿病を原因とする方が増えています

いずれの病気も介護者が日常的に体験できません。実際にゴーグルを装着した上で普段の生活動作を体験して見ましょう。共感しようと努力するあなたの姿勢に高齢者の方も喜びを感じるでしょう。高齢者の視界を図解しても、具体的に日常生活でどのような支障がでるかは、容易に想像できません。百聞は一見に如かず。視覚障害ゴーグルをつけることで、高齢者の方が遭遇する様々な状況を知る。状況を知ることで、この場合には、このように介護するという見当を普段から立てておくことが可能になります。

③視力低下を予防する

守護神たち

視力の低下は予防できるものです。介護にあたり、次のような方法を試してみましょう。水晶体の白濁は、酸化により起ります。したがって、酸化を防ぐビタミンCやアントシアニンを含んだ食べ物を摂ることが必要です。

具体的には、紫芋、赤ピーマン、黄ピーマン、ゆずなどです。 白濁・黄変・視野狭窄・全盲などは、全て視界が悪化する症状であり、静体視力の低下に位置付けられます。高齢者の方々においては動体視力の低下も重要な問題です。動体視力は動きを視覚的に認識する能力です。動体視力の低下は交通事故にも繋がります。目標を網膜の中心にある黄斑でとらえるために、眼球を動かす運動がおすすめです。以下のサイトで運動の仕方が紹介されています。

動体視力を回復させるためのトレーニング

視力ケアセンターでは動体視力を鍛えるトレーニングを紹介してくれています。

高齢者こそ、動体視力を鍛えることが大切!|視力ケアセンター

例として、次のような運動が紹介されています。

 

親指追いかけ体操

目を動かす筋肉を大きく動かすことで疲れをとる体操です。顔は正面に向けたまま動かさず、親指の爪を見るつもりで、視線だけを送ります。つまり、視力を回復させる目の運動を効果的にするには、視線だけを動かすことです。

親指追いかけ体操1

1.右手か左手の親指を顔の前に出します(30cmほど前)。自分の目の高さで左に50cmほど動かし、顔を動かさず目だけで追います。左隅へ両目を向けたままゆっくり3つ数えます。次に親指を右に動かし、それを目で追います。右隅に目を向け3つ数えます。 各3回

親指追いかけ体操2

2.同様に、目の高さから親指を、上に見えるところまで動かし、目で追います。3つ数えます。 次に、下に見えるところまで動かして目で追います。下に目を向けたまま3つ数えます。 各3回

親指追いかけ体操3

3.同様に、目の高さから親指を、右上に動かし、目で追います。3つ数えます。次に左下に動かし目で追います。左下に目を向けたまま3つ数えます。 各3回

親指追いかけ体操4

4.同様に、目の高さから親指を、左上に動かし、目で追います。3つ数えます。次に右下に動かし目で追います。右下に目を向けたまま3つ数えます。 各3回

まとめ

  • 老人性白内障の症状ー暗いところでものが見えにくいと感じる/光が眩しく感じる/ものが二重を見える
  • 視覚障害ゴーグルでは、白内障・黄変・視野狭窄・全盲の四つの症状を体験できる
  • 静体視力の低下の予防とともに、動体視力の低下の予防も大切
Pocket
LINEで送る