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介護職と腰痛は切り離せないくらい多い悩みです。しかし、ストレッチやエクササイズを取り入れたセルフマネジメントと、環境のアセスメントで腰痛予防を行うことができます。

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努力と評価で腰痛を予防する方法

介護職では、悩まされることの多い腰痛ですが、セルフケアによる努力と評価で腰痛を予防することが出来ます。腰痛とは、神経の圧迫や骨の原因で起きる痛みであるように思いますが、それだけではなく筋肉疲労からくる腰痛もあり、介助方法によって疲労が積み重なり、腰痛になるということは、それだけ腰への負担が多いお仕事だということが分かります。

腰痛になると病院でレントゲンなどを撮ってもらい異常がなければ、筋肉疲労という診断が多く、その場合、湿布の処方だけで様子を見ながら腰痛とお付き合いしていくことになりますが、そうなると日々のお仕事にも支障が出てきます。

そうならないためにも、事前に予防しながら、疲労がたまる前に解消方法を自分で出来るように身に着けておくことが大切です。

介護職の腰痛にはストレッチ

腰痛は、ストレッチをすることで痛みを予防することが出来ます。

家でできる腰のストレッチ方法です。

寝る前にその日の筋肉疲労を解消することで、腰の筋肉を休めることができます。

寝ながら行うストレッチ

  • 全身を上下に伸ばします

仰向けになり、両手を上にあげて全身を気持ちよく上下に伸ばしましょう。

  • 半身をひねり、腰を伸ばします

両手を上にあげて、右足はのばしたまま、左足を曲げて右足の方へたおします。

このとき両肩は床につけたままで行います。反対側も行いましょう。

  • 丸くなり腰を伸ばします。

仰向けになり、片方のひざを両手でかかえて胸のところまで寄せます。

腰が伸びているのを感じましょう。反対側も行います。

  • 腰全体を伸ばします。

片方ずつできたら、両ひざを両手で抱えて胸のところまで寄せます。

  • 両足を開きます

仰向けになり、両ひざをたてて、外側にたおして、足裏を合わせます。

太ももの内側を伸ばす感じで行います。腰が浮かないようにしましょう。

立位で行うストレッチ

  • 上半身のストレッチ

立ったまま両腕を伸ばした状態で腰を90度くらいまで深く曲げて前かがみになります。20秒から30秒程度、そのままの姿勢をキープします。そのままゆっくり背中の筋肉を後ろへ1回から3回ほど伸ばします。この時の動作はゆっくり筋肉を伸ばすようにしましょう

  • 背中のストレッチ

手すりを両手でつかみ、足を開いて立ちます。足を曲げてしゃがみます。20秒から30秒キープして背中をゆっくり1回から3回程度伸ばします。

  • 太もも(前側)のストレッチ

手すりや椅子、机などを片手でつかみます。

もう片方の手で片足のつま先をつかみ、後ろななめ上へ引き上げます。

20秒から30秒程度キープして、1回から3回行います。

太ももの前側の筋肉をしっかり伸ばし、筋肉が動いているのを感じながら行うのがポイントです。

反対側も行いましょう。

  • ふともものストレッチ

手すりや椅子、机などを両手でつかみます。

右足を軽く曲げて前に出し、もう片方は後ろへ伸ばします。アキレス腱を伸ばすような姿勢です。

20秒から30秒程度キープし1回から3回ふくらはぎの筋肉がのびているのを感じます。

その際、筋肉が動いているのを感じながら行うのがポイントです。左右行います。

介護職の腰痛予防はインナーマッスルを鍛えることが重要

インナーマッスルを鍛えることで、腰痛予防をすることができます。

腰痛を予防するためには、このインナーマッスルという筋肉を鍛えることが必要です。介護職でも、体幹を鍛えることが大切といわれていますが、インナーマッスルを鍛えるというと、体幹を鍛えると思われがちですが、からだの奥に位置している筋肉を鍛えることをいいます。

インナーマッスルとは?

体幹筋だけではなく、うでや足の奥にある筋肉もインナーマッスルです。このからだの奥にある筋肉がインナーマッスルに対して、からだの表面にある筋肉のことをアウターマッスルといいます。このアウターマッスルはからだの表面を覆っている筋肉であり、主に、立ち上がったり何かをする動作時に力を発揮し、見た目にも筋肉の形状や使っている筋肉がどこなのかわかりやすい筋肉です。

インナーマッスルは、からだの奥にあるので、見た目には動いていることは確認できません。しかしこのインナーマッスルととアウターマッスルが同時に動くことによって姿勢保持や動作のサポートが得られます。インナーマッスルとアウターマッスルの双方のバランスのとれた働きが必要となってきます。

腰痛対策や、腰痛持ちの人に対して、腰痛は腹筋と背筋を鍛えたほうが良いという人がいますが、腰痛持ちの人に腹筋や背筋をすることはとてもつらい作業になります。反対に腰痛が悪化したりすることにもなりかねませんし、腰痛予防に良い腹筋は、筋トレでは鍛えにくい筋肉となっています。

ヘルニアなどのMRIでの異常が見つかった人は自己流の筋トレは症状を悪化させる原因にもなりますので、医師の治療にお任せしましょう。ここでは原因の分からない腰痛持ちの人や腰痛予防として活用していただけるものになります。多くの人が悩むのは、原因の分からない腰痛で、全体の約85%の人が原因の分からない腰痛だと言われています。

骨や関節に過度な負担がかかり腰痛を引き起こし、筋肉が疲労してからだのバランスがとれなくなり痛みが生じます。運動不足で背骨を支える筋肉が衰えることで腰痛が引き起こされまます。

この背骨を支える筋肉をローカル筋といい、腰痛予防と関連するのが腹横筋(ふくおうきん)と多裂筋(たれつきん)というローカル筋の中の筋肉です。

腹横筋は、腰椎と骨盤に隣接している筋肉で、お腹の周りをぐるっとまくような形をしていて、多裂筋とは、背骨ひとつひとつについている小さな筋肉で背骨の動きを制御できるものです。これらの筋肉を鍛えることが腰痛予防につながります。インナーマッスルが鍛えられるまでは、コルセットを使いながら、背骨を支えましょう。

インナーマッスルのトレーニング方法

  • ドローイン

仰向けになり、左右の下腹部に手を当てます。背中を床に押し当てて、おへそを引き込んでいきます。お腹がギュッと引き締まる感覚になります。これを繰り返します。

  • ハンドニー

四つん這いになり、両手両ひざの4点でからだを支えます。両手は肩幅で肩の真下に来るようにします。ひざも肩幅にしお尻の真下に来るようにします。からだの内側に四角形を作るイメージです。ゆっくり片手を床と平行になるように伸ばします。あごはあげないで、下に引かないようにします。上げた手と反対の足を後ろに伸ばします。この状態を10秒キープして2~3回繰り返します。

反対側も行いましょう。

  • エルボーアウトフット

うつ伏せになり、からだを持ち上げ、うでと足でからだを支え、肘は肩の真下にくるようにして、からだと床の間で直角三角形を作るイメージです。この状態で10秒キープして左右2~3回繰り返します。

  • エルボートゥ

うつ伏せで、ひじから下のうでとつま先でからだを支え、うで、足は肩幅に広げて腹筋をしめるイメージです。ゆっくり右手と左手を伸ばします。手と足を同時にが難しいときは、ひとつずつしましょう。伸ばした状態を10秒キープして左右繰り返します。

介護職の腰痛予防に環境を整える上で重要な事

環境を整えることで、腰痛予防になることもあります。ベットの高さを、自分の腰の位置に設定することで、腰への負担が軽減されます。時間がない中で高さ調整をする時間がなかったりしますが、後々のことを考えて、腰を労わる意味でもベットの高さ調整は大切です。

温度調整や湿度は適切に保たれていますか。施設では管理しやすい分、浴室から戻るときなどに急な温度変化が起きがちです。急な温度変化は、腰への負担にもなり、血液循環にも良くありません。また在宅訪問の場合も、冬場など外と中を入ったり出たりの繰り返しとなります。動きやすさを考えてつい薄着になりがちですが、暖かくしておくことが必要です。

ストレス対策はできていますか。ストレスがたまっていくと、余裕がなくなり、つい力任せに動いてしまいます。ボディメカニクスをいつでも意識していられるように、自分に余裕を持つことも大切です。ストレス解消方法が分からない時はこちらを参照してください。

参考介護職員が現場で感じているストレス

介護職の腰痛予防にアセスメント

定期的にケアプランを変更するように、今行っている介助方法が適切に行われているか、ご利用者様と介助者にとって、適切なものとなっているか考える必要があります。介助者が楽に行えることが、ご利用者様にとっても楽に介助を受けられることにつながります。

介助者が、無理をしていたり力ずくで介助を行うことは、ご利用者様にとっても苦痛でしかありません。介助は自分よりも重い人を移乗したり、入浴介助したりすることの方が多いです。その時に介助者が力だけで動いていたり、動かそうとしても、なかなか大変なものですし、腰に負担がかかるばかりです。そのような姿を見せてしまうと、ご利用者様を不安にさせてしまいます。

腰に負担をかけない意味でも、介助方法や、使っている福祉用具が、今の現状に合っているものなのか常に考え、合っていないと思うものがあれば、違う方法を探していきましょう。そのように評価の積み重ねをすることで、適切な介助を提供することにつながり、腰への負担も軽減されていきます。

1.環境アセスメント

環境を整えていきましょう。ベットや車いすの高さやグリップの位置は低すぎないか確認します。低すぎると前傾姿勢になってしまい、腰に負担がかかります。狭い場所や、滑りやすいところでは変な姿勢になり、足に力を入れて踏ん張るため、腰に負担がかかります。照明はできるだけ明るくし、日中は太陽の光を入れるようにしましょう。

2.介助姿勢のアセスメント

腰に負担がかかる姿勢として、前傾姿勢が多く、中腰や長時間の同じ体制なども、介助者には多いです。また狭い場所での変な体制や体幹のひねりなどもよくあることといえます。さまざまな場面で不自然な姿勢をとることが多くあります。ボディメカニクスを活用することで、腰への負担を軽減することができます。ボディメカニクスについて、詳しくはこちらをご覧ください。

参考わかりやすい!ボディメカニクス

3.福祉用具のアセスメント

要介護が高くなるにつれて、自力では動くことが困難です。移乗や体位変換、トイレ介助入浴介助など、腰への負担がかかる場面は多くあります。その時に福祉用具を活用することができれば腰への負担はとても軽減させることができるので、高さ調節ができる用具に変えるなど検討しましょう。

どこに配置するのか、何に困っているのか、収納スペースはどこなのかを考える必要があります。また車いすへの移乗のためにスライディングボードを購入したが、車いすの肘掛けが取り外しできなかったなど購入してからのトラブルも多いので、購入する前には他の福祉用具との組み合わせを考える必要があります。

セルフケアとアセスメントで腰痛予防

時間に追われながら介助業務をこなすのは、とても大変なことです。ご利用者様のことを考えることもとても大切なことですが、健康な自分でいることも、介護を続けていくうえで必要なことであり、自分の心とからだが健康であるから、ご利用者様に喜んでもらえる介助を提供することができると思います。

すでに腰痛持ちの人でも、インナーマッスルを鍛えることで、バランスがとれて痛みが軽減されていきます。腰に負担のないように、インナーマッスルを鍛えながら、ストレッチを業務の合間に取り入れたりすることや、ボディメカニクスを活用すること、現状のアセスメントを行い、環境を整えることで、腰への負担は軽減されます。

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